劇場公開日 2021年6月18日

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「「門出」の映画」ショコラの魔法 はまかぜさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0「門出」の映画

2021年6月27日
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鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

主演を務める山口真帆さんの、これからに向けた「門出」の映画のように感じました。
山口真帆さんは元はアイドルで、女優に転身してからの活動はまだ2年と日が浅いです。
しかし徐々に演技のお仕事を積み重ね、厳しい目で見られる「映画主演」には強い決意で臨んだと思われます。

内容は、食べれば全ての願いが叶う代わりに1番大切なものを失う怖いチョコと、チョコを売る魔女が登場するダークファンタジーです。
高校を舞台とした学園ホラーでもあり、「リング」の貞子を彷彿とさせるようなシーンもありました。

上映時間90分は良い時間だと思いました。
学園ものらしいテンポの良さで物語が進んで行きました。
その中で前半と後半に山場があり、どちらも人間の心の怖さ、狂気がテーマとなっています。

魔女の哀川ショコラ役の山口真帆さんは役柄上、ずっと登場するわけではないです。
そこを新聞部部長の飯田直役、岡田結実さんが映画全編に渡って登場してしっかりと支え、物語の土台を作っていました。
後半の重要人物でもある、美術部エース仁科愛利役の桜田ひよりさんも好演が光っていました。
劇中きっての演技力と感じたのが桜田ひよりさんで、年齢は今年度19歳と若いですが演技は変幻自在でした。

山口真帆さんは魔女役らしくミステリアスな雰囲気を放っていました。
淡々として穏やかな話し方は丁寧なようで実際には冷たさがあります。
チョコを求めてやって来た相手を自身の実験台、モルモットとして見ているような冷たさを感じました。
相手の心の奥底を見通すような微笑も印象的で、綺麗系のお顔立ちによって怖さとともに美しさも際立ち、まさに魔女だと思いました。

映画の主演は山口真帆さんにとって大きな経験になったのではと思います。
女優として活動する以上作品に出演すれば演技力を見られ、やはり厳しい世界だと思います。
しかし大変聡明な方でもあり、演技も着実に向上が伺え、大成する可能性は大いにあると思います。
この映画を機にこれからドラマ、舞台、映画などでさらにご活躍されることを願います。

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はまかぜ