鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎のレビュー・感想・評価
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いろいろ盛り込みながらまとまってる
色々な要素を盛り込みながら、まとまっていて面白かったです。
金田一耕助シリーズのように、戦後の地方で起きるサスペンス、オカルト要素、バトルアクション、弱者の犠牲の上での反映への批判など盛り盛りの割に2時間以内と見やすいです。
最後、水木は記憶がなかったのに、ゲゲ郎とその妻のところに行ったのはなぜなんでしょう?そこがよくわからなかったな。あとで考察サイト見回ってみます。
大人向けと子ども向けのさじ加減に少し混乱。
冒頭あたり昭和で因習村で不気味な雰囲気、作画はとても良かった!
戦争体験者の水木と、人間でない幽霊族・ゲゲ郎のバディ感も良かった。
エンディングの鬼太郎の誕生に結びつけるところも、切ないカランコロンのテーマも良かった。
…のだけど途中の派手なバトルシーンや終盤のやや過剰な悪役のリアクションで雰囲気が少し子ども向けアニメっぽくなってしまっていてもったいない!!と観終わって思ってしまった。
そう、冒頭の雰囲気や色んな良い要素が多かっただけに世界観というか、温度差に個人的モヤモヤが残った感じ。
内容もエグい部分があるわけだし、もっと大人向けに振り切って引き算な感じで描いてくれれば世界観が混乱することなく楽しめたのに…!と惜しい気持ちが大きい。
とはいえ、基本的には楽しく観た。
感想見てるとオタクの性癖に刺さる要素が多いみたいだけどそれもわかる。
イケボまみれの犬神家
犬神家+八つ墓村な世界観をベースに進む、イケボまみれの妖怪奇譚。
こういう昭和の土着の因習みたいなものが根強く残っている世界観は素敵で、画もなかなか不気味なので印象的。
冒頭の血液銀行の社長室のカットなんかは特に劇的で、実写じゃ表現できないおぞましさ。
鬼太郎が好きな人にはたまらない空気感だったんじゃないか。
ストーリーは大まかに言えば、村の因習に立ち向かう二人の奇妙な協力関係だけど、そこにヒロインが噛んできたり、謎の殺人が続いたりで、面白い要素はたくさんある。
もっとも、多くのキャラクターがなぜか主人公にだけは甘く寛容なので、彼が自由に村を動き回れる理由や価値付けが欲しかった。
あとゲゲ郎については、行動原理が一貫していて分かりやすい分、もう一捻りあっても面白かったんじゃないか。(子供向け映画と考えればこのぐらいが丁度いいと思うけど、明らかに子供向けじゃない物語も入ってるので)
ラストはまあ、皆殺しエンドなので、鬼太郎誕生の暗さがより際立つ感じで印象的。原作知らない人には少々説明不足だけど、考えれば大体分かるのでそんなに気にならず。ただ、ヒロイン死亡後の主人公の立ち直りの早さは、さすがにちょっと許容できなかったけれども…。
そんなんで、総合的には楽しめたけれど、鬼太郎というよりは横溝正史だったので、あの雰囲気が好きな人ならより面白いと思う。
ただ、映像の美しさや不気味さ以外で、何かがすごく印象に残ったかというとそうでもなく、結局はイケボまみれの犬神家を見た感覚が近かった。声優さんの演技はみんなさすがだったし、特に主演二人はばっちりハマってたと思う。
あと、露骨なメッセージ性は不要かなと思ったけれど、子供向け映画と考えるなら、あったほうがいいのかも。その点も含めて、どの層がターゲットなのか分からない作品だった。
アニメで時間をかけてやってほしかった
母がアニメ1~2期&墓場時代のファンで、私自身も幼い頃からゲゲゲの鬼太郎は身近な作品だと感じています。
SNSでの話題性が凄く、2次創作もかなりの数出ており物凄く期待値が高かった中で、友人に誘われて鑑賞しました。
特典とパンフレットが売り切れとのことで(鑑賞した日の午後に特典増刷と聞き崩れ落ちました笑)残念に思いつつも、エヴァQのキャラデザ担当の方が今作のキャラデザをしていたのもあり、ビジュアルの良いバディの様々な面が見られるのを楽しみにしていました。
