劇場公開日 2022年6月17日

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峠 最後のサムライのレビュー・感想・評価

全151件中、41~60件目を表示

2.0役者はいいが、シナリオはプア

2022年7月24日
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原作が素晴らしいので、どのように映像化されるか期待していたが、深みの感じられない内容だった。

役所広司さん、松たか子さん始め、役者さんの演技は素晴らしかったが、それに依存しすぎ。

河井継之助という人物がなぜあのような人間になったのか?
なぜ藩で登用されたのか?
長岡藩の当時の時代背景などが描かれないため、武士の生き様という視点の提供に終始してしまった印象。

ストーリーも非常に単純で、ダイナミズムやワクワク感がなかった。
それでも人が生きるということを考えさせてくれる映画ではあったし、心を揺さぶる役所さんの演技、凛としたたたずまいは素晴らしい。

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天使の夢

4.0時代劇

2022年7月20日
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鑑賞方法:映画館

予告より、夫婦愛の濃い内容を予想していたけれど、松たか子さんが演じる妻はそれ程重要な役ではない感じだった。良い妻っていうだけ。ストーリー的に特別と感じない内容だけれど、俳優さんの演技は流石。

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よっしーな

1.5ロングランだそうで

2022年7月18日
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鑑賞方法:映画館

シン・ウルトラマンより先にみた作品ですが、なんと感想を述べていいのか考えあぐねているうちに1ヶ月ほど経ってしまった。

正直つまらなかった。
なぜかと聞かれるとなかなか返答に困るけど、なんというか60歳以上の男性が理想とする上司の半生を滔々と聞かされている感じ。
しかも聞けば聞くほどイタイところが目に付く。

ターゲットがそこだろうから若輩者がみに行ったのが悪いと言えば悪い。

そういえば自身の父親が長岡出身の半藤一利が『あの戦争と日本人』の冒頭に『長岡は反薩摩だ』と書いていたのを思い出して、こういうことだったのかと合点が言ったのが唯一の収穫。

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jojo助

3.0見せ場や山は無い

2022年7月18日
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2022/07/17@MOVIXさいたま

役所広司かっけ〜〜

ストーリーは落ち着いてて大きな見せ場や山場は無いように感じた

場面が切り替わる時、右から左に画面がスライドして切り替わるのがなんか安っぽくて笑っちゃう
シリアスなムード壊れる

役所広司の前で炎を焚くシーン、
まるで役所広司が燃やされてるようで切なくなった

ヌルッとサラッと終わった

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すずかけ

4.5河井継之助

2022年7月18日
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鑑賞方法:映画館

原作峠を10年以上前に読み、役所さんが演じるとなれば必見と思い、やっと鑑賞できました。
晩年の河井継之助しか描かれてませんでしたが良作でした。
大河ドラマとかで取り上げてくれれば若い時代も描けると思うんですけどね。

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bun

3.0何を観せられたのか…

2022年7月17日
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鑑賞方法:映画館

恥ずかしながら原作未読なので、この作品だけでは何が何だかよくわからない。サムライ魂は結構だが、全く勝ち目のない戦に突入せざるを得なかったのは何故なのか。無謀な戦争に突入して行った日本軍が好んで使っていた大和魂と大差ないようにすら感じてしまう。そんな義に殉じる「滅びの美学」的価値観のサムライの話なら、別に今更観たくもない。「民の安寧」「自由と権利」などという言葉も空疎に響く。
きっと止むに止まれぬ何か、があった筈。明治維新政府が必ずしも正しいわけではなく、徳川200年の平和な時代など近代史は色んな角度で再評価されている。

これは原作を読まなければ。しかし原作の助けがなければ理解できないようでは、映画作品として成立しているのだろうか…。

画的に好きなシーンがいくつかあったことや、作品の「間」が良かったので3点にしましたが、内容的には…。

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哲也

2.5新たな日本を誰より見たかった男の最後の悪あがき!!

