劇場公開日 2023年2月3日

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「彦次郎が恨みをはらす相手は、案外あっさりと死にましたね。」仕掛人・藤枝梅安 MiMaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5彦次郎が恨みをはらす相手は、案外あっさりと死にましたね。

2023年4月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

最初は、正体を隠して恨みを晴らす話かと思いましたが、自ら裁きを下す力がありながらも、法や倫理の壁に阻まれ、仕掛人という裏稼業に身を投じる彦次郎の姿が印象的でした。

確かに、彦次郎は剣の腕も確かで、一瞬の隙を見逃さずに相手を仕留める冷徹さを持っています。しかし、その冷徹さの裏には、深い絶望と葛藤が渦巻いている様子が伝わってきました。

ターゲットとなる人物たちも、単なる悪人として描かれるのではなく、それぞれの人生や苦悩を抱えた人間として丁寧に描写されています。そのため、彼らの死が単なる勧善懲悪ではなく、人間の業の深さを浮き彫りにする効果を持っています。

ストーリー展開はテンポ良く、読みやすいのですが、もう少し緊迫感や緊張感があっても良かったかもしれません。また、彦次郎の葛藤やターゲットの人物像をさらに掘り下げることで、より深みのある作品になったと感じました。

MiMa