黒い司法 0%からの奇跡

劇場公開日:

黒い司法 0%からの奇跡

解説

冤罪の死刑囚たちのために奮闘する弁護士ブライアン・スティーブンソンの実話を、「クリード チャンプを継ぐ男」「ブラックパンサー」のマイケル・B・ジョーダン主演で映画化したヒューマンドラマ。黒人への差別が根強い1980年代の米アラバマ州。犯してもいない罪で死刑宣告された黒人の被告人ウォルターを助けるため、新人弁護士のブライアンが立ち上がるが、仕組まれた証言や白人の陪審員たち、証人や弁護士たちへの脅迫など、数々の困難に直面する。監督は「ショート・ターム」「ガラスの城の約束」のデスティン・ダニエル・クレットン。主人公の弁護士ブライアンをジョーダンが演じるほか、ブライアンが救おうとする被告人ウォルター役をオスカー俳優のジェイミー・フォックス、ブライアンとともに法律事務所で働くエバ役を、クレットン監督とは3度目のタッグとなるブリー・ラーソンが担当した。

2020年製作/137分/G/アメリカ
原題:Just Mercy
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2020年2月28日

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映画レビュー

4.0製作も兼ねるマイケル・B・ジョーダンの逞しさ

2020年3月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

1980年代のアメリカ、アラバマ州で、黒人というだけで犯してもない殺人の罪を着せられ、死刑宣告を受けた被告の無実を勝ち取るため、次々と立ちはだかる差別の壁に跳ね返されながらも、正義と平等のために前進して行く黒人弁護士、ブライアン・スティーブンソンの実話である。ある種見えている展開も、ディテールを丁寧に積み重ねることで、スリルと感動を与えてくれる演出にまず感謝したい。しかし、何よりも、スティーブンソンを演じるマイケル・B・ジョーダンの透明感が、すべてを力強く牽引して行く。ジョーダンはプロデューサーも兼任している。ジョーダンと言えば、ロング・シリーズをやはりそのフレッシュな魅力で再生させた「クリード チャンプを男」や、マーベルのスマッシュヒット「ブラックパンサー」の敵役等がまず頭に浮かぶが、「ブラック~」のライアン・クーグラーと組んだ初期の代表作「フルートベール駅で」では、白人警官が誤って発射してしまった銃弾に倒れる黒人青年を演じて脚光を浴びた。今やセックスシンボルとして注目される彼が、だからこそ、今も根強い人種差別をテーマに掲げる姿には、意外性と同時に逞しさを感じないではいられない。

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清藤秀人

4.0理不尽な世界

2024年2月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

元になる実話から映画化されたお話。
これが全て事実だとすると、アメリカでのblack lives matter のあの人々の反応も納得できる。
冤罪で死刑になるなんて恐ろし過ぎる。
最後に勝利するのが分かっていても見ていて辛く感じた。
冤罪で別人が捕まっているという事は、冤罪となった人物や家族の問題だけでなく、真犯人が野放しになっているという事なので、この男が犯人だと信じていた被害者の遺族の心理も知りたかった。
全体的に見て後悔はない映画。

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Raja

4.5アメリカの若きマンデラ

2024年1月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

劇中何度も繰り返し強調される「アラバマ物語」の地、という喧伝が、差別という問題の視点を問うようで興味深く、苦々しい。
「アラバマ物語」の主人公はアメリカ人が考える理想のヒーローであり、そんなヒーローを生んだこの地に地元の人間は誇りを持っているように描かれている。
そんなヒーローの正体とは、黒人青年の無実の罪を孤立無援で弁護する一般人である。クリプトン星人でも、ウェイン産業の会長でもない。偏見に屈せず司法の正義を全うしようとした、弁護士だ。こんな皮肉って、あるだろうか?
今、ここアラバマで、ろくな裁判も受けられず、乏しい証拠で死刑囚監房に入れられた黒人たちがいるのに?
冒頭から繰り出されるメッセージに、どうしても心を掻き乱される。

モンロー郡の白人たちは、「アラバマ物語」を嬉々として語る。虚構の正義に酔いしれ、自分達は正義の人であると信じて疑わない。
今そこに存在している差別は、とうの昔に消滅したかのように。
しかし死刑囚監房のジョニー.Dは静かに呟く。
「これがアラバマだ」
真実以前に、事実すらも形骸化し、噂が世界を形成し、町の平安と引き換えに正義は息を潜め、脅迫が偽りの罪を構築する。
見たいものしか見えない、残酷な世界。
その絶望が苦しい。その怒りが切ない。その達観が哀しくて、胸に迫る。

あって当然の権利すら届かない人のために、主人公・ブライアンは奔走する。自らも屈辱的な仕打ちにあい、それでも明白な事実から目を背けようとする人たちに、自らの良心を問う。
今なお根深い差別の中で、ヒロイズムではなく公正さのために。

「ただ赦しの気持ちを持って、失敗だけでその人を断じないで欲しい。失敗だけがその人の総てではないのだから」
記憶を頼りに書いたけれど、ブライアンはそう言った。失敗は、もっと言えば「罪」は、誰にでも訪れる可能性がある。その「罪」は確かに存在するが、その「罪」はあくまでもその人の一部であり、その人全体に寄与するものではない。

「貰えて当然の人よりも、貰える資格がないような人にこそ与えるべきなのが慈悲であり、慈悲とは公正さである。」という内容の事をブライアン本人は語ったそうだが、これは今なお黒人に向けて容赦のない差別を行っている人に向けられた、二通りのメッセージであるように思う。

一つは額面通り「偏見に惑わされず、目の前の人物の行動を、それを指し示す事柄を、公正さを持って考えて欲しい」という願い。
そしてもう一つは、「偏見に惑わされ、公正さを失った自らの過ちを認めることは、あなたの総てを否定するものではない。だから勇気を持って過去の過ちに向き合って欲しい」という、差別してきた側への願いだ。

原題「Just mercy」の意味するところは「慈悲」であり、その反対は「邪険・冷酷」である。
相手の意思を汲み取ろうとせず、意地悪い扱いをする事だ。
そういう態度を、どうか改めて欲しい。
そんな願いが込められたタイトルだ。

タイトル通り、ジョニー.Dをはじめとする囚人たちやその家族、コミュニティに生きる黒人たちの思いを汲み取り、闘い続けたブライアンこそ、本当のスーパーヒーローだ。
そしてその闘いは、今も続いている。

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つとみ

3.5裁判長すら

2024年1月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

初回の再審請求の棄却は見ている側も驚かされた… 根深さと絶望に同調した

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WALLE

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