2022年7月17日
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鑑賞方法:試写会

侍の世が終わりを告げようとする時代。そんな空気感を誰よりも敏感に感じ、新たな日本の夜明けを見据えていた河井継之助。

そんなの継之助視点から描く、激変の日本。

西洋文化を柔軟に受け入れてきた男が、その想いとは裏腹に、自分の侍としての立場が邪魔をする。誰よりも新たな日本の姿を見たかった男が、それが叶わぬ方向に向かっていってしまうもどかしさと、葛藤をじわじわと描いた人間ドラマ。

そのため、侍のチャンバラ映画だと思って観ると失敗する作品だ。

日本を代表する新旧役者陣の緊迫感のある掛け合いという点においては、十分に見応えはあるのだが、チャンバラがないというのも合わせて、全体的に地味な画が続くため、エンターテイメントとしての見応えは全くない。

若い世代の心を打つような要素は皆無であるし、こういった時代劇でありながらチャンバラの少ないドラマ重視作品を好む層というのがいなくなっているのが現状。

そんな需要の変化が、皮肉なことにタイトル同様、最後に向かっているような気がしてならない……。

映画としての構成は破綻しているため、歴史好きという人が辛うじて楽しめるか……といったところだ。

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バフィー吉川(Buffys Movie)

3.5役所広司は時代劇がよく似合う

2022年7月16日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

知的

2022年映画館鑑賞31作品目
7月15日(金)イオンシネマ石巻
6ミタ0円

原作未読
原作は『梟の城』『御法度』『関ヶ原』『燃えよ剣』の司馬遼太郎
監督は『雨あがる』『博士の愛した数式』『蜩ノ記』の小泉堯史
脚本も『散り椿 』の小泉堯史

幕末
大政奉還
西軍にも東軍にもつかず藩を中立する形で和平の道を目指す夢を見た長岡藩家老河井継之助の物語

出だし序盤まあまあ
中盤まあまあ
戦のシーンも良い
だけど終盤なんだかなあ
雑に感じた
丁寧さに欠ける
モヤモヤした気分
古今和歌集に押し切られた形だ

城を奪い返すくだりはカッコよかった

役所広司の声が大きい
現代劇より時代劇の方が向いている

河井継之助に役所広司
継之助の妻・おすがに松たか子
継之助の母・お貞に香川京子
継之助の父・代右衛門に田中泯
徳川慶喜に東出昌大
長岡藩の旅籠屋の娘・むつに芳根京子
のちに洋画家になる絵描きが上手な長岡藩の若い藩士・小山正太郎に坂東龍汰
河井の幼馴染で長岡藩士の川島億次郎に榎木孝明
長岡藩軍事掛・花輪求馬に渡辺大
長岡藩軍事掛・山本帯刀にAKIRA
継之助に仕える従僕・松蔵に永山絢斗
継之助の友人で小山正太郎の父の長岡藩藩医・小山良雲に佐々木蔵之介
濁沢村の阿弥陀寺に住む月泉和尚に井川比佐志
戦火のなかで孫を抱える老人に山本學
土佐藩軍監・岩村精一郎に吉岡秀隆
前長岡藩藩主・牧野忠恭(雪堂)に仲代達矢

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野川新栄

3.5太陽に向かう烏

2022年7月15日
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太陽に向かう烏が象徴的で、峠の映像も美しい。
河合継之助の仕事ぶりと愛妻家な様子にどんどん惹き込まれて行く。
むしろ長岡藩は日本で、日本が世界と置き換えて見てしまう昨今の世界事情。
本来はどちららとも争わない永世世中立になれればよかったんだが。
河合継之助の志は今の日本の政治家に欲しいなと思いながら鑑賞。
松たか子がほんとに愛らしい可愛い妻でほっこりする。
同じ司馬遼太郎の映画でも、燃えよ剣がダイジェストCMのようで酷かっただけにこちらはきちんと描けていた染み入った。

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momo

1.5豪華出演陣による再現ドラマ

2022年7月12日
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鑑賞方法:映画館

僕の故郷の有名人のお話。見ないわけにはいきません。かといって、本人のことを大して知らない不届き者の私は勉強のつもりで鑑賞です。

結果、がっかりしちゃいました。うーむ、カッコいいセリフと場面を繋げただけな気がするドラマなんですよね。「このエピソードいいよねぇ」をただ羅列したような・・・・・。河井継之助の人となりが全然見えてこないのです。人物像が全く薄味で・・・。なんだかなぁなんですよね。

あぁ、だからこう考えるのかぁ・・・ってのが皆無で「これやりました」「こうなりました」ばかりで、人間ドラマにすらなってないのです。最後のサムライ最後のサムライって・・・「一体どういう意味の最後なの?」って言いたくなります。言葉をフューチャーしすぎて一人歩きしすぎてない?不勉強な僕としては、「なぜ身分がなくなる世を予測していながら、見通し暗い判断をしたのか?」この理由を知りたかったなぁ・・・。

観賞後にネットで河井 継之助情報を見たレベルの僕がいうのもなんですが、民衆から反旗を翻されたこともあるはずですが特に語られずで。なんともやっぱり「美味しいとこだけお届けします」感が否めないんです。

