劇場公開日 2020年9月25日

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「中国映画も捨てておけない」鵞鳥湖の夜 トコマトマトさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0中国映画も捨てておけない

2020年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

中国語を低空飛行で勉強し、中国人女性がいるような店にもたまに足を運ぶ、中国好きである。しかし、本土には10数年前までに3回行っただけ。
この10年ほどにもさらに中国は激変しているんだろうが、その「暗部」をフィクションとはいえ、リアルに描いた作品と思える。
懸賞金のかかったお尋ね者が、その金を妻にやりたいと考え、ある女と接触し…。
というのが、あらすじ。
映画を見る際に、ほとんど事前知識を入れないようにしているので、ギャング団と警察、主人公とそれを手引きする女の人物関係や背景が理解しにくくはあった。
しかし、それを上回る、映像の迫力と、そこはかとないユーモアがあり、粗削りではあるものの、引きつけられた。
本作の監督、1968年生まれというから、決して若くはないのだが、ちょっとタランティーノの「レザボアドッグス」を見たときの印象につながる、作風は今後に期待したい、と思う。
結構、エッチ(おっぱいは見えません)な場面はバイオレンスシーン、かなり中国の汚い(2012年とうじという設定)面を描いていながら、中国でも公開され、ヒットしたのだという。
案外、中国国内の言論は共産党批判さえしなければ、風通しがよいのかな…。

東京・新宿武蔵野館で日曜の昼間に見たけれど、封切りから1カ月というのに、案外と客が入っていたね。

町谷東光