「【1969年の夏、米ウッドストック・フェスティバルが行われたNYで、黒人アーティストが集ったハーレム・カルチャラル・フェスティバルの映像が、50年の時を経て、日の目を見た事実は重くて大きい。】」サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【1969年の夏、米ウッドストック・フェスティバルが行われたNYで、黒人アーティストが集ったハーレム・カルチャラル・フェスティバルの映像が、50年の時を経て、日の目を見た事実は重くて大きい。】

2022年4月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

幸せ

■副題の(あるいは、革命がテレビ放映されなかったとき)という言葉が発するメッセージは重い。
 ベトナム戦争の混乱。ドラッグの蔓延。
 そして、度重なる黒人活動家、マルコムX、キング牧師の暗殺の中、ウッドストック・フェスティバルが行われた事は、ロック好きであればどこかで聞いたことがあるであろうが、ハーレムのど真ん中で行われていたハーレム・カルチャラル・フェスティバルの事は、私は知らなかった・・。

◆感想

 ・冒頭の、スティービー・ワンダーのドラムソロから始まり、B.B.キング。
 大御所が続いた後、The 5Th Dimension のアクエリアス(流石にこれは聞いたことがある。)
 - 観客は9割黒人。それにしても、凄い人数である。30万人と流れる。ー

 ・個人的に響いたのは、スライ&ザ・ファミリーストーンと、ニーナ・シモンの演奏シーンである。
 - 特にニーナ・シモンの怒りを鍵盤に叩きつけるような、演奏と歌には痺れた。

 ・当時のNY市長ジョン・リンゼイが白人ながらも、リベラルな思想を持ち、ハーレムの貧困を改善しようとする姿勢に共鳴し、コンサートの壇上に上げられ歓迎を受けるシーンも良かった。
 - 黒人たちが肌の色だけで、人を判断していなかった事が分かる。
   因みに、今作でも描かれているが、この頃から新聞、雑誌に記載されるワードは、二グロから黒人へと変化している。-

 ・同時期のアポロ11号、月面着陸を”黒人はハーレム。白人は月へ。金があるなら、ハーレムの現状を改善しろ!””ベトナム戦争は白人が勝手に起こした戦争だ!”と多数の黒人が怒りを込めて揶揄する姿。

<黒人シンガーたちが、歌を通して多様性や共生、平等を訴えかけるステージに熱狂する、ほぼ黒人の観客たち。
 今作が、昨年夏に、公開された意義は大きいのである。

<2022年4月15日 Movix三好にて鑑賞。
 本当は別の映画が公開予定だったが、監督がヤラカシタノデ(最近多い。全くもう。アメリカだけじゃないのかい!)急遽、”再上映”として公開された。多謝である。>

NOBU
カールⅢ世さんのコメント
2022年4月16日

もしかして、木下ほうかのお友達の榊さんの安田顕と山田裕貴のあれですか?昨日、映画ファンの知人が悲しいお知らせを届けてくれて、もう憤懣やるかたないっス。バカやろ~❗

カールⅢ世