冒頭からアニメ6期の鬼太郎と猫娘、それを追う廃刊寸前の雑誌記者が出てきて、目玉おやじが謎の島を見ながら懐古する形でストーリーが進みます。
昭和の高度経済成長期に差し掛かった辺りの日本で、血液銀行勤めの水木が秘薬の謎を探りに来た因習蔓延る村が本作の舞台となります。
…ここだけでもかなりよくあるミステリー物の印象が強いです。
この後、水木は移動の列車内で出会った謎の白髪の男(=ゲゲ郎)と村で再開し、村の異常さと妖怪の存在を余すことなく知り、双方の利害が一致しバディを組んで本作の怪奇や黒幕に対峙する…のですが、序盤から最後までかなり色々な場面の説明が端折られて展開が急なところが多く、どこに感情を置けばいいのか迷子になりました。
(劇場パンフレットや特典の内容を見ることができていれば、もう少し展開に納得できていたのかもしれません)
悪そうな見た目の人間はみんなバタバタ退場していき、作中唯一の美女もぶっ壊れて退場します。
ゲゲ郎は(他の方もレビューに書いていましたが)中級ボスまでは難なくあしらうのですが、パワーアップした狂骨となると手に負えないらしく軽やかにやられます。
水木は感情が不安定で、(元々の人を軽んじる性格は置いておいても)物凄く苦しんだり立ち直れないほど悲しんだかと思えば次のシーンではもう立ち直ります。
モブはもちろん重要人物も女子ども関係無しに皆退場するので、(本作はハッピーエンドという感想が多いですが)個人的にはハピエンでもバトエンでもないかなと感じました。
特に残念な点を上げるとすると(全体的なストーリーの端折りすぎな所は勿論なのですが)、終盤の黒幕の風貌と、桜の泉の淵で倒れた水木の後方で黒幕と話すゲゲ郎のシーンは、対比がどこかギャグ物を見ている風に感じてシリアスなシーンなのに話が入ってこなかったです…
ゲゲ郎がご先祖パワーに圧倒されるシーンも、(勿論ご都合主義なのは念頭に置いても)一歩間違えると展開に置いて行かれているように見えてシュールでした。
全体的なストーリーは金田一耕助シリーズをベースに、退場シーンは地獄少女を加え、そこにゲゲゲの鬼太郎要素で蓋をして、呪術廻戦とFateでアクションする感じでした。
水木しげる先生の生誕100周年の記念制作なので仕方のないことですが、もし放映時期が呪術0よりも前であればチラつかなかったんだろうなぁと…
2次創作の盛り上がり通りビジュアルと声優、それを取り巻く因習村という設定は確かにとっつきやすく、それ目的で観る場合は期待通りだと思います。
ただ、一部の過剰な盛り上がり方とは違い、そこまで(というより話題になるような箇所以外には)サービス(?)カット等があるわけではないので、初見時は期待値を上げないほうが楽しめると思います。
SNSでおすすめされているような過去関連回を履修してから…というのもそこまで気にしなくて大丈夫です。むしろ鬼太郎を知らない方は本作を見てからおすすめ回を見る方が整理がつくと思います。
ねずみ男は終始お調子者で安定しているので今作の最重要癒し枠です。出てくれてありがとう…
シナリオ面はありきたり設定に落とし込んでしまっているので、これをもっと丁寧にもう少し尺をかければきっと面白かっただろうな〜と惜しいものを見た気分でいっぱいです。アニメで時間をもう少しかける等してやってほしかった…
鬼太郎誕生という題名通り、エンドロール中〜後に鬼太郎が誕生したところで物語の99%が終わります。冒頭の記者が残り1%です。
あのタイミングで終劇→劇場が明るくなるとは思わず、少しびっくりしました笑
映像の綺麗さや、ゲゲ郎や味方する妖怪たちの惹かれるキャラクター性はとても良く、そして今作の勢いで鬼太郎関連の盛り上がりは勿論、深大寺の鬼太郎茶屋も物凄い盛り上がりを見せており、元々鬼太郎が好きだったので年末に盛況ぶりを感じられてそこも良かったです。
私も久々に深大寺に行きたくなりました。
佐平翁ならぬ、時貞翁
墓場鬼太郎の内容を含んだ映画ということで見に行ったら、めちゃくちゃ横溝正史的な世界に描かれていて、笑ってしまった。
