劇場公開日 2021年7月2日

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「【“二つの奇妙な果実”ビリー・ホリデイの波乱万丈な人生と、彼女の生き様を追っていた女性ジャーナリストの不可解な死をミステリータッチで描いた作品。】」BILLIE ビリー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0【“二つの奇妙な果実”ビリー・ホリデイの波乱万丈な人生と、彼女の生き様を追っていた女性ジャーナリストの不可解な死をミステリータッチで描いた作品。】

2021年10月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

ー 冒頭、若き女性ジャーナリスト、リンダの不可解な死が告げられる。
  彼女は、ビリー・ホリデイの多くの関係者にインタビューをしていたのである。
  可なり、立ち入った内容まで・・。
  今作は、彼女のインタビューの録音テープを再構成して製作されている。ー

◆感想

 1.冒頭から、物凄い人数の、ビリー・ホリデイに対する想いが映像もしくはテープで語られる。

 2.そこで、語られるのは
  ・ビリー・ホリデイが13歳の時から、売春していた事。
  ・異様なほどの、男好き且つレズビアンでもあり、多数の男とフツーに寝ていた事。
  ・ろくでもない男達との付き合いの中、麻薬に溺れ、麻薬捜査官により、逮捕勾留された事。
  ・マゾヒストだったらしい事。
   ー付き合っていたろくでもない男から、殴られてもその後すぐに体を交えていた事。ー
  ・精神的に不安定な人間だった事。

 □今作では、ゴシップ雑誌のような、真偽不明な事が多数語られる。

  だが、今作の重要さは、黒人への人種差別が横行していた時代に、彼女が歌一つで、富を築いた事と
  ”奇妙な果実”を、ステージで歌い続けた事実である。
  彼女が”奇妙な果実”を歌い始めると、白人の客がゾロゾロと、会場を嫌な顔をしながら出て行く姿・・。
  彼女が、ステージで”奇妙な果実”を歌うシーンはキチンと、見せて欲しかった。他の曲も・・。
  ドキュメンタリー作品として、構成が勿体ないなあ・・、と思った作品。

  <それにしても、享年44歳とは、麻薬過剰摂取も原因なのであろうが、早すぎる死である。
  彼女も、リンダも”奇妙な果実”として、木に括られた犠牲者であったのであろうか・・。>

<2021年10月10日 刈谷日劇にて鑑賞>

NOBU