劇場公開日 2021年7月30日

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「スガのレベルが有権者のレベル」パンケーキを毒見する 耶馬英彦さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5スガのレベルが有権者のレベル

2021年8月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 本作品はアベ~スガ政権がどれほど悪質な上に中身のないスッカスカ政権だったかを描く。映画館では笑っている人もいたが、現実は笑えない。

 菅義偉が頭が悪いのはことあるごとに明らかになってきたが、後ろで支える官僚もそれほど頭がよくない。共産党の小池晃さんに学術会議の任命拒否を国会で追求されたとき、あまりにも同じ答弁を繰り返すので議長が一息入れたが、その間に一生懸命官僚が作文した答弁をスガが読むのを聞くと、これが見事に前の答弁とほぼ同じで、流石に殆どの議員が呆れ果てていた。頭のいい高校生ならずっとマシな文章を書くだろう。政治家の劣化は官僚の劣化からくる。そもそもアベとスガはイエスマンしか周りに置かない。イエスマンの例にもれず、頭の悪い人間しか周りにいないということだ。10年後100年後のことなど考えられないのだろう。木を見て森を見ず。大局観のない政治家と官僚ばかりではこの国に未来はない。

 ナレーションを担当した俳優の古舘寛治さんは、ツイッターで「古舘寛治は言う、投票率80%こそが日本人の革命だ!投票倍増委員会会員。会員を増やしたい。選挙までは!」という長いハンドルネームを使って、#投票倍増委員会というものを立ち上げている。#投票率倍増委員会ではなく#投票倍増委員会としたのは、有権者の選挙に対する姿勢を問題にしているからだと思う。選挙があれば候補者を自分で見定めて誰に投票するかを決め、投票日に投票に行くか、事前投票をする。そういう当たり前の行動をしない人が多いのが現状だ。日本を変えるために、選挙権を放棄する人を減らす、できればゼロにするのが目的である。
 古舘寛治さんの主張には全面的に賛成だ。しかし、投票率が80%になったら自公の悪徳政治がなくなるのかというと、やや疑わしい。選挙に行かない人々は現状維持でいいと思っているから行かないわけで、行ったら行ったで、結局自民党に投票するのではなかろうか。現に若者の多くは自民党支持だ。
 投票率が100%になったら自民党が大勝して、国を挙げての翼賛政治になる可能性もゼロではない。古舘さんは投票率が80%になったら政権交代が起きると信じているのだろうが、それは有権者に期待し過ぎだと思う。コロナ失策が明らかになった今でも、スガ内閣の支持率は30%を超えている。日本の有権者もスガと同じレベルであり、10年後100年後のことなど考えずに投票するのだ。やっぱりこの国に未来はない。

耶馬英彦