当主の死後、弁護士らしき男が遺言書を読み上げるシーンなんて、まさに犬神家の一族そのもの。
舞台になっている村も湖があったり、屋敷もそれとなく犬神チックというw
さらに、近親○○的な要素も、横溝正史が描いた田舎の閉鎖的世界そのもの。
でも、その中に、確実に妖怪というものが絡んでいて、そこは確実に鬼太郎の世界だった。
ただ、作画のパースやカットの繋がりなど、微妙なとこもあったので、その辺はいただけなかったので、ちょっと低めの点数になってしまいました。
エンディングに原作の話を持ってくるのはいいけど、最後に原作の話をそのまま持ってきても、本編の話と繋がっていないので、違和感が出てくるのも、マイナス要素にしました。
水木と目玉の親父のバディは発明
水木と目玉の親父のバディは発明だと思いました。特に作者本人からディティールを頂戴した水木の薄暗いリアリティと好漢ぶりは、この映画を支えていると言っても過言ではありません
演出、カットも冴えており、観客を画面に集中させる事が出来ています。しかし中盤以降、因習村の解決編があまりにも力業で興を削いでしまったのと、水木が活躍しているとは言い難い(おおむね超常の力で解決されてしまう)のが気になりました。因習村が神秘のベールに包まれている間は面白かったですね
またリアリティラインや演出の温度感の不統一が気になります。「墓場鬼太郎と日朝鬼太郎の両取り」を目指してどっちつかずになったような感じです。ホラー演出が効果的だったのも主に中盤まで、ストーリーが日曜の朝番組テイストになってからはいつもの鬼太郎です。お話の上では特に重要ではありませんでしたが、8等身の猫娘は(その存在を知っていたにも関わらず)登場する度に笑ってしまいました
【※長文愚痴】圧巻の映像美と声優の演技、そしてチープなテーマと悪役にお説教
大前提として、私はもともと『妖怪がひたすら被害者という立場を通して現代人の物質主義やエゴに物申す』というスタンスの鬼太郎アニメがそこまで好きではないタイプの子どもでした。今でも鬼太郎ほとんど興味ない人間です。
が、あまりにも評判がいいのと、PV映像がめちゃくちゃカッコいいので面白そうと思って見に行きました。
PVどおり映像はホントよかったです。特に莫大な手間とお金かけたであろうアクションシーンは圧巻の一言だし、声優さんも素晴らしい。一番好きだったのは沙代を演じた声優さん、可愛らしい声だけど今時の萌え系アニメのアイドル声優とは厚みが違うなあと感じました。
ただ、ストーリーのほうは…、PG12と言うことで、もう少し大人の鑑賞にも耐えうる深みや骨太さがあるのかと思いましたが、結局悪くて醜いのは全部人間なんです、人外の存在はあくまで被害者なんです!っていう、もう鬼太郎じゃなくても百万遍は見た食傷気味のパターンで、アニメとか漫画見なくなって久しかったけどマジで今でもコレやっちゃうのか、とちょっと鼻白むくらいでした。
この手の批判や説教はテレビアニメの鬼太郎の中でも子どもの頃何度も見せられたものですが、じゃあふわふわな感情論以外で、具体的にどうすんの?っていう答えは一度も見た覚えがないんですよね…出てたら教えて下さい。ただダメだエゴだと批判と精神論的な解決案繰り返すだけなら子どもでも出来ると思うので。
そして色んな創作物で腐るほど見たやつ、巨悪の象徴にして世界でも類を見ない圧倒的謎技術を誇る旧日本軍。そいつらがヤバいお薬作って、それで生産したジャンキーを駒に、日清日露戦争を勝っちゃってます。チョロい戦争ですね。
横溝でも確かそんな話ありましたが、たかがジャンキー使った程度で強国に勝てちゃいました、その後の世界大戦もいいとこまで行けちゃいましたとか、そんなガバガバでボロボロなツッコミどころしかないネタ昭和ならともかく、この令和でも真面目に大々的にやってるのがまず驚きです。猫娘とかめちゃくちゃ今風に寄せてるのに、そういう穴だらけのとこは一切アップデートしないんだ…
しかも敗戦直後の急激な復興もそのおクスリの影響とかいう、当時の過酷な状況下で働き抜いたであろう人々への冒涜とも取れる描写は、真面目に閉口しました。
