DUNE デューン 砂の惑星のレビュー・感想・評価
全462件中、1~20件目を表示
映画館でしか体験できない映像と音響、引き算のルックによる堂々たる風格
ドゥニ・ビルヌーブ監督は、それぞれ目指すところは違うもののクリストファー・ノーラン監督と同じように映画館でしか体験できないゾーンを目ざしつつあるのかなと本作を見て強く感じました。IMAXフルサイズによる圧倒的な絵力、ぐわんぐわん鳴るハンス・ジマーによる音楽は、映画館以外の環境では完全に堪能できないはずです。2作目公開の前には、東京・グランドシネマサンシャイン池袋、109シネマズ大阪エキスポシティではぜひフルサイズでの再上映をお願いしたいです。
「メッセージ」と同様、シンプルなデザインとモノトーンの色合いで統一された引き算のルックは堂々たる風格で、普通だったらありきたりに見えてしまいそうなところを、突きつめたゴージャスな映像でねじ伏せられるような心地よさがありました。
陶酔の渦に呑み込まれる
冒頭に掲げられた夢に関する言葉通り、このSF絵巻には深い夢と現実とが溶け合っていくかのような深淵さが渦巻いている。中には「眠くなった」との感想もあるだろうが、それは実のところ、本作を体感する上で最高に適した精神状態と言えるのかもしれない。人はまどろみの中でこそ潜在意識が覚醒されていくものだから。翻って、80年代のD.リンチ版への偏愛を抱く自分としては、今回のヴィルヌーヴ版が独自の芸術性、創造性、時間配分でF.ハーバートが織り成した原作世界を執念深く追究している点に心打たれた。スパイスをめぐる情勢には植民地政策を、フレメンの描写にはアラビア世界のあれこれを想像させるなど、あらゆる場面に地球上の過去と現在と未来がないまぜになったかのような趣向を感じる。掴んでも指間から砂がこぼれ落ちていくほどの全貌を、製作者らは今後いかに描き続けるのか。憂いある瞳を持つ主演シャラメの運命をしっかりと見届けたい。
映画史的記憶を織り込み壮大な世界を構築したヴィルヌーヴの到達点
フランク・ハーバートの傑作SF小説「デューン」(1965)は、ジョージ・ルーカス監督の「スター・ウォーズ」シリーズにも影響を与えたことでも有名で、たとえば「Ep.6 ジェダイの帰還」に登場した砂漠の大穴から人間を丸呑みする巨大生物サルラックは「デューン」のサンドワームの借用だ。だから2021年の「DUNE デューン 砂の惑星」を観て物語要素などに「スター・ウォーズっぽさ」を感じるのはある意味当然とはいえ、SF文化を一本の大河にたとえるなら「デューン」の方が上流に位置することは知っておいて損はない。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、初期こそ緊張感に満ちたドラマの作り手という印象だったが、ノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの小説「複製された男」の映画化(2002)でSF風味を足したのを皮切りに、「メッセージ」(2016)、「ブレードランナー 2049」(2017)そして本作と、すっかりSF映画の巨匠のような立ち位置になった。自然の景観に宇宙船という異物をナチュラルに存在させた「メッセージ」、砂嵐が吹きすさぶ過酷な世界を舞台にした「ブレードランナー 2049」など、過去作に連なるテイストの映像も嬉しい。
俳優陣では何といっても、ティモシー・シャラメの惚れ惚れするような“王子感”がたまらない。スラリと足が長く10頭身もありそうなスタイルの良さが、縦幅が長いIMAXのスクリーンで憎らしいほど映える。オスカー・アイザック、ジェイソン・モモアにもグッとくる見せ場が用意されている。
