劇場公開日 2021年1月22日

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「明るい家族計画。しかし子どもたちは知らない。」羊飼いと風船 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0明るい家族計画。しかし子どもたちは知らない。

2021年3月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 無邪気な兄弟が風船を靡かせて遊んでいるが、その風船の正体はコンドーム。父親は貴重な避妊具を使った兄弟を叱るが、子供たちはなぜ叱られたのかもわからないまま。父親タルギュ「今度町に行ったら赤い風船を買ってきてやるからな」と優しく接するのだった。しかし困ったことに配給の避妊具は少ない・・・どうすればいいんだ。

 羊を飼って生活する一家。種羊を借りてきて繁殖に精を出すのだが、夫のタルギュも精力絶倫なので、妻のドルカルは困り果てる。ついに妊娠した。次に生まれてくれば政府から罰金を命じられるし、生活費も苦しいのだ。と、一人で悩んで人工中絶を決意・・・

 一方、ドルカルの妹はある事件から尼になっていたが、その原因となっていた男から著書をもらってしまう。タイトル「風船」。しかし姉はその本を燃やしてしまおうとするのだった。

 草原や砂漠の中で素朴に生きているチベット族の市井の人たちの生き生きとした描写と、ちょっとしたストーリーを見るとセミドキュメンタリーとでも言うべき“生活”をうかがうことができる。チベット仏教や亡くなった家族の魂が家族の誰かに転生するといったことを信じ、長く生きた祖父がポクリと逝ってしまった。これは中絶すべきではない。と、夫婦間にも亀裂が入る。
影の声「性欲も抑えなきゃいかんかな・・・」

 根底にある中国の家族政策。信仰心の篤い家族。微笑ましい内容でもあったし、自然を大切にする民族の内側から見た平和が暖かく響いてくる。巨大モニュメントも印象に残るし、動物を使ったポスターも興味深い。そして、赤い風船が強烈なインパクトを与えてくれるのだ。もしかして中国共産党をイメージしてるのか??

kossy
きりんさんのコメント
2021年11月25日

〉金沢は観光客でごったがえし

映画観る時間がないほどお仕事が戻ってきたんですね!
良かった。心配してました。
映画代、稼いで貯めて下さいねー‼️

きりん
きりんさんのコメント
2021年11月23日

最後の一文、kossy さん読みが深いわ!
僕は浅田美代子しか考えてなかったので(笑)

赤い風船バイバイ⇒明らかに反体制の匂いのする映画ですから、党の検閲すれすれの、チベット人の矜持かも知れんですね。

映画フリークのkossy さん、6000本のレビューで映画館通いつめで、お仕事はなんとか軌道に乗ってるのだと考えてよろしい?
燃料が高くて心配していますよ💦
きりん

きりん