とにかくそのへんの全ては戦争(というか日本政府と旧日本軍)が悪なんです!と言いたいがための設定なので、薄いし、説得力なんてないと感じます。
戦争批判の部分なんて、何か軍隊時代の水木の上官が『玉砕って言っちゃったから俺以外は玉砕しなきゃだし…』みたいな信じられないアホだったり、壮絶な後輩イビリする先輩がいて、それらをして水木は「俺は戦争の理不尽さ悲惨さを知ったんだ!」みたいな感じにもなってますが。確かに上司ガチャハズレは理不尽だしご愁傷様としか。でもガチャに外れたのも上司がアホなのも戦争とは別の理不尽さだと思う…いじめ問題も別に軍隊や戦時下に限った話でも全然ないし。その辺の問題を戦争と完全に混同しているのがかなりチグハグに思えます。やり尽くされて来た語り口ではありますが。
あと「戦争は全部それを煽って食い物にしてる黒幕の仕業で、一企業の勤め人だけど俺そういうの全部見えてるし分かってます!」みたいにもなってる。
それを、何か説得力のある具体的なエピソードで魅せてくれるわけでもなく、ほぼ全部セリフでズラズラ言ってるだけなので余計に寒いし薄っぺらいです。
そして戦争の悲惨さを訴える割に、日本側の醜悪さだけはギャグレベルにまで誇張して執拗に描くくせに、爆薬ぶっ放して人間粉々にしてくる敵の事には一切触れないし見えてこないの何なんですかね…それこそ幽霊や妖怪じみてるんですが
アクションはとにかく素晴らしいですが、それを向ける悪の存在が、ガバガバ設定の旧日本軍や巨大企業に象徴される、単純かつ申し訳ないですが幼稚で古臭い二元論や戦争観を下敷きにしたものなのでシラけました。
戦争云々置いといても、悪役は全部自分の悪事ベラベラ喋って調子乗る系だし、これで人間のエゴや醜さが描かれてますって言うなら、それ水戸黄門見て人間の複雑さが描かれてる!って言うようなもんでは…
小学生くらいまでならエンターテイメントとしてアリでも、PG12…一応大人も見るものでこの悪役、この悪の描かれ方はない…。
最後はお約束の、「豊かになっても相変わらず人の心は貧しい」みたいなお説教で締めくくってますが。そういうお説教を贅を尽くした劇場用アニメーションで流せて、それに対して10億単位の金を現代の観客が落とせるのも、あの戦争を戦い抜き、そして戦後身を粉にして働き復興してきた名も無い人々がいればこそで。そこに何の感謝もなく、ただ上から目線で愚かだった、身勝手だったとしか言えない、感じられないのなら、確かに心は貧しいかもねと思いました。
そういう意味では、メッセージ性が強く心に残る映画ではあります。
人を選ぶ作品。自分は選ばれなかった側らしい。
序盤から中盤にかけては金田一耕助のトリックと謎解きを、妖怪ホラーとアクションに置き換えましたという感じ
それはそれで悪くはないと思うけど、「これこそ水木ワールド」と言われると首をかしげてしまう
全体的に妖怪ではなく生きた人間の愛憎劇が中心に据えられていて、妖怪要素がほとんど舞台装置扱いになっているからだろうか
どっちかというと横溝正史感が強い
物語中盤の対人アクションが秀逸だったために終盤に差し掛かって以降の、妖怪が本格的に動くようになってからのアクション部分が大雑把に見えてしまうのもモヤモヤポイント
一番致命的だったのは主人公の心理を追えなかったこと
世間ズレしている風を醸し出している割に沙代やゲゲ郎に入れ込むようになる過程が曖昧で、ひねくれてるのかチョロいのか分からない
ヒロインの悲劇に慟哭したかと思えば次のシーンでは「それはそれとして」みたいにむくっと起き上がってくるから、それはどういう感情なの……って混乱してしまって感情移入できない
そういった「場面作り」ありきで、場面に合わせてキャラクターが動かされているような不連続性が終始目の端に引っかかってしまって、自分には没入感を得ることができなかった
背景美術の美麗さや中盤での対人アクションは大変秀逸だったように思うのでその分の星はつけておくけれども、たぶん自分にはこの作品を楽しめる素地がなかったのだと思う