何はともあれ、オラが街の英雄映画にしすぎじゃない?新潟県が最大限支援しているようですが、あまりに「英雄にしてください!」って要望出しすぎたんじゃなぃ?なんだろう・・・もしかして観光戦略映画なのか?・・・だったらそれはそれでアリかもね。

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バリカタ

0.5こんな点数つけたくなかった

2022年7月11日
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鑑賞方法:映画館

原作の大ファンです。
読みすぎて表紙はボロボロです。
なので、映画化が決まった時に本当に嬉しかったし、劇場で見られることを心待ちにしていました。
しかし、この内容は良くない。ガッカリを通り越して、怒りが湧いてくるレベルでした。
申し訳ないが、時代背景や河合継之助、そして原作への理解が全く足りていません。
ものすごく浅いところだけを描いているとしか言いようがなく、原作へのリスペクトが全く感じられなかったです。

自分は今まで見た映画でこんな点数をつけたことはありません。でも、今回は本当に許せないと思いました。

こんな作品にするなら映像化しないで欲しかったです。原作大ファンの自分からしたら、この作品は冒涜しているとしか言いようがない。

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健太郎

3.0良質な映画、だからこそ多少難解か

2022年7月10日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

寝られる

地元長岡の数少ない有名人の映画ということで、数年前から、公開を楽しみにしてました!
コロナ影響の公開延期を経てついに。

役所広司、松たかこ、永山絢人などなど、演技が素晴らしかった!
河井継之助の先進性や公平性、忠義さ、視野の広さ、かなり優れた人物であったことも分かり、とても誇らしい。
まさにラストサムライの名にふさわしい英雄。

しかし、やはりこのご時世でもあり、戦争のシーンは見ていてツラい。しかも敗戦。

冒頭の徳永慶喜の独白シーンの長さに飽きてしまったが、あれはあれで演出上意味があるのでしょう。

ところどころ、何が言いたいシーンなのか考えねばならず、多少難解かもしれない。

それにしても映画館は満席であった。
いわば地味な日本映画にここまで人が集まるのは素晴らしい。
何目当てで観に来られたのか皆さまに聞いてみたい。

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みかん

3.5無知な自分に

2022年7月7日
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↑このような立派な人物を知れて良かった!
制作してくれてありがとうございます‼️

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雨の夜はヤバイゼ

3.5ありの〜ままで〜

2022年7月5日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

難しい

幸せ

数多くの映画が公開延期になった今日。
日本映画の中で最も延期を余儀なくされた作品が本作であろうし、公開延期になった日本映画も本作でラストではなかろうか。
役所広司×司馬遼太郎ということで割と楽しみにしていた作品。ようやく見ることが出来ました。映画館で公開することにこだわり、ここまでたどり着いてくれたことに感謝です。そして、恐れ入りました。この時代にここまでの本格時代劇が見れることに感激です。

あまり歴史に詳しくない私にとっては、少々難しい表現があったり、無名の人物を描くにしては尺が短かったり、色々な懸念点はありましたが、時代劇としての質はかなり高く、見応えもあって、やはり映画館で見れてよかったなと思えた作品でした。歴史は面白い!もっともっと知識を深めたい、そう思わせてくれた作品でもありました。一作一作、すごく長いですが、是非とも司馬遼太郎の原作も読んでみたいものです。

役所広司含め、豪華キャストが光っている。
小さな役でも華やか。同じく司馬遼太郎原作の、昨年公開された「燃えよ剣」では山田裕貴が演じていた徳川慶喜。本作では東出昌大が演じていますが、こちらもとても良かった。私の徳川慶喜イメージはまさにこんな感じ。気弱そうだけど、実は心がしっかりあって気品のある人物。山田裕貴の追い込まれて投げ出すような慶喜もいいけど、東出の自分を押し殺しながら大政奉還について語る慶喜もいい。とまぁ、こんなほんの数分しか登場していない人物にもしっかり焦点が当てられており、非常に上手く描けている。人物描写が長けています。

もちろん、主人公の河井継之助についても中々よく描けています。先程も言ったように、2時間だと少し物足りないなという印象を受けましたが、それでも2時間の中でしっかりと彼の魅力が伝わってきました。カラスのように、昇っていようと暮れていようと太陽に向かって突き進んでいく。その言葉通り、未来の日本を常に妄想しながら生きていた継之助に心打たれました。知られていない人物にもドラマがある。「大河への道」でも語られていたように、やはり表に立っている人だけが全てじゃないんだなと改めて感じさせられました。

