劇場公開日 2017年9月29日

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「犬が大好きだからこそ、受け入れられない設定」僕のワンダフル・ライフ S Yさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5犬が大好きだからこそ、受け入れられない設定

2020年1月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

犬を飼っている人ならわかるでしょう。

犬が、まるで自分のことを全て理解してくれている気がしたり
ただそばにいるだけで、慰めてくれる気がしたり
まるで、自分のために、自分に会うために
産まれてきてくれたんじゃないか、だとか
すごく思慮深い生き物のように感じる時があります。
実際はそうではないことも知っているのですが
期待してしまう瞬間を感じたことあると思います。

ベイリーが生まれ変わり、イーサンのところへかけていくところで
そういう気持ちが思い起こされるのです。
そして、飼い主の気持ちではなく、犬の必死な気持ちを察して
涙してしまうのです。

ただただ純粋に、"会いたい"という気持ちだけで、とんでもない努力をして
自分のもとに駆け付けてくれるベイリー。
人間同士だとこんなに純粋で大きな愛情をぶつけることは数少ないですが
犬は一瞬一瞬、めいいっぱいの愛情を注いでくれます。

犬のすばらしさをみて、自分のチンケさを感じる映画です。

泣けるし、子どもに見せてもなにか学ぶことがありそうな
そんな映画なんですが、評価をつけたのはたった一つ。

犬は、生まれ変わらないんです。

だから、飼い主は全身全霊で愛さなきゃいけないし
一分一秒たりとも、無駄にしてはいけないんです。

悲しいお別れのあと、二度と会うことができないのが
犬であり、それが生き物の命です。
後悔があったって、それを取り返す術はありません。

この大前提は、絶対に覆してはいけない。

一度きりだから、命は大事にできます。
周りの命も大事にしようと思えます。

この映画は、犬の純真さと必死さを出すために
こういう設定にしたんだと思いますが
小さい子がみてしまえば
命を軽んじてしまいそうだな、と思って評価を下げました。

私は音楽も評価対象にしているんですが
ブームが去ったHome we'll goがスタッフロールで流れて
この曲の雰囲気は農場ぴったりだし
(S.AOKI verではまさしく農場みたいなところで
うたっているPVじゃなかったかな。)
歌詞の内容も映画に本当にあっていて
いまでも鳥肌がたちます。

S Y