多くの観客が感じると思うが、「スター・ウォーズ」だけでなく、「アラビアのロレンス」や「地獄の黙示録」といった記念碑的な傑作を彷彿とさせるショットもちらほら。異世界を舞台にした壮大な冒険物語なのに、日常と地続きのような親近感や懐かしさを覚えるのは、そうした映画史的記憶が織り込まれているからだろう。
余談ではあるが、デヴィッド・リンチ版の「デューン」も嫌いじゃない。特に巨大な脳みその化け物みたいなギルドナビゲーターのグロテスクな造形などは、リンチの趣味が全開で最高だった。見比べると、異形の者への偏愛をさらけ出すリンチに対し、ヴィルヌーヴは上品で優等生的な絵作りかなと。
デビッド・リンチの汚名を、ドゥニ・ヴィルヌーヴが雪いだ
新しい「デユーン」が生み出されたことに、ひたすら感無量です。1984年にデビッド・リンチが監督した「砂の惑星」は、プロデューサー(ディノ・デ・ラウレンティス)によって無残に切り刻まれたバージョンが公開され、酷評を浴びました。リンチ自身も「私のフィルモグラフィーには載せてほしくない」と語っているほど。リンチのファンにとっても、心が痛い案件でした。
それから37年も経って、ドゥニ・ヴィルヌーヴが非の打ちどころのない完璧な「デューン」を創りあげたという事実は、驚きとともに、「信じられない」という感想すら覚えました。つまり「これ、製作費は回収できんのか?」という疑問です。
この映画は、前編・後編の前編に過ぎません。早く後編が見たい。しかし、後編が製作されるのかという不安もあります。世界中で大ヒットして欲しい、そして、後編がフルバジェットで製作されることをひたすら祈っています。
壮大な物語の始まり
本作は《物語の序章》に過ぎません。「本作だけで物語が完結する」と思って観に行くと「なんじゃ この終わり方は…」となってしまいますのでご注意下さい。まさに【プロローグ】的なストーリー内容と映画の構成になっています。
制作陣が「この物語を『何部作』で構成するつもりなのか?」は分かりませんが、私としては「本作は序章としては申し分無い出来だった!」と感じました。 1本の映画としても充分楽しめます♪
映像・音楽・原作となった【古典的なSF小説】を現代的に蘇らせた脚本・衣装・美術・そのどれを取っても高水準の作品だと思います。
願わくば「本作が興行的に成功する」なり「興行的には失敗とは言えない」なりの結果を出して、キチンと続編が作られて日本でも公開されると良いのですが…。
(1作目の公開前から続編の制作が決定していながら、いざ1作目が公開されたら興行成績が大コケで、続編の話が立ち消えになった作品が過去には幾つもありましたしね…)
もっとも、仮に本作がコケて続編が制作されなかったとしても、一応《本作だけでも成立はする》終わり方にはなっているので、それならそれで諦めは尽きますが(笑
例えて言うなら『短期間で連載が終了した少年漫画』の様な終わり方と言えば お分かり頂けるだろうか。「オレ達の戦いは まだまだ終わらない」的な「ここから本当の物語が始まる」的な感じのラストです。
【追記】
あとエンドロールは《洋画の大作》にありがちな『長い』やつです。 …が エンドロール後には何もありませんので、もし「トイレを我慢して鑑賞している」状況ならば、エンドロール突入後 速やかに席を立っても問題はありませんよ。
この作品は砂漠虫と睡眠虫に気を付けろ!!
比べてはいけないがスターウォーズが陽ならこの作品は陰。
眠い時に観てしまうと立ち所に睡眠虫に襲われてしまう。
テンポ遅め、予備知識無く観ると色々解らない所だらけ…
ただ集中して観るとトンボの様な飛行艇を始めそれぞれの機械的な物のディテールが良いし砂漠虫の迫力も凄い!
主役のティモシーシャラメもレベッカも良い!!
この手の壮大な作品は1作目だけでの評価は難しいけど、あえてするなら個人的には星3。
今後の続編に大きく期待!!
