謎の天才画家 ヒエロニムス・ボスのレビュー・感想・評価

謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス

劇場公開日 2017年12月16日
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自分は人間なんだと体感する絵

一度観たら忘れられない。
ドラッグでもキメているのかと思わせる、発想のブッ飛び加減たるや!
とくに中央の絵は、鳥や植物の描写が繊細でリアルなだけに、その異様さが際立ちます。
全体的に優しい色合いでまとめられていてパラダイスっぽいのですが、描かれている人々は淡々としていて体温は低め。
ケツの穴に花をブッ刺しているモチーフなんか、見方によっては二丁目的なユーモアを感じるのですが…いかんせん周りのリアクションが薄いので益々混乱してしまいます。(^-^;
そして、向かって右の絵。これはいけません!!
マッドサイエンティストの研究室のような、人と物との結合。
諸星大二郎の『生物都市』がトラウマなので、どうにも心が波立って直視出来ません。
しかも変な奴に人が食べられてるし〜((((;゚Д゚)))))))

こんな訳のわからない絵の謎が解き明かされるドキュメンタリー映画とあっては、見なければなるまい!
かなりテンション高めで鑑賞しましたが、
いろんなアーティストや研究者がそれぞれの立場からボスを考察するのが、非常に面白かったです。

そして驚いたことに、地域で最も古い教団にボスの名前が残っており、描かれた経緯からも宗教画であることは間違いなさそうなのです!
宗教的なモチーフも多く解説され、絵を開く前の表紙(?)にあたる部分に書かれた言葉からも信憑性が増します。

では、それを前提に向かって左の絵がアダムとイブだとすると…
→自然界を冒涜する人々。無自覚なソドムとゴモラ
→裁き。人間が創り出した物による罰。
そんな絵にも見えてきました。

でも、そんな昔の宗教画が現代の私達をこんなにも引きつけるのは何故なのか?
時代を超えたデザイン性の高さに惹かれるのは間違いなさそうですが、無機質なものに囲まれた生活を送っている現代人からすると、ソドムとゴモラだって自然と融合したパラダイスに見えるからかもしれません。
そして、いろんな人種の人々がフラットに描かれているところも。
もしかすると当時は秩序を乱す良くない事として描かれていたのかもしれませんが、今の私からすると、やはり人種の垣根を超えたパラダイスに見えます。

そんなことを、ああだこうだと考えて連ねていると、映画のラストに衝撃の言葉が!!

悲しきかな、真実の実を食べてしまった人間は、謎を解かずにはいられない。
どうにも一貫性や物語性を探さずにはいられない。
でも、神が創りしものの謎が解ける筈もなく、謎は謎のまま受け入れるしかない。
この絵を見ること自体が、大いなる神を感じる行為にもなっていたとは、恐れ入りました。

shiron
shironさん / 2017年12月13日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:試写会
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プラド美術館で本物をみたい

現在、プラド美術館で展示されているヒエロニムス・ボス作「快楽の園」について、歴史家や歌手、アーティストなどが、それぞれの解釈をするドキュメンタリー作品

この映画を見るまで、ヒエロニムス・ボスも「快楽の園」も知らなかった私が、この映画を観て「快楽の園」の実物を見るためにプラド美術館に行きたくなった

映画の楽しみの一つとして「見たことのない世界を知る。これまで知らなかった世界を知る」ということがあるけれど、ここにはまさに「未知の世界を知る」楽しさがあった

それと、いろいろな専門家がこの絵画について語っているけれど、それぞれの解釈が様々で
絵画というのは(映画も一緒だけど)個人の解釈で楽しんで良いものなんだなと改めて思った映画だった

とえ
とえさん / 2017年12月12日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:試写会
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興味深い90分 ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

「ベルギー奇想の系譜」展で事前にボスの作品に触れる機会があったこともあり、非常に興味深く鑑賞しました。個人的に、NHKのドキュメンタリー2時間スペシャルを観たような感覚でした。怒られるかな…(^^;

展覧会では知り得なかった、ボスの置かれていた環境や、当時の楽器やところどころに隠されたシンボルなど、新たな発見があり、より彼の作品を深く鑑賞できるようになりました。

画家としては、けっこう裕福で恵まれた立場だったのではと推察します。遠い国の国王から絵の発注が来るなんて、売れっ子だったんですね!

また、途中でお祭りのようなシーンや、ボスの絵をモチーフにした置物が掲げられるシーンがありましたが、今もネーデルラントやスペインでは、ボスの作品は変わらず愛されているのかなと思いました。彼の作品が多く所蔵されているプラド美術館、いつか行ってみたいです。

そして、こんな奇抜な絵を描きながらも、実は宗教的に保守の立場を取り続けていたところにも驚きでした。卵や魚、うさぎがところどころに描かれていますが、それらも宗教的な意味をもっていたのだと、納得しました。展覧会では気づけませんでした。

彼の作品は過去もこれからも、多くの人を魅了し、また多くの芸術家に影響を与えていきます。その証拠に、映画には様々な業界のクリエイター達が口を揃えて彼の作品を絶賛し、また我々自信も、一度観たら忘れられず、見れば見るほどもっと見たくなる感覚に陥ってしまいます。

FMov
FMovさん / 2017年12月12日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:試写会
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