ただ、中だるみがちょっとキツかった。動きにキレがなく、少し緩やかに話が進んでいくのには眠気を誘われてしまいました。全体的に静かなんですよね...そこが不満点。しかし、ラスト際にはいいセリフがたくさんあって。中でもお貞が言われた「愛するとは、一緒に同じ方向を見ること」という言葉が、私の胸をグッとしました。

でも、本当にいい時代劇でした。
自分の知識と理解力さえあれば、もっと評価は高くなったかもしれない。歴史好き、役所広司好きには大いにオススメしたい作品です。機会があればぜひ。

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サプライズ

4.0ラストサムライ

2022年7月4日
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大変興味深く良かった。
司馬遼太郎ぽいと言うのか、河井継之助のこと知らなかったけど内容もすんなり入ってくる。
台詞も間も映像もじっくり考えながら見れる感じで心に残る。

改めて150年ぐらいでこうも日本人は変わるものなのかと考えさせられた。
本も読んでみたい。

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kyocool

3.0役所広司の気迫一本槍

2022年7月4日
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原作未読で、主人公である河井継之助のことも全く知らなかったが、コロナによる度々の延期を経て、やっと公開されたこともあり、結構期待感を持って観た。
大政奉還後の混乱の時代に、官軍とも幕府軍とも異なる第三の道を目指す人物がいたことに、まず驚く。海外から最新兵器を輸入し、今で言うとスイスのような「武装中立」を目指したのだろう。しかし、「外交力」は弱かった。官軍への嘆願書の取り次ぎを頼んだが、断られ、結局は全面戦争に突入する。あれだけ、民のために戦を避けると言っておきながら。
一度は奇襲により城の奪還に成功したものの、戦力差には抗えず、敗走し、自身も傷を負う。それでも最期まで、後世の人たちに評価を委ねるとして、自ら信じる義を通す。
とにかく全編、役所広司の気迫がみなぎっている。気迫一本槍といった感じ。その分、人物像の深みや厚みには欠ける。河井の先駆的な発想の源となった洋学の修養や、西洋人との交流といったエピソードにもう少し触れられていれば、理解しやすかっただろう。
松たか子をはじめ、他の出演者は、どれも特別出演といった感じ。松たか子の踊りでの手さばきはきれいだった。
最後の方は駆け足で、ラストもあっけない感じ。もう少し余韻がほしかった。石川さゆりの歌はよかったけど。

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山の手ロック

3.0期待し過ぎた😅

2022年7月3日
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「役所広司の最後の侍」で期待し過ぎてしもた‥

良いも悪いも見た事ある感じで、あくまでも役所広司の侍映画やった。

故に、特に新しく感じることが無かったかな‥

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Daichi Kitakata

3.5越後長岡藩牧野家 河井 継之助の物語

2022年7月3日
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司馬遼太郎さんの小説に、
その他漫画などで知る戊辰戦争。
戊辰戦争の話などを、
出すと、間違いなく長くなる。

本来それが辺り前なのだが・・
そして、
戊辰戦争など大層な話
ではなくとも、
人が喋る話とは
長く、長くなければならないのだが・・

時間の縛りなく
好き勝手に長く長い話を、
喋る人ばかりに
なると、世界はどうなるのだろう。

鏡よ鏡よ鏡さん・・
人は鏡を眺めてしまう。

眺めなくなるよりは
眺め見るほうが・・

良いのでしょうね・・

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G・・HT3 yogi

1.0ご家老。あなたはあなたの信念をこの藩に押し付けられますか?