劇場で見るべきなのはわかっていたけど
DUNE2を劇場でみよう!と思い立ち、観たいと思いつつ見逃していた前作を慌ててアマプラで。
あまり背景をよく知らずに観たので、映像の美しさと確立された世界観に感激しながらも、なぜ未来の話なのにこんなにも封建的な世界が広がるんだろう…と不思議に思った。観終わってから原作が1950年代の小説と知って納得。
小さなスマホの画面で観ていても感じる没入感すごい。2作目を見てから振り返ると、次作のための丁寧な導入編という感じ。3作目の制作も発表され、壮大な作品を作っていることに改めて敬服。
張震(チャン・チェン)が好きなので出演場面を楽しみに見ていた。想像していたよりも出演場面も多く、キーとなる人物を演じていたので、つい、ここに彼が出演していることを誇りに思ってしまった。
[2023年3月にアマプラで鑑賞時の感想]
難解すぎず、単純すぎず
このような映画はその世界観を楽しむのが一番だが、難解すぎてストーリーをたどるのに必死になったり、逆に先の展開がわかってしまうほど単純すぎたり、あとは思想の押しつけが強すぎてちょっと説教臭くなったり、と「入り込めない」ものも多くある。
その点、この映画は独特のテンポでの進行具合と映像のスケール感がとてもゆったりとしているのが良いのだろうか、観ていて非常に心地が良い。
Part2はしっかり映画館で鑑賞したいと思った。
100年後も観られる傑作?それとも・・・・・・
フランク・ハーバートによる傑作SF小説を、ドゥニ・ビルヌーヴ監督が再映画化した本作は、100年後も名作として語り継がれているに違いありません。
(ある条件付きですが)
IMAX規格での上映形態もあり”映画館で観てこそ”という映画ファンの気風を生んでいますが、実はバチバチにキマった画作りや見事な美術などは家のテレビで観ても遜色無い作品で、新たなクラッシックとして残り続けるだけのポテンシャルを持っています。
元々作家性の強いビルヌーヴ監督のセンスが爆発していて、どこを切っても金太郎飴のように素晴らしいの一言。どこで止めても絵画のようなビジュアルが詰まっている、濃厚な映画作品になりました。
きっとこの先々も繰り返し観られる作品となっていくでしょう。
PART2の公開でそちらも現在話題ですが、そちらは後半の展開が駆け足気味でそこについての手厳しいご意見も見かけます。
しかしながら、原作を知る諸兄なら、このPART1と PART2がまだ原作の1巻の終わりまででしかないことはご存知かと思います。
本シリーズの醍醐味はここからで、ビルヌーヴ監督がこの後の2〜6巻までを映像化してくれれば、初めて映画として完成するのかなと。
原作は、元新聞記者で戦争中は写真家として戦地に赴いた経験を持つ、フランク・ハーバートが、砂丘に関する取材経験などを活かして書いた、長大な本SFシリーズ。
その真骨頂は、現実に存在する人類課題を濃縮還元したような題材と、古来から存在する英雄譚を、見事にハイブリッドさせた点だと思います。
しかしこの巨大な歴史と設定とそして物語は、他では味わえないほど美しく不気味で荘厳ですが、映像として知覚するするにはあまりにボリューミー。
SFやファンタジー作品の栄誉であるヒューゴー賞を獲るも、映画化に関して様々な苦労がありました(ここでは省きますが)。
そもそもこの長大な物語をどう映像にするのか。原作者に短い脚本を書かせるなど、試行錯誤もありました。
そうした先人達のアイデアなどをベースに本映画化が成し得ていることも細部に伺えます。
映画の歴史上、ようやくデューンを作るだけの技術が各プロダクションに充実して来た今だからこそ、このシリーズは作られているのではないでしょうか。
観た方々ならお分かりでしょうけども、スター・ウォーズやその他様々作品群に多大な影響を与えた本家本元デューンが、ついに錦を飾る時が来たのでしょう。
時代が、映画が、デューンに追いついたと言えるでしょう。
ビルヌーヴ監督には続きを、最後まで作ってもらわなければいけません。
それで初めて、サイエンスフィクションと映画の世界に、揺るぎないクラッシックが生まれるのではないでしょうか。
ダイジェストのようだと言われたリンチ版みたいに、“未完の傑作”呼ばわりだけはされたくないものです。
というわけで、まだまだ今後が楽しみという本作。
皆でチケットを買って応援することで、この続きをどうにかして作ってもらい、皆でこの傑作シリーズを完結させましょう。
重厚な造り
いやぁ面白かったですね これは劇場で観るべき映画です
自分はAmazonプライムでiPhoneで見ましたが イヤホンなので音響はたっぷり楽しめました 結局皇帝は出てきませんが2で出てくるでしょう パート2は面白いでしょうね この1作目は序章といってもストーリーは充分展開していますよ ただ3もあるようなそぶりを見せているので そんなに長い話しなのかなと もともとデビッドリンチの作品でかなり有名でしたからね しかしこちらは完成度 映像美 音響がすごい 人を操れるスターウォーズのフォースみたいな力もでてきます パート2は今ロードショー中なので観に行きたいですねえーえー この監督の作品はプリズナーを見ましたが面白かったし腕があるようですね 星は5点満点しか付けようがないできですね良くできています
評判の割には
レビューの点数と評判を見てめっちゃ面白そうだし、Part2も上映されるからとりあえず鑑賞。
普段SF映画を見ない自分にはあんまりハマんなかったな。
サンドワームが印象に残ったくらい。
とりあえず続編も見る。
砂漠版スターウォーズ?
