劇場公開日 2020年9月25日

「凪沙の生き苦しさ」ミッドナイトスワン talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0凪沙の生き苦しさ

2023年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

今でこそトランスジェンダーなどということは、言葉としてはポピュラーになったと言えるのかも知れませんけれども。
しかし、社会的な理解ということでは、なかなか言葉として知られ始めたことに追いついていないのかなぁ、と思います。評論子は。本作のような作品を観ると。

画面からは、何とかして自分が認識するとおりに「女」として生きようと、地べたを這い回るかのようにもがき、苦しむ凪沙の生き苦しさが伝わってくるようで、いたたまれない気持ちにもなりました。
自分の気持ちに素直に生きたいと願うことで、どうしてこんなに切ない、苦しい思いをしなければならないのか。
その「苦しさ」、現実の「厳しさ」そして「むごさ」は、筆舌に尽くし難いものがあるのだろうとも思いました。草彅剛の渾身の演技を観て。

本来は優美このうえないはずの鳥(白鳥)なのですけれども。真夜中に、ひっそりと生きづくそれらは、優美さのかけらどころか、いたたまれないような物悲しさを禁じ得ません。

本作で、凪沙が一果を引き取ることにしたのは、彼女についてくる養育費目当てということですけれども。
しかし案外、言葉では「子どもは嫌い」と言いつつも、内心、一果と良好な母娘関係を築くことがもしできれば、それは「女」(母親)としての自分の試金石になると、凪沙は考えたのではないかと思われました。評論子には。(独断の深読みのし過ぎかも知れませんけれども。)

一果を取り戻すべく押しかけた実家で、揉み合った末に、突き飛ばされ、転んでしまった拍子に露わになった凪沙の胸元を見た早織に「そんなこと(乳房の形成)までして、このバケモノが」と罵られたときの凪沙の、いわく言い難いあの表情…。
草彅剛の俳優としての、まさに鬼気迫る迫真の演技といえたと思います。
そのことが、評論子には、いちばん印象に残った作品になりました。

秀作としての評価に値する一本と思います。

talkie
talkieさんのコメント
2024年4月25日

満塁本塁打さん、コメントありがとうございました。
ホントに重たい映画でした。「昭和の昔の濃厚生クリームのケーキみたい」…言い得て妙だと思います。(笑)

talkie
満塁本塁打さんのコメント
2024年4月23日

レビューは当時この掲示板知らなかったので ありません 申し訳ないです❗️🙇

満塁本塁打
満塁本塁打さんのコメント
2024年4月23日

特殊作品でした 当時舞台挨拶 映画館満員でした ただテーマ曲が大きすぎて 痛々しくて 家帰って眠るとうなされました。隣の妙齢の女性に 足が接触したとか わけわからん クレーム 劇場出てからくらいました。
草なぎさん熱演❗️ただ 昔のおせち料理のような濃厚な映画でした。秀作は相違ないですね。
ただ 昭和の昔の濃厚生クリームのケーキみたいでした。他作へのいいねありがとうございました😊

満塁本塁打