劇場公開日 2021年9月17日

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「壮大な愛の物語」レミニセンス Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5壮大な愛の物語

2022年8月7日
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どこかノスタルジックな風貌を纏った本作は、ヒュー・ジャックマン主演という先入観と、予告で見せられたアクションシーンが混ざり、かなりのアクション路線のSF作だと思っていたが、これは壮大な愛の物語だった。ひょんな事からこの数奇な運命に囚われてしまうのは気の毒なような気もするが、感情移入出来るポイントがいくつもあり、中々楽しめる作品だった。だが、ジョナサン・ノーランの名前を出されたら、やはり想像してしまうのが「インセプション」の様な想像を遥かに超える世界に当たり前のように放り込まれる衝撃と感動だ。ご丁寧にクリストファー・ノーランの名も出していたような気がするが、ズバリ本作の問題点はそれという事だ。日本側の宣伝文句なのかは不明だが、こちらとしてはそれに惑わされてしまったと言う事になる。
水位が上がり、街に水が侵入している中で生活をしているという世界観はディストピア的感覚でも中々センスの良さを感じるが、特にその設定が大きく物語に反映してくる訳ではなく、要所要所の見どころの1つだったのは残念だ。記憶の中身を見る際に水に浸かるのだが、それとリンクさせた意味合いだったのか。ともかく、こちらが期待していた映画とは別の路線の作品だったという事だ。
物語はかなりの純愛ストーリーなのだが、ヒロインの決断と、命をかけて愛するものを救おうとする攻防は胸に刺さる物がある。後半は自身とリンクさせて考えるとうるっと来てしまう位だ。この感動は大画面でこそ体感出来るものであり、予想と違っても劇場に足を運んだこと自体には後悔していない。だが、予告編には惑わされるなという事を再認識させられた。

Mina