ドント・ルック・アップのレビュー・感想・評価
全251件中、61~80件目を表示
人類最期の物語
人類はコミュニケーションができたからこそ、繁栄ができたとどこかで聞いたことがある。自然環境や外敵などに、皆で協力して問題に対処できたからだと。
結果、共通認識しやすい危機は激減した。しかし、認識と相性の良くない物事についてはどうだろうか?瞬きの暇もないあっという間に起こる危機、変化がなく思えるほどじわじわゆっくり起こる危機。そして誰も知らない密室が絡み合って進行する人的危機。
認識できないため、一人一人は事実を誤認する。目についた共通誤認に身を委ねて満足する。それを横目にひと握りの権力者の考えが、社会全体の意思決定として強行される。その結果が全ての人に降りかかり、危機がはっきり認識できた時にはあとの祭り。
コミュニケーションで繁栄した人類は、コミュニケーションで自滅する。滑稽で恐ろしい、人類の最期。それを提示してくれる、現代人が観ておいて損はない映画。
今の世界情勢を思うと、フィクションだと笑うことはできない。社会のありように向き合うことは、大事。
見上げてごらん夜の星を
天文学者のランドールと教え子の大学院生ケイトは巨大な彗星を発見する。
そして、それはほぼ100%の確率で地球に衝突するという衝撃の事実も発覚した。
2人は大統領やメディアにその緊急性を訴えるが、現実離れした話にちゃんと取り合って貰えない。
半年後の衝突までに人類は最善策を取って生き延びることが出来るのか。
ネトフリ未加入なので劇場で。
よく作ったな、この作品。
皮肉に皮肉に皮肉。
確実にあの人やあの企業のことを言っているでしょ、みたいなのが大量発生していて、訴訟もんのブラックジョークにある意味ヒヤヒヤしながら観た。
先日直径1キロ近い小惑星が地球に再接近するというニュースがあった際に、この映画がよく話題に上がっていた。
実際自分はあの時、もしかしたら地球が滅亡するんじゃないかと危惧していたので、この映画は非常に現実的で恐ろしかった。
無事軌道を外れたので今こうして生きているけれど、いつその非常事態が来るかは分からない。
確かに死は怖い。
だけど、地球に産まれた以上地球で死ぬ覚悟はいつだって出来ている(と虚勢を張ってみる)。
・文系VS理系
文系の自分は理系の学者を見下している節があると気付き、また自分が嫌になる。
最初の大統領たちのように、専門用語ばかりで数字に厳しく正確な学者の話を鼻で笑っている自分を見つけたから。
・闇堕ちサイエンティスト
メディア出演が増え、広告塔になったり、政府の言いなりになったり、少しずつ道を踏み外していく学者たち。
ランドールは不倫、ケイトもストレスから問題を頻発させる。
そう考えると、本当に尾身さんとかよくやっているなと。
・Just Look Up VS Don't Look Up
一つの国家、はたまた世界が2つに分断される構図は、まさに米大統領戦。
歌手が支持を表明したり、経済至上主義だったり、家族を使った演説だったり、SNS炎上を逆手に取った支持率アップだったりが、まさについこの前のアレで…
メキシコをチリに置き換えてるし笑
・現代アメリカや現代世界へ向けた強烈な批判
SNSによる社会的影響、GAFAの台頭と侵略、AIによる情報管理、差別問題などなど、本当にこんな赤裸々に描いていいのかと思うようなブラックジョークの数々。
今のSDGsの取り組みも、隙あらば利益を得ようとする劇中のBASH社のようになってませんか?
