悪党 加害者追跡調査

劇場公開日:

解説

ベストセラー作家・薬丸岳の原作を「64 ロクヨン」「糸」の瀬々敬久監督のメガホンで映像化し、2019年に放送されたWOWOWの連続ドラマ「悪党 加害者追跡調査」全6話を期間限定劇場上映。姉を殺された過去を持ち、犯人への復讐心を胸に生きてきた元警察官で探偵の佐伯は、探偵事務所所長の木暮の指示で犯罪加害者の社会復帰後の素行調査を担当する。調査によってさまざまな犯罪加害者たちのその後が明らかになっていくが、その過程でかつて姉を死に追いやった3人の悪党の存在にたどり着く。復讐心に駆られた佐伯は、ある行動に出るが……。主人公の佐伯を東出昌大、所長の木暮を松重豊が演じた。劇場上映は全6話をA(1~3話)、B(4~6話)の2つに分けて行う。

2019年製作/日本
配給:WOWOW
劇場公開日:2020年10月9日

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(C)2019 WOWOW INC.

映画レビュー

5.0憎しみだけでは生きていけない

2020年10月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

2020年映画館鑑賞91作品目

原作未読

WOWOWのドラマを映画館で観る企画第三弾
前作前前作は4話だが今回は6話で1番長い
でも長く感じなかった
内容が天下一品のスープより濃厚で重厚

話が重い重すぎる
まるで両肩にマクガイヤー兄弟が乗っているようだ
でも面白い
だけどキャラクターのバックボーンの詳細はネタバレになるしエグすぎて書きたくない

演技が大根とかセリフが棒読みだという評価が一部であるようだが今回の東出昌大は良かった
佐伯修一役にピッタリだ

松重豊が演じた木暮正人も元警察官で佐伯が所属する探偵事務所の所長
ギャンブルが大好きでコメディーリリーフだがじつは昼行灯の切れ者

勝谷夫妻の奥さん役は出てきたとき一瞬YOUだと思い随分仕上げてきたなと感心していたら別人だった

前畑紀子役の山口紗弥加が良かった
弁当屋の出入り口付近で泣き出すシーンが特に良い
もらい泣きしてしまった
『ときめきメモリアル』の頃からずば抜けていたもんなあ

松原弥生役を演じた篠原ゆき子も良かった
特に鼻水流しながら泣くところ
女優では『雷桜』の蒼井優以来じゃないか

寺田正志を演じた山中崇の最低クズ男ぶりが最高
清原果耶の初主演映画では優しい習字の先生役だったが今回は打って変わって反社会的な狂人ときてる
すごいぜ山中崇よく仕上げてきた
3人のうち1番活躍したのは寺田で話を盛り上げてくれた

新川優愛が演じたはるかこと冬美が寺田にボコボコに殴られるわけだがその特殊メイクがリアルでえげつなく凄かった
メイクアーティストに拍手を贈りたい

榎木和也を演じた波岡一喜の演技も凄かった
末期癌で死んでしまうのだが病床で死ぬ直前が壮絶だ
こんな芝居をする人は初めてだ
絶対にここは観てほしい
そしてもし浜岡一喜を見かけたら「悪党観ましたよ!死ぬ芝居感動しました」などと褒めて欲しい

最後はハッピーエンドで救われた

なんの恨みか知らないけどネットで執拗に芸能人を叩いて犯罪スレスレの人たちはしばらくネットを休んでWOWOWと契約してドラマに夢中になった方が心身共に健康になれると思う
知らないけど

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野川新栄

5.0私達があの男を赦すべきなのか、赦さないべきなのか、教えて欲しいんです。

2020年10月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

2時間半、2時間半、の合計5時間ぶっ通し。当初の不安はどこへやら、ぐいぐいと引き込まれた。
タイトル、悪党。ゆえに、ずっと頭の中に”悪党”の単語がこべりつく。こいつか、こいつもか、一番はこいつか、こいつは違っていてくれよ、と悪党探し。見事に迷い込んだ。疑心暗鬼に駆られ、その反動で、悪党と決め込んでいた奴の独白と涙に胸をえぐられる。隙のない映画だった。
ドラマ全6話を3話ずつ、二部構成の映画に分けてある。それぞれのエピソードが深くて、重い。重大事件の加害者を追いかける探偵の話なのだから当然なのだが、東出ふんする探偵こそが負けず劣らずの重い過去を背負っているから余計に話が重くなる。が、その東出がもう抜群にいいもので、まったく辛気臭くなり過ぎない。これほどいい役者だったのか。プライベートから、演技から、声から、なにかとバッシングを受けることが多いようだが、やはりこの役者のポテンシャルはめっぽう高いのだ。やや姿勢を崩してヤツれた人物造形にはしているものの、元がスマートなだけにその佇まいは見映えがいい。なにより、佐伯になり切っている。もっとも、なり切れているのは、散々世間から袋叩きにあったからなのかもしれない。そこを擁護するつもりはないが、少なくとも彼の芸の肥やしにはなったんだろうと推察できるほど、この役が似合っていた。
そして、その東出の押し出しに負けぬ存在の松重豊。何この役者、「しゃべれども~」の頃はどこにでもいそうな長身役者だと侮っていたけど、硬派軟派変幻自在、主役脇役その立ち位置の絶妙さ、そんな近年の凄みたるや、同世代の役者陣の中では随一ではなかろうか。彼の扮する小暮所長が、対極の軟かなキャラとして存在してこそ、佐伯という人物が輝いている。
ほか、キャストの誰一人として欠かせぬ役者なし。とくに篠原ゆき子には、がっつり心を奪われた。一緒に叱って一緒に泣いた気分になれた。あ、山口紗弥加が崩れる場面もつらかったなあ。寛一郎もそれを言うか、って思ったものな。
映画が長いので、語りたいエピソードはごまんとある。その数だけ、この映画の良さもごまんとある。終盤が近づいてくると、これだけ佐伯がもがいてて、どんな結末が待っているんだよ?とだんだん不安が膨らんでいく。結末がハッピーなのか、バッドなのか、ハッピーアーなのかは明記しないけど、少なくとも、犯人に対する佐伯の落とし前の付け方は、過去の事件と決別するにふさわしいものと思えた。そしてこの映画の、ありきたりのような結末も、これでいいと思えた。

ああ、烏丸せつこの子守歌。まだ耳の奥で聞こえているよ。これって、東出に向けて歌っているようにも思えるんだよな。そして益岡徹の声が響く。「これからお前はたくさん幸せになるんだ」と。
レビュー少ないけど、いいの?この映画、観なきゃ損ですよ。「知らないけど」。

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栗太郎
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