昭和の鬼滅の刃
評判で観に行って、満席でした
私には良さがよくわからなかったのですが、(私は貸本版の映画化したのを期待してました)
女性人気というのを聴くと、主役の2人のキャラと
昭和版鬼滅の刃のようなストーリーなのかなと思いました
構図は
新自由主義 対 家族の絆
残虐なスプラッターは過酷な今の心象風景です
女性子供が虐げられます
傷ついた魂は鬼太郎が鎮魂します
犬神家とか水木ワールドになんでいるのかと引っかかってしまいましたけど、
素直に見られてるんだなと思います
おなじみのキャラクターはネコ娘以外登場しません(鬼太郎は出ます)が、登場するキャラクターの正体や関係性を想像しながら楽しむのが良さそうです。
「ゲゲゲの鬼太郎」という作品、漫画でもTVでも親しん
できた作品です。特にTVアニメは何度も制作されてきま
したがが、最初に放送されたのが1968年ということです。
2023年時点で55周年ですか。 長寿です・_・ネ♪
今作はその鬼太郎誕生の話との事。ふむ。
観ようかどうしようか迷ったのですが、好奇心の勝ち。
観てみることにしました。 ・-・
作品の予備知識はあまり無い状態での鑑賞です。
さあ鑑賞開始。
…。
冒頭、ある山奥の村に足を踏み入れる男。と
その目の前に現れる影二つ。
鬼太郎と猫娘。(ビジュアルは猫ねーさんです♡)
” この先に入ってはいけない ” (←こんな台詞だったかなぁ…)
警告する鬼太郎。
それでも前に進む男。
洞窟… 廃村… この先に何が…?
そして描かれるのは、終戦から10年後の日本。
ある地方の有力者が亡くなる。起きる相続問題。
有力な資産相続候補と目されるのは、有力者の娘婿。
製薬会社の社長を任されている。
その社長と取引のある会社の社員が水木。(しげる?)
水木は戦争の生き残り。戦争で全てを失った。
そんな自分が戦後の世界で成功するために、親交のある
社長をなんとしてもその家の後継ぎにしなければ…
そんな会社の使命と、この村の秘密を探ろうとする自分の
野心とを胸中に秘め、水木は村にやってきた。
水木の周囲で、相続に関わる人物が死亡する事件が起きる。
事故? いや 殺人なのか?
そのタイミングで、容疑者と疑われる「怪しいよそ者」が
捕まる。その場で殺そうとする村の男たち。
たじろぐ水木。
”こいつら正気か?”
「 殺してはダメだ 」
思わず制止する水木。重苦しい空気が流れるが
” 冗談だ ” で済まそうとする村の男たち。 どきどき。
行きがかり上「怪しい男」は水木に預けられる。
名を名乗らない男を水木は「ゲゲ郎」と呼び、この村に
来た目的を聞き出そうとする。
水木にもこの村に来た本来の目的があった。
戦時中密かに開発された「M」と呼ばれる薬。
その薬を飲んだ人間は、何倍も強い兵士に変身するのだ。
その薬の原料がこの村で作られているらしい。
水木はその秘密を手に入れようとしているのだが
ゲゲ郎の目的が行方知れずの奥さんを探すことと知り…
…とまあ
外界から閉ざされたかのようなこの村で起きる事件は
思いも寄らぬ方向へと進んでいくのでありました。
本編鬼太郎の出番はありません @_@; ゲ
鬼太郎が生まれる前のお話です @_@; ゲ
最後に分かるゲゲ郎の正体とは… @_@; ゲゲゲのゲ
このお話、鬼太郎誕生の物語というより
目玉オヤジ誕生の物語と言えるのかもしれません。・_・
この続きの話が作られる事は無い とは思うのですが
ゲゲ郎の過去の話など、もう少し逆上った話もあるのなら
観てみたいかも。
そんな事を思いながら映画館を後にしました。
(SWで、ルークからアナキンの話に逆上るイメージ)
悪くはない余韻に浸っている感じがします。
観て良かった。
◇あれこれ
■ゲゲ郎さん
着流しの和装で登場。
一見した時点で何故か「はぐれ雲」が脳裏に。 ででんでん♪
" あちきと遊ばない? ” などとは言いそうに無いですが。
それにしてもゲゲ郎のネーミング
ネズミ男(?)のセリフに由来していたとは…
…あれ?
この時点で鬼太郎のパパとネズミ男、面識あるのかな?
■ネズミ男(?)