アメリカ人はヒーローが好きだから、わざわざヒーローを用意するっていうのも、思いっきり刺さってそう。性格悪〜w
・豪華キャスト
ディカプリオが見れば見るほどディカプリオに見えなくなってくる。
メリル・ストリープの某〇〇〇〇風大統領もハマり役だった。
問題発言しちゃう時代遅れのロン・パールマンも良き。
アリアナ・グランデさすが歌ウマ‼︎
ティモシー・シャラメは今回も存在感抜群、チョイ役かと思ってた。
・万物破壊
彼らのあの最期の晩餐が1番多幸空間だった。
金と権力を纏っていた奴らが冷凍保存で生きながらえたとしても、なんとも滑稽な生まれたまんまの姿でブロンテロックに食われるのがオチ。
地球最後の男になってしまった息子くんなんか、もっと哀れ…
自由の国アメリカ。
こんなものが作れてしまうのがNetflixなのか!
猛毒なので人は選びそうだけど、色々とすごい映画だった。
こんな気持ちで劇場を後にすることもなかなかない。
隕石よ、
いつでも“ドント”来い(来るな)!
アメリカンジョーク
評判も良くアカデミー賞候補だし超豪華キャストだし、Netflix作品なので今後観る機会がないかもしれないしで、近くの劇場で上映してくれたので観に行きました。
勘違いされると困るので最初に言っておきますが、私の大好きな作風でとても面白く、一級品の作品だと思うし観られて本当に良かったと思っています。
ただ、あまりにも専門家筋の高評価に対し少し戸惑う部分もありますので、その事に焦点を当てて書きますと、この手の作品って今までにも何本もの傑作が既に作られているし観て来ました。
なので、個人的には新鮮味は感じられませんでしたし、特別の驚きや衝撃もありませんでした。
逆に言うとなんで評論家筋がこんなに騒いでいるのかが、少し不思議な気がしましたよ。
本作クラスのブラックコメディやパロディ作品ならアメリカ映画には既に沢山の傑作が存在し、少なくとも私にとっては(楽しみましたが)衝撃であったり魂に響くほどの作品ではなかったです。
『博士の異常な愛情』や『ネツトワーク』等の作品を知っている世代なら、今もこのテーマでアメリカは全く進歩していないというか、長年アメリカ映画を観続けている者からすると、その様な捉え方も出来る作品でしたね。
「いやいや、人間の普遍性を描いた作品なんだよ」という方も当然いるとは思いますが、若い映画ファンの様にはしゃいで欲しくはないですよね。
実際危機になっても、こんなものかも
ここまでくると、もしも隕石が衝突することになってもみんなで笑って死ぬのも
アリ?って思いました。
終始必死な主役のレオとジェニファーに対して、
メディアの持ち上げる時下げる時茶化した感じ
全てがコメディ
上手く昇華してる
状況に徐々に飲み込まれていくレオ様演じるランドール天文学者
こんなのおかしいと真っ直ぐ訴え続けるケイト
難しい脚本をさすがレオ様と改めて思った
エンタメとして面白い
ブロンテック、あとでわかるw
役者陣のディフォルメがハンパない
おキョーレツなキャラクター合戦
キャラがギャグ
SFなのに未来ではなく現代
でもってブラックコメディ
お腹いっぱいになりました〜
あと、オープニングとエンディングの
クレジットデザインがめっちゃカッコいい
60年代ジャズのアルバムジャケットみたい
それをまた今のデザインにしちゃってるもんね
さーすーがーー!
