劇場公開日 2020年2月28日

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「心の中の正義と向き合い、社会の価値観を変える」黒い司法 0%からの奇跡 @花/王様のねこさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0心の中の正義と向き合い、社会の価値観を変える

2023年1月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

興奮

知的

2023年最初の映画は黒い司法。
アラバマ州の刑務所に誤認逮捕され、無実訴える死刑囚と黒人差別のある州で弁護士となった黒人男性の話。

事実を基にした話と言うところが1番のホラーだ。
そして、近年ポリコレでさも白人社会は黒人を差別、奴隷化してた歴史なんてありませんよ?とすっとぼけたキャスティングをしているハリウッドに反旗を翻すような映画だった。

私が幼い頃見た映画では「黒人は死ななかった」白人の主人公の補佐的役割で「白人の仲間の絶対死なない脇役」だった。
どうして黒人は良い人に描かれるんだろう?と感じていた。そうして、白人社会が黒人差別をしていた歴史を知ることとなった。

今でこそ、差別主義者の方が世間からの批判を浴びる世論になってきたが、私はポリコレの強引な差別意識撤廃の姿勢が嫌いだ。

差別があった時代に役職の高い地位に黒人がいたり、アジア人がキャスティングされてたりすると違和感を覚える。

歴史的に差別も奴隷化も行われたし、今現在も差別は行われている。
映画とは後世に残る作品だからこそ、時代物の映画であれば当時の価値観でキャストを選ぶ必要があると思う。

自分の中にも差別意識はある。
白人は傲慢で自信家で金持ち。
アジア人は頭は良いけどルックスがイマイチ。
黒人は奴隷や窃盗集団。
パッと考えたマイナスのイメージはどこから生まれた?
これは私が育った時代だ。
ただ、黒人への差別意識を改め、黒人の大統領が生まれた時代でもある。
なぜ、変わったのか。
それは今作の主人公ブライアンのように、暴力ではなく知識と良心で白人社会と闘った人がいたからだ。

社会の価値観を変えるのは当事者でしかない。

作中でも描かれていたように、囚人でもないのに服を脱がされ、鼻で笑われながら中傷されることが常習的に行われていた時代もある。
自分の生きる社会の価値観を変えようとするならば、当事者が声を上げ、どういう価値観を社会理念として根付かせるかを発信し続けなければならない。
それは途方もなく時間のかかることだし、馬鹿馬鹿しいことだ。
差別や偏見とは自分の知らない世界で起こる。
知らないものは恐怖の対象だ。
恐怖する対象には攻撃的になるし、相手を組したくなる。
安心したいからだ。暴力はそれを容易くさせる。
知らない世界を知ろうとする、分かろうとする心が育つことで差別は無くなりはしないけど緩和すると思う。

「我々は試されています」
正しく差別を理解するのか、安易に差別が無くなったと認識していくのか。

相手を知ろうとする心と自分の心の中にある正義を育てていきたいと思った作品でした。

@花/王様のねこ