劇場公開日 2020年11月20日

「パンチあり。」Mank マンク カルヴェロ1952llさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0パンチあり。

2021年3月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

難しい

まず語るべきは古き良き映像美ではないだろうか
銀幕の世界に映える白黒の映像
オーソン・ウェルズの代表作の一つ
『第三の男』は光と影の美しさが評判であった事はご存知のことと思います
それに勝らずとも劣らず素晴らしく光と影の演出がなされ画面の背景はわざとマットペイントと分かるような撮影処理され細かなところではフィルムチェンジの印のパンチまでもがしっかりと映し出されていて映画ファンとしてはこの演出に唸りを上げております
淀川長治さんがご覧になったらどんなに絶賛されたでしょうか
憎たらしいマンクの台詞はホントに面白い、面白いと同時に言われた相手はたまったものではないだろう、私なら最後の言葉までとてもではないが聞いていられないと思う、逃げるか腕尽くで黙らせるかだろうが多分逃げます
腕は折られたくないのでね

それにしてもゲイリー・オールドマンはこのような役をやらせたら天下一品ですね、『トゥルーロマンス』から要素はたっぷりとありますよね
『バットマン』の時の誠実で真面目な役よりこちらの方がハマってる『チャーチル』もなかなかでしたしね
ホントに好きな役者さんです
今度はどんな映画でどんな役を見せてもらえるのか楽しみでなりませんよう
政治や映画会社の話がよく分からなくても楽しめて見れたいい作品でした

あのパンチが出た時は「マジ! パンチじゃんか!」と声が出てしまいましたよ。

カルヴェロ