巨大彗星のあとしまつ
別の「あとしまつ」の後に観賞したせいで高得点ですが映画は4.5点(ラストが辛いので)の出来です、才能ある奴が本を書くとこうも面白ろい、展開・会話最高です、最近の病でもこんな会話がお上で行われいるのかも、と思うとまさにブラックコメディ。
そこに払われるマネーが映画の差とは思いませんがNetflixが撮っています、ギャグ映画でも有りますが勢いがダンチです。
強烈な印象、すごく好き
ここ数年観た映画の中でいちばん「好き」かもしれない(じゃあなんで5点じゃないのか、といえば、議論の余地が大いにあって5点をつけちゃうと完結してしまってさみしいから、という感じ)。
劇伴もすごく好きで、特に強烈に印象に残っているシーンの、好きだった曲のタイトルが「メメントモリ」でゾッとしてしまった(笑)
演者もスター選手揃いだけれども、単にスターを揃えました、というだけじゃなくて作品にマッチしていて良かった。
日本版ドント・ルック・アップはもしかしたら大怪獣のあとしまつなんだろうか…などと思いながら(笑)、観終わってしばらく経ちますが余韻に浸り続けています。
日本だったら、半年間では楽観的な方向には触れず、悲観的な方向に触れるんじゃないかなぁ、などなどいろいろ考えるのもまた面白いですね。
こんな映画が作れるのが羨ましいなあと思ってしまった。
全人類のバカ息子ことジョナヒル最高
fu●kのカリスマことレオさまと
全人類のバカ息子ことジョナヒルが
アドリブ満載で不謹慎コメディしてたらそれだけで観る価値ありです。
そのコンビと内容で想起するのは、やはりスコセッシ監督のウルフオブウォールストリートですが、今作はそのスコセッシ的編集技法の継承者であり今やトップランナーのアダムマッケイ。昔からのコメディ畑のバランス感覚、シュールさと、直近数作品で全面にでてきた社会へのメッセージ性を高いレベルでハイブリッドさせてました。
アダムマッケイ監督のマネーショートでもあったような、悲惨な顛末を向かえる確かな事実と変わらない世界の苛立ちを完璧にエンタメに昇華してる!
と思ってました。途中まで。
ところが観ていくと笑えません。今の世の中そのまますぎて。エンタメじゃなくドキュメンタリーに近い。
つまり「映画を観る普通の人間」として観れば爆笑できるのに、「現代社会の一員」として観れば全く笑い事じゃなくなるということです。
今の世の中の気持ち悪さと歪みを認識させられる、ブラックコメディとして最高水準の完成度です。今の子供世代が将来これを観てキテレツムービーとして爆笑できる世の中となることを星に願います。
罪を赦したまえ〜人類の愚かさをリアルに描く
天文学を研究するミシガン州立大学教授を演じたレオナルド・ディカプリオ、様になっていました。
すばる望遠鏡で彗星を発見する教え子の大学院生ケイトを、ジェニファー・ローレンスが魅力的に演じる。
スマートフォン会社「バッシュ」の創業者ピーターを演じたマーク・ライランス、シュールさを纏った演技が絶妙。
メリル・ストリープ、ケイト・ブランシェット、ティモシー・シャラメ…豪華キャスト陣というのも頷ける作品 ✨
ポップスターを演じたアリアナ・グランデのコンサートシーン、「竜とそばかすの姫」のワンシーンを思い出しました。
終盤の食卓を囲むシーンが沁みた。
-メディア訓練
映画館での鑑賞
とにかく豪華!お金がかかっている!
アメリカらしいブラックコメディです。ホワイトハウスなどは本当にこういう世界なんじゃないだろうかと思わせる。出演者の豪華さがとにかくすごいのでそれだけで満足度は高い。そしてお金がかかっている。最後の最後までエンターテイメントとして楽しめる作品でした。
個人的にはずっと好きだったディカプリオと今をときめくティモシーの共演が嬉しい!ティモシーも数十年後にはイケオジ役をやるようになるのかなあ。レオみたいに息の長い俳優になってほしいものです。
私的にとても満足。おすすめしたい作品です!
笑うに笑えない極上のブラックコメディ
もし巨大な彗星が地球に落ちてきたら?
そんな題材の映画はこれまで無数にあった。
しかし本作はそれら過去作に埋もれるような凡作ではない。むしろ、その過去作を遥か過去の物に押しやる程に強烈な1本だ。
もし巨大な彗星が地球に落ちてきたら?
全人類が一致団結して彗星を破壊する?
