「第二作が第一作よりもレベルが落ちるのは通例かも知れませんが、これは、酷い。酷すぎる。浜辺美波の怪演だけでは、どうにもこうにも持ちませんでした。」映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)

1.5第二作が第一作よりもレベルが落ちるのは通例かも知れませんが、これは、酷い。酷すぎる。浜辺美波の怪演だけでは、どうにもこうにも持ちませんでした。

2021年6月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

前作が非常に面白かったのに、その面白さの理由を一から百まですべて削り落としてしまった作品で、あれあれ一体どうしちゃったのとしか評する言葉が見つからない、情けない作品でした。

前作は、賭けのルールそのものがドラマになっており、定石がなく、しかし観客まで心理の達人にでもなったかのように、劇中の登場人物の一員として推理を楽しむことができました。

まるで囲碁や将棋のように偶然に依存せず、人の心の裏と、裏の裏と……を徹底的に読み切るゲームが賭けの対象であり、観客はその心理戦の駆け引きを、まるで名人戦を観戦しているかのように堪能し、自分もいっしょになって次の手を考えながらワクワクできる、そんな濃厚な作品で、浜辺美波の怪演とも相乗効果を発揮して、名作に仕上がっていたのだと思います。

が、今回のは、賭けが完全に偶然とイカサマに依存しており、命を賭けると言ったところでそれはドラマ。しょせんは作り物だと誰もが知っているわけですから、スリルも何もありません。

今回の主人公のジャニタレが、正直、下手くそとしか言えない演技であったことも、大きく興を削いだ要因でした。
「翔んで埼玉」の亜流かよ、と。

エンドロールのあとに、「次回作も楽しみに」みたいなのが出てきますが、この酷い出来ばえを見せられてしまうと、次回作に金を払う価値があるのかどうか、そもそも果たして次回作が作られるのかどうか、その点こそが興味シンシンです。

賭けてみない?

お水汲み当番