劇場公開日 2019年12月6日

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「「解凍された鯉」という原題が意味するもの」私のちいさなお葬式 regencyさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0「解凍された鯉」という原題が意味するもの

2020年4月22日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

単純

幸せ

死んでまで迷惑をかけたくないと自ら終活に勤しむ母親と、命あるまで有意義な生活を送ってほしいと願う子。
互いを思いやりすぎてボタンをかけ違えてしまう親子の確執からの調和がテーマだが、高齢化社会や老人介護事情への関心は、日本だけじゃなく海外も同様なのだということを実感。
原題の『Karp otmorozhennyy』とは、「解凍された鯉」の意味だが、この鯉は息子のメタファーでもある。
ロシアでは国民的ソングとして知られているという「恋のバカンス」(本作になぞらえるなら「鯉のバカンス」か)が、軽妙な曲調なのに哀愁を誘う。
ちょっと変わってるが愛すべき隣人たちも、イイ味出してる。

正直、観る前は期待値が低かったが、同年代の母親を持つ身として、観終わってから心にジワジワ来た。
ラストの解釈は観た人に委ねられるが、個人的には建設的に捉えたい。そう思わないと、あまりにも切なすぎる。

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