人間界は住みにくい…とどこかに消えて行ったが
結局はまた、人間界であの姿・状態になるワケですね。
とかくあの世もすみにくい。…のでしょうか。
■猫娘
今回も「猫ねーさん」です。美形です。
スタイルもすっかりモデル体型です。それは良いとして
鬼太郎と並んだときの等身バランスが… ・_・; うーん
■途中までの誤解(わーい)
・ゲゲ郎=年老いた鬼太郎
・奥さん=ネコ娘
…かと思って観てました。 壮大な勘違い。・_・;;
きっと、目玉オヤジの声が鬼太郎の声のように聞こえた
気がしたからです。・∀・エヘ
◇最後に
お腹の中の赤子(鬼太郎)の願いに応えるかのように
ユウレイ族の先祖や仲間の魂が結集するくだり。
その思いが結集しチャンチャンコとなる一連の流れは
あぁ なるほど と、頷きながら見届けました。
人でもユウレイでも、絆がつむぐ糸は強いのですね。
リモコン下駄にも何か「成り立ちの話」って、あるのかな。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
良かった。
良かった。
大人の為のアニメ作品と言ったところ。
連続殺人に因習にとらわれている旧家、繰り広げられる愛憎劇とそれだけで十分に見応えがあるが、何より素晴らしいのは戦争によって心に深い傷を負い、故に登り詰めたいという野望を抱く水木と生き別れとなった妻を探すゲゲ朗の友情。
親友と生まれてくる我が子の生きる未来を守る為にゲゲ朗が下した決断に、不覚にも泣きそうになった。
日本のアニメ映画史に残すべき名作だと思うのだけど、グロテスクなシーンや過激なシーンもあるので子供には向かないと正直思う。
良作でしたが期待値あげすぎました
評判がすこぶる良いので見てみました。そんなに思い入れはなかったのですが、なんか鬼太郎に愛着を覚えてしまいました。不遇な出生、親父の生き方、ラストも胸熱でした。ちょっと期待値上げすぎて、久々に墓場鬼太郎も見て行きました。少し話が上手く行きすぎで、要素が多すぎなのが個人的に残念でした。絵も6期ではなく墓場鬼太郎風だとよかったなあ。それと、最後の爺さんとの戦い、顔を爺さんにしなくて声だけでもよかったんじゃ。コミカルになって残念。
にしてもよく出来ていて、ちゃんとしたスタッフ、キャストなら実写でもイケるように思いました。三池崇史とかアイドル系とかじゃダメだと思いますが。
期待度○鑑賞後の満足度◎ 一番恐い妖怪(お化け)はやはり人間(の欲望)。水木しげるの戦争体験が鬼太郎の原点にあるのがよくわかる。大変面白かった。ただ話に少し破綻があるので星半分だけ減点してます。
①“ゲゲゲの謎”もそうだけど、チャンチャンコが何故鬼太郎の強い武器なのか謎が解けました。
②まさか鬼太郎の誕生に「犬神家の一族」が噛んでいたとは…(って噛んでませんて)
③鬼太郎のTVアニメ第一期が始まった時はまだ小学校2~3年で怖がりだったので恐る恐る観ていた記憶があります。ただ“お化けにゃ学校も…試験も何にもない…”というフレーズには心を惹かれて妖怪(正確にはお化けですが)になりたいなぁ、と思った懐かしい記憶もあります。
④目玉のオヤジはその甲高い声(キタローッって感じ)と茶碗のお湯に使っている姿が印象的なのでチョッとトッポい(ねずみ男とは違う意味で)イメージがあったので、本作のゲゲ朗のキャラにはやや違和感があったのだが、ラストのラスト、水木しげるのオリジナルの画を出してきて母親の墓から出てきた鬼太郎を“水木”が抱き抱えるところで、やはり「墓場の鬼太郎」だわ、と感慨深いものがあった。
⑤ところで、先に「犬神家の一族」に触れましたが、ミステリー的に誰が犯人かは最初の頃から大体察しがついてたら、やっぱりその通りでした。
子供は観れないね。
横溝正史の世界、犬神家と八つ墓村あたりがかなり強く入ってます。
ただし、殺人トリックは妖怪の仕業なので、犯人が誰なのか、がミステリーとしては肝になります。
そして、ここでのラスボス、トキサダは稀代の悪党です。
人殺しはもちろん、幽霊の搾取、近親相姦、さらに孫の体をのっとったあげく、その孫は幽霊となって帰ってはきません。