プライムビデオで予習。
全体的に砂漠版スターウォーズのような内容でした。
広大な砂漠で繰り広げられる戦いは迫力満点で、トンボみたいなメカが飛行する場面はSFチックでかっこよかったです。
ストーリーは複雑であまり理解できなかったですが、一人の若者が必死で生きようとする話かなと解釈しました。
とりあえず、最新作を観る前に少しでも知識を身につけることができてよかったです。
面白い
思わせぶりなフラッシュフォワード映像が結構多めで、主人公の超能力設定なのだろうが、ストーリーの面白さを止めてしまっていると感じた。パート2への期待は高まるが、本作単体で見ると物足りなさはある。
宇宙船などマシーン系や、SF的な衣装のビジュアルがとてもカッコよく、それだけでも飽きない。陰謀渦巻く星間戦争のお話なので色々と大げさに動いていく。そのダイナミズムに十分見合う映像のスペクタクルは、見ていて楽しかった。
めちゃくちゃ面白い
今作も星5です。
預言者とか救世主の話ですが、
その伝説を作った宗教自体が、
利権のために作られた組織です。
アメリカ特有のヒーローが勝つ話ではありません。
この原作が50年前なのが驚きです。
序盤は難解かつ意味不明な用語が飛び交うが、 後半はそれが繋がってい...
序盤は難解かつ意味不明な用語が飛び交うが、
後半はそれが繋がっていく気持ち良さがある。
迫力のある王道SFで面白かった。
2が楽しみ。
物凄い重厚感
映画館で観たかった…!
スマホのちっさい画面にイヤホンで鑑賞(泣)そんなレビューに需要はあるのか?ある!多分!スマホのちっさい画面でも楽しめることを伝えたい!
只今絶賛上映中のPART2が観たくて復習がてらPART1をサブスクで観ることに。もう、開始5分で圧倒されました。映像から伝わってくる緊張感、巨大な戦闘機、かっこいい戦士達、世界観に呑み込まれます。
何より音楽が凄い!重低音をこれでもかと轟かせ、この砂の惑星の世界観を見事に表現しています。バグパイプが出てきたのも嬉しかったです。作中、超高度な文明や技術が織りなす中、バ、バグパイプっすか!?なんかチグハグな楽器の登場にテンションが上がります。
そしてサンドワーム。このクソデカサンドワームが凄い。異様な存在感を放っています。砂を巻き上げて物凄い勢いで移動する様は恐怖すら感じます。
ストーリーは少し難しかったです。ストーリーというか、聞き慣れない固有名詞がたくさん出てくるので、セリフを聞くたびに、ん?何だっけそれ?となってストーリーに集中できなかった感じです。とはいえ、物語が進むにつれ慣れてくるので、最初よくわからなくても大丈夫です。それに、大まかにストーリーを掴めていれば十分楽しめると思いますし。
冒頭の「夢は深淵からのメッセージだ」。凄くクールでインパクトがあります。この言葉こそ、この作品の中核を担っているのかな?という印象。
とにかく音楽!サンドワーム!
PART2はこれを絶対に映画館で体験したいと思います。
全462件中、1~20件目を表示