2022年7月3日
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その言葉を、この映画の製作陣にそのまま返したい。
いいのか、こんな時代劇作って。筋書きどころか、時代考証だって破綻してるでしょ?
この世代の映画人がよくやる、「現代の価値観の押し付け」に辟易している。だいたい、予告で継之助が「武士はもう、俺が死ぬが最後よ」なんて言ってる時点で、何自己陶酔してるのか?と冷めていた。でも、司馬遼太郎の原作をどう仕上げるのか興味はあった。
ようやく重い腰を上げて見に行ってみると、衝撃の駄作。だいたい何、画家になれとか、オルゴールとか、そいうのいらないでしょ。その伏線の回収さえ満足にされていないし。家老だったら月代は剃った方がいいんじゃない?とか、軍監岩村は土佐弁使わないと横柄さが伝わらないでしょ?とか、ガトリング砲の意味を伝えてくれとか、次から次へとイラつかせてくる。
継之助の人物造形にも不満が多い。だいたい、継之助享年42歳に対し、役所広司66歳。当時すでに老練な駆け引きができる年齢であったとしても20歳以上離れた役者をつかうのは、違うのではないか。それは、今の40代の役者には、重みのある役ができる人がいないとでも暗に言っているようなものだ。しかも、分別盛りの穏やかな人物で描いている。違うでしょ。言葉汚く言えば「武士の体面気にして領民を巻き添えにし、ガトリング砲なんて局地戦でしか使えないバカ高いもの勝手に買いこんで、実現性の乏しい武装中立なんて理想論掲げた、我の強い人」でしょ。「侍の道を忘れ、行うべきことをせねば後の世はどうなる」と部下に諭すなら、その言葉をさっさと逃げていった藩主に言ってほしい。玉体でもあるまいし、戦国の世なら戦場にいて鼓舞するのが藩主の役目でしょうが。会津中将を見習ってほしい。だいたいその会津の共闘依頼さえ、なあなあであやふやにし、気を持たせた罪な長岡藩じゃないか。
そして、継之助の青年期の諸国遊学を描かなければ彼の見識の高さも、なぜ慕われたのかも伝わってこない。そりゃあ理解の助けになるのなら、多少の創作性はあったほうがいい。だけど、あれを見た客が、また時代劇を見たいと思えるのか?大事なことがことごとく抜け落ちているこの映画は、時代劇の恥だ。

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栗太郎

2.5かたちこそ・・・・・

2022年7月2日
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鑑賞方法:映画館

既に3年前に完成していた本作がコロナ禍により公開が延期され、漸く日の目を見ました。
良くも悪くも基本に忠実に、外連味なく誠にオーソドックスに作られた作品です。
会話シーンはBGMなく静寂の中に声音を画面中に響かせます。あるワンカットを除いて寄せの顔アップのカットは一切なく、観客の目線の高さからの引いたカットで終始します。奇を衒ったローアングルや俯瞰ショットもなく、最近よく見かける手持ちカメラも一切使われていません。
カットは殆どがフィックスで引いた長回しが多用されていて、BGMのない無伴奏の自然のままの、室内での二人だけの抑揚のない会話シーンが、特に前半は非常に多く使われます。
本作は本来的に対話劇ではないので、残念ながら個々の会話に含蓄や凝った伏線もなく、またサスペンス性もなく、主役の河井継之助が相手を変えながらも淡々とした会話のやり取りが繰り返されます。
官軍が襲来して愈々戦さのシーンが始まり物語に大きな変化が出て来るまでに1時間弱の尺を使っていて、観客には退屈で倦怠感が募ってしまいます。

司馬遼太郎原作小説は、独特の司馬史観に基づき、主人公とその取り巻き連の数名から十数名の人となりや生い立ちや成長話を、長期間に亘って丁寧に緻密に描き込んでいき、時には各々のエピソードの膨らみが独立した物語にもなるような、その時々の歴史を、時空も行き来しつつ様々な視点を駆使して描き出しています。
そのために、2時間程度の映像に仕上げるには、よほど大胆で独断的な切り口で脚本化しないと、結果的にテーマが不明確で中途半端な作品になってしまいます。
本作の主人公、越後の譜代大名:牧野家が統べる小藩・長岡藩家老・河井継之助は、幕末動乱の中、佐幕でも勤皇でもない第三の道を模索し目指そうとしながらも、結局力の差で挫折し、哀れにも歴史から消されていった、ある意味で天才的策略家ともいえる一方、時勢を見極めきれなかった愚か者ともいえます。無名の人だけに描き方しだいで如何ようにも捌ける作り手にとっては垂涎の素材です。

原作のように正気と狂気の狭間で沈思し懊悩し熟慮し苦悩する孤高の人に仕立てても良し、巨大な歴史のうねりに大胆に棹差そうとした無謀なギャンブラーとしても良いでしょう。
前述のように、前半があまりにも悠長なテンポで捉えどころなく進行しただけに、後半一気に戦闘シーンばかりが展開し、そのままエンディングになってしまうと、観客は何だか消化不良の印象だけが残ったように思います。

私は、難解ながらも、継之助と妻のおすがによる、倫理を弁えた男と女の、蒼白くも静かに煌々と燃える夫婦愛の物語であろうと思えます。激動の時代の流れに翻弄されなければ、穏やかに睦まじく全うしたであろう男と女の本質が見えてくるのは、ラストに詠われる和歌でした。

「かたちこそ 深山かくれの 朽木なれ 心は花に なさばなりなむ」
悲哀と悔恨が根底にありつつ、気高い覚悟による悟性に満ち、不思議な幸福感が漂う気がします。

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keithKH