最後が救いですが、そんなに長い時間彷徨っていたと思うとあんな幼い子が‥といたたまれなくなります。
これは子供は観れないね。
親は小夜さんのこと説明するの無理でしょ。そう考えると、最初に孫が小夜さんに戯れてくるシーンもゾッとします。
鬼太郎の出番も少なく、鬼太郎ファンの子供をぶった斬り、完全大人向けの世界でした。
最後のタイトルバックで、「墓場の鬼太郎」を見せて、「原作無視ではありません!ちゃんとわかって作ってます!」アピールも楽しかった。母親は最後原作に寄せてきますが、その理由も納得いきました。
アニメ好きじゃないので、鬼太郎のアニメも久しぶりに見ましたが、猫娘も綺麗だし、出っ歯男も男前になってましたね。
それほどでも…
これが大人のアニメだとか言っているのが笑える。PG-12なんですよ…。
大人向けということで多少表現は粗くレビューします。
ヒロイン?は成人していないとのことで16〜18くらいと推定される。それに対して主人公は少なくとも30代と予想され、その年齢差だけでヒロインになりきれない。
悪役のお爺さまは、生前の姿が描かれないせいで70歳から10年、◯出しされ続けていたとして、遺影のヨボヨボさからはそこまで酷いことをされた想像ができないことと、あそこまで異常な村の中で育ったのならソレが普通だと思っていそうな年齢でどうやって俗世間並みの感覚を持つことができたのかが不明である。
自分は子孫を残すためにやっておきながら、幽霊族をお家繁栄の糧にしているくせに鬼太郎父と母の2人になるまで捉えた幽霊族に子づくりさせなかった謎。
もう少しちゃんと不満点上げておくと、Mという薬がありながら普通に80歳で死ぬ当主。
制作者本人が使わないのに、なぜMがあると思うのか。実在しても使えない薬だとなぜ思わないのか。
Мのアンプルも出てくるがあの大きさだと5ml程度。それを一本作るのにどれほどの犠牲が必要なのか。普通に血が原料なら 血の量<М となりそうなきも。だったらわざわざ桜なんて使う必要なく定期的に採血する程度で済みそうな気がする。
そして悪事は全部、台詞のみで説明されその場面は描写されることはない。
つまり何をしたのか、何をされたのか、どうやったのか、などはすべて想像で補完するしかなく、作中で説明されることにプラスして、強力な狂骨ができるほどに莫大な怨念が貯まるほどの行為を繰り返して来た。と言う事以外は、視聴者の妄想次第なのだ。
事実として提示された事だけで判断する人にとっては、あまり面白みを感じない。
事実に自分の妄想を入れ込んで、それを含めて事実だと思う人は、楽しめるのだと思う。
はじめに戻るが、どちらが大人なのかと言う事である…。
水木しげるの独特な世界観が失われて、すっかり別物になっていた
BS12で「ゲゲゲの女房」の再放送が始まった。
今回のこの作品は、ゴジラマイナス1のような、鬼太郎マイナス1に相当する物語らしいが、すっかり水木カラーが失われてしまって、登場人物がどちらかというと、コナン君に出てくる人物のように見えて仕方なかった。ストーリー展開も、血液製剤と売血、因習にとらわれた田舎の跡目争いに伴う殺人、と、どこかで見たことがあるような、むりやりなストーリーに感じられた。60年近く前にピントの甘い白黒テレビで、震えながら鬼太郎を見た世代には、なんだかな~だった。
お伽噺の裏に・・・
本作品は水木と鬼太郎父のダブル主役の話である。そしてよく考えてみると、水木は横溝的因襲村”哭倉村事情”の殺人譚および「M」の謎をめぐる話。鬼太郎父は妻を捜し求める話とおおまかに原作「墓場~」に沿った幽霊族の血と血液銀行(水木はそこの社員だが)の話。それぞれの二つの流れの主人公なのだ。原作にこの作品が敢えて付け加えたのが前者の話である。そこでのヒロインは沙代。そして彼女が殺人の犯人。彼女は水木にこの村から連れ出してくれる様、依頼する。玉砕崩れでヘビースモーカーの水木はとんだ「白馬の王子」役にされそうに。そして村の地下洞に彼女と乗り込んで芝居を打つ。しかし裏鬼道長田を前にして沙代はその正体を明かされ水木の首を絞める。だが彼女の行動に裏には酷い因襲と先代時貞翁の醜い欲が。これが”哭倉村事情”である。