「どこまで共存してゆけるのか」ニトラム NITRAM N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
どこまで共存してゆけるのか
一見すると銃規制の大切さを訴えているようで、
規制よりも扱う人間側の問題であり、
人間側とは一人一人を指すのでなく、
個々、関わり合い全てを指す社会全体の問題なのだ、
と投げかけられているように感じた。
安全も危険も人と人の間にかかっていると。
しかしながら先天的に理解し難い狂暴性を合わせ持った人物と、
その社会がどこまで共存してゆけるのか、
この難しさもまた突き付けられたように感じる。
果たして金持ちの彼女が生き続けるルートなのか、
家族が新たな物件を手にするルートなのか、
銃砲店員の危機管理意識なのか、
そもそも病院側の積極的な介入による拘束措置なのか、
悲劇を避けるに、振り返って考えるポイントがあり過ぎて悩む。
また昨今、巷の似たような事件を思い出し、
重く受け止める一本となった。
邦画「月」の製作陣は、本作を観た、参考にした、のではないかと、ふと浮かんだ。
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