いやいや、この映画はそんなスムーズに話を進めてくれない。それどころか、大統領もメディアも冗談半分に笑い飛ばしてまともに取り合おうとしない。
危機を未然に知り、対策を取ろうと奔走する者。
直面する危機から目を逸らし目先の利益を優先する者。
この相反する両者を見て、視聴者は初めは笑ってしまう事だろう。私もそんな1人だった。
だが次第に気づくのだ。彗星落下はフィクションなどではないと。むしろこれはあらゆる災厄の比喩であり、二分される両者の主義主張は、コロナ禍で分断された世界を生きる私達自身なのだと。
こうなるともう笑えない。
むしろ背筋がゾッとするほど恐ろしくなる。
人間は危機に直面しても一致団結なぞせず、目先の利益の為に本質を見失い自滅していく…そうこの作品はメッセージを発しているのだ。
なんて愚かな事だろう。
しかし、これを単なるフィクションだと割り切る事もさせてくれない。何故なら、今まで見てきたアルマゲドンやディープインパクトこそフィクションであり、本作のテーマこそ現実だと肌感覚で分かってしまうからだ。
人間は彗星衝突で絶滅するわけでも、ましてエイリアンの侵略で絶滅するわけでもない。人間は、人間自身のエゴに食い尽くされて自滅していく。
この余りに重い事実をエンタメとして消費できてしまう業の深さ。これこそが人間という愚かな生き物の本質なのかもしれない。
彗星をコロナウイルスに見立てて、現代社会を風刺。 壮大で、ユーモア...
彗星をコロナウイルスに見立てて、現代社会を風刺。
壮大で、ユーモアもあり、単なる破滅的映画ではない。
最後のトレーラーまでしっかり見よう。
ダイエット成功!
論文とかを書くときは、
データ、数字、根拠、、とかなんとか言われるものですが、
結局多くの人が信じるのは
誰が、どんな態度で伝えているか…?
なのかもしれないと思わされました。
見ているのは表面だけ。
それで嘘が本当かを決定しちゃうなんて、
なかなかメディアを受け取る側の私も
怖いことをしているのだな…
信用ってなんなのだろう。
やっぱりあの状況だと感情的になっちゃうのかな…?
アナウンサーさん達は、災害の時とかに冷静に正しく伝える訓練とかを受けれいるのでしょうかね、、、。
結局お金持ちは助かるんかい!
と思うのですが、
人それぞれ幸せは違うと思います。
(冷凍技術あたりはツッコミどころ満載。笑)
最後の晩餐をして、お祈りをして
静かに、今まで通りの生活をより心を込めて生きるシーンは感動でした。
私も、毎日を濃く生きれたらなと、
思わされました。
最後まで見ないとダメだと思わされた映画。
新しい地のイメージって、
意外と人類共通なのかと思いました。笑
聖書(読んだことありませんが)みたいな、ギリシャ神話みたいな世界観に少し笑ってしまいました。
映画のタイトルが入るタイミングが
私的には結構ツボでした。
今の世の中を風刺した映画
彗星という、異常事態がもし突然現れたら、という今とリンクした映画
全員が既得権益を守り、自分のことを求めようとするとどうなるのかをしっかり描いてた。
いーいバッドエンドだね。
一つ一つの描写がリアルで良かったと思う。
82/100
コメディ要素がやや小粒
天文学専攻のランドール・ミンディ博士は、落ちこぼれ気味の天文学者。ある日、教え子の大学院生ケイトとともに地球衝突の恐れがある巨大彗星の存在を発見し、世界中の人々に迫りくる危機を知らせるべく奔走することに。テレビ番組出演のチャンスにも恵まれ、熱心に訴えかけますが、相手にしてもらえないばかりか、事態は思わぬ方向へー。
とにかくキャストが豪華。その中でもディカプリオはやはり光った。冴えない学者からの、熱の入った言葉にはぐっとくる。メリル・ストリープ達の道化ペアもいい感じに気分を悪くしてくれる。
ラストの展開が途中から気になりだすが、潔くて個人的には気に入った。
ただ、笑える要素の一つ一つが小粒でコメディ映画にしては真面目なトーンが多かった印象。政治やGAFAをいじるあたりはアメリカンブラックジョークだが、どういう顔して見ればいいのかわからない部分もあったり。
全251件中、61~80件目を表示