劇場公開日 2022年1月28日

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「どんどん好きになる映画!!」Pure Japanese cosmicさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0どんどん好きになる映画!!

2022年2月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

江戸村のセットで、立石=ディーンさんと陣内=坂口さんの繰り広げる、大迫力の死闘が見物です。
照明の色の重なりと音楽が掛け合わさった、幽玄の世界観が凄く格好よく美しい!!
目の当たりにしてみれば、アクションと作品の素晴らしさが、とても分かります。

お気に入りの場面は、エア切腹のあとの恍惚とした表情。

立石少年が口ずさむ英語の歌詞の童謡『ボートを漕ごう そっと流れに乗って 陽気に楽しく 人生はただの夢』
どこか寂しげだけれど、狂気はまだ眠っているように聴こえた。

背中で鼻歌唄う立石には、何とも言いあらわせない不気味さ(潜んでいた狂気が完全に顔を出した)が漂っていた。

暗くて倒錯している(正義がねじれて狂気へと向かう)のに、それでもなお美しい作品でした。

温泉水の雨を浴びて赤く染まった立石の瞳の色、血飛沫に陶酔した立ち姿さえ綺麗なラストシーンは、まるで眠りから目覚めた吸血鬼のよう。

復讐に転じ、華麗に狩る、ディーンさん主演のドラマ、モンテ・クリスト伯にも通じるものがあって、怖いけど、色々と考えさせられる展開に嵌まってしまいます。

『読み継がれる本には、人間とはという問い掛けがある』
Pure japaneseにも、日本人の定義とは?という問い掛けがある。

冒頭のウィトゲンシュタインの引用、英語歌詞の童謡、三島由紀夫と吉田松陰の台詞、英語の叙情的なラストのナレーション、詩的な要素も多い。

舞台挨拶でディーンさんからも
「 ネタバレ全く問題無いです。この作品はネタバレしてこそ、より深く楽しめる作品になってます。
何を言っているんだ? と思うかもしれませんが、実際に観て頂いて、思ったことをSNSやご家族や友人などに、具体的に言いふらしてもらいたいです。その方が観客の皆さんにとって愉しめる、実験装置のような映画です。」
とコメントもありました。

観てきた人それぞれの感想と一緒に、皆に広く語り継がれることが、大事な作品だろうと思いました。

実際私は初見はそのまま、2回目はコメンタリー副音声(これがまた面白くて、聞いて良かった)でしたが、同じく観てきた日本語人の感想知りたくてしょうがない。
後から後からこんなに口コミ気になるのは、今迄経験ありません!

天才?鬼才? ディーンさんの頭の中、相当ヤバくて興味を惹かれます。

cosmic