劇場公開日 2018年9月14日

  • 予告編を見る

「不安や心配を投げだしてみる」プーと大人になった僕 やまだ氏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0不安や心配を投げだしてみる

2018年9月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

萌える

妙に感動していまいました。観る前は、ぷーさん小汚ね~かわいくね~とか、リアルなぬいぐるみCGはどうなのw、とか思っていましたが、そんなことはどうでもよくなりました。むしろリアルなぬいぐるみ感がいい、って感じです。
各動物キャラクターの人格が原作ディズニーアニメにとても忠実で、主人公が良い大人wの社会人になったことで、むしろ元アニメの哲学的な部分、良い要素をくっきり際立たせることが出来たように感じました。
プーさん達のセリフの数々は、一瞬「何深い事言おうとして浅くなってんのw」とツッコもうかと思いましたが、そのうち、人間が忘れがちな、とてつもなくシンプルな真理の数々をついているのかなと思えてきました。この映画を老子の「無為自然」に例えているレビューを読み、なるほどそんな感じかも、と思いました。
クリストファーロビンの「違うよ、君は心が広いんだ・・!」というセリフから、主人公はそれに気づいたんだということが分かります。そのあたりから、私も将来のためと思いながら仕事を優先しすぎてきたなあ、と思い返し、色々ササってしまい涙腺がゆるみました(笑)。
人間はみんな、考えるのがそこまで上手くない生き物なのかもしれない。考えることで、どこまで完璧に将来を計算しきれるというんだろう。心配や不安は毒にしかならない時もある。ごちゃごちゃ考えるのを止めて、何も思考せず、ただ物事にあたってみることも大切なのだろう。100エーカーの森のような自然の美しさ・複雑さを想うことがその助けになるんだろうな。
ごちゃごちゃ書きましたが、ストーリー付きで観ればプーさんたちもカワイイし、ユアンマクレガーはハマり役だし(30代に見えるかはちとキツイが)、童心に返るようなシーンの演技も素晴らしく、シンプルに良い映画です。
必死に生活を守るために働いている人に観て貰いたいです。

やまだ氏