「迫力ある映像の素晴らしさとスパイダーマン集大成の追憶の豪華大作」スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム Gustavさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5迫力ある映像の素晴らしさとスパイダーマン集大成の追憶の豪華大作

2023年2月21日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

サム・ライミ監督、トビー・マグワイヤ主演の初代「スパイダーマン」(2002年)から既に20年の月日が流れて、三代目トム・ホランドの第三作目の今作は、これまでの集大成のような新旧オールキャスト揃い踏みの様相を呈して大変豪華で見応えがありました。思えば「トイ・ストーリー」「ハリー・ポッター」「ロード・オブ・ザ・リング」「マトリックス」、そしてジブリ映画などと同じく、子供と一緒に映画館で映画を楽しんだことが思い起こされる。特にトビー・マグワイヤのシリーズは、スパイダーマンの心の成長を丁寧に描き込んだ脚本の良さが印象に残ります。これに比べると少年のようなあどけなさが魅力のトム・ホランドは、「アベンジャー」シリーズと同じく周りの大人たちからは子供扱いのコンセプトのようで、舞台ミュージカル「ビリー・エリオット」で身体能力の高さを買われた素質を生かした役柄なのであろう。そのため彼の躍動感ある動きは観ていて飽きることはないし、爽快感さえ感じる。

但し今回の一番の見所は、ピーター・パーカーの良い子のお願いに付き合わされたドクター・ストレンジの活躍であり、映像としてはピーターとストレンジが装置を奪い合い闘うミラー・ディメンション(次元)のシーンが大変素晴らしい。グランドキャニオンと大都会が混在した幾何学的なコラージュが、万華鏡のような美しさを帯びていて、その世界観に魅了されてしまった。この特殊撮影を始め、アクションシーンの映像の迫力は絶賛に値すると思う。これは劇場で観るべきと恨めしく思ってしまいました。

役者では、このストレンジを演じたベネディクト・カンバーバッチと初代トビー・マグワイヤがいい。三名のスパイダーマンと多くの悪役登場のストーリーを纏め上げた脚本は、内容量を捌くための駆け足状態で、スピードが命の反面緩急が弱い。台詞はアメリカンジョークを使い過ぎに見えました。ウイレム・デフォーが相変わらず悪役を全うしていて面白かったものの、やはり主人公トム・ホランドの内面描写が弱いのが最後まで気になる。トム・ホランドにもっと喜怒哀楽の感情表現を求める脚本だったら、更に素晴らしい作品になったと思います。

Gustav
マサシさんのコメント
2023年2月21日

共感ありがとうございます。
トム・ホランドってビリー・エリオットに出ていたんですね。知りませんでした。
僕にとっては目からウロコの情報でした。

しかし、映画館で見ますと、目が回りますよ。
僕の家族が見に行って『よってしまった』って言ってました。
また、よろしくお願いします。

マサシ