私はここに「ディズニー流お伽噺」の裏を見た。制作の東映アニメーションはそもそも”東洋のディズニー”たらんとして発足した。その「ディズニー流お伽噺」のテンプレは、後継者争いに巻き込まれたヒロインが多く幽閉されあるいは呪いをかけられ、ドラゴンのような怪物に見張られる運命に陥る。それを「白馬の王子」が多くドラゴンや魔獣を倒して姫を救うというもの。これに”哭倉村事情”を重ねると、テンプレの類似が浮かんでくる。そもそも水木は沙代に「白馬の王子」に成ってくれる様に懇願されているのだから。地方領主はその支配の根源として多く土地神の祭祀を担う。そして土地神は多くの場合、龍神(ドラゴン)や魔獣である。さらにそれを補強する物として錬金術や魔術を密かに行っている。(魔女が奥方)その上で後継者争いを巡ってヒロインを幽閉あるいは呪いの対象とする。(沙代が婿をとれば、時弥の強力なライバルと成ったであろう。)そして時には土地神ドラゴンへの人身御供に供される場合すらある。しかし、それは実は一族の呪術性・血の純粋性を保つ為に行われる一族の男達による惨たらしき所業の隠喩であったのかもしれない。洋の東西を問わず、権力者は近親交配の果てに、凶状に走り衰退していく例が数多見られる。こうした運命のヒロインを本来、「白馬の王子」がドラゴンを退治して救い出すのである。だが本作ではヒロインは救われない。ヒロイン亡き後に、その元凶であったドラゴンならぬ時貞翁の霊を討ち滅ぼす水木ではあったのだが。この様に考えると”東洋のディズニー”たらんとした東映アニメーションが今何故、このような「ディズニー流お伽噺」のアンチテーゼと思われるようなサイドストーリーを原作の鬼太郎誕生譚に加えたのだろうか?私個人の考えすぎなのかも知れない。本来、メインストーリーである鬼太郎父とその妻、そして、人間の欲と凶骨鎭魂の感想を中心にすべきで、邪道であるかも知れない。それについてはむしろ他の人に任せたいと思う。
思っていたほどの怖さはなく、大人向けのアニメ
鬼太郎誕生とは気になる!と思っていたけど、R12とあったので、実はギリギリまで行くのをためらっていました。
鬼滅以上の怖さを想定してたけど、全然そんなことなかった。どちらかというと鬼滅の方が世界観が全体的に暗く表現はエグい、、。話は良いけれども苦手。
これはそんなこと全くなくて、途中に普通に会社員が出てきたり、明るいシーンもあって和まされた。
ストーリーはどこかで見たような遺産相続にまつわる話だけど、それだけでは終わらない。
さらにMという秘薬の製法にも関わってくる。
鬼太郎のお父さんがとにかくカッコいい!
離れ離れになった妻を探して旅してることとか、何があっても守ろうとするところとか、人間に裏切られたはずなのに、水木を信じるところとか、まっすぐな生き様が素敵すぎた。
関さんの声も久々に聞きましたが、安定していて心地よいです。
さよちゃんがまたかわいかった!
鼻緒が切れて水木になおしてもらうところとか、この村から連れ出して欲しいとお願いするところとか、お父さんとのことを水木に知られて妖怪になってしまうところとか、最後もかわいそすぎました、、。
好きな人に知られたくない過去を知られたり、見られたくない醜い自分を見られるのはツライ。
幸せになって欲しかったなあ。
時貞やばすぎる、、時弥くんも鬼太郎のお母さんもかわいそすぎた、、
なぜそこまでして生に執着するんだろう?
鬼太郎の先祖の幽霊族たちの怨念を、同じ幽霊族のお父さんが一手に引き受けるとか、、悲しすぎました。
鬼太郎のアニメの一話で墓場から生まれるシーンを見た記憶があるので、最後はこれとつながりました。
終わった後はなんとも言えない、不思議な感覚でした。魂ごと別世界に持って行かれていたような、でも嫌な気分はなくて、もの悲しくもあり、鬼太郎のおとうさんのかっこよさもあって、見てよかったなあと思いました。
お父さんとお母さんが幽霊族ってことは、鬼太郎も妖怪ではなくて幽霊族なのか。妖怪だとばかり思ってた。
あと猫娘がめちゃ可愛くてびっくりした!
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