劇場公開日 2017年4月8日

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「最高のファンムービー」T2 トレインスポッティング フリントさんの映画レビュー(感想・評価)

最高のファンムービー

2017年4月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

幸せ

どん底から抜け出した男が20年後に故郷に帰って来る話

リアルタイムで前作「トレインスポッティング」から20年が経った後の物語。
まず言いたいのは「ありがとう」の言葉だ。
よくぞ作ってくれました。役者替えたりとかしないでしっかり20年と言う時間をファンとともに過ごしてくれた事へ感謝と感動がこみあげてくる。

まあ、自分は全然リアルタイムで体験してないんだけれども、それでも何とも言えない感動があった。
ファンならば満足の出来なのではないだろうか。

20年の空白はいい意味で観客と映画の距離を縮めたし、タイムカプセルのように当時の記憶を蘇らせてくれた。

俳優陣もいい具合に年を取っていたが、前作から違和感なくキャラクターが生きていたし、それぞれが生き生きと演技していた。そのため一気に時間を超えて映画の世界に行けたような気がする。

物語はレントンが地元に戻って仲間たちと再会するといった単純な話だが、それぞれの20年や裏切りの落とし前や、なにも変わってない現状などが絡み合って面白い。
恨んでいるけど親友だしなんだかんだ言って楽しんじゃう、レントンとシックボーイの仲の良さ(裏切る気満々)な関係は本当に微笑ましいし、自分もいざとなったら友人を裏切ってしまうかもと考えさせられた。

主要4人にそれぞれ見せ場が有って、少しだけ成長した姿が見れるのも考え深い。
決してどん底から脱出できたわけではないし、それぞれの定位置にもどっただけの様にも見えるが、それでも生きていく姿勢に心を強く打たれた。

前作よりカット割りや音楽の使い方、演出が増し増しでだったが決して邪魔していなかったし、映画の雰囲気が損なわれて無かったなで純粋に監督の手腕の驚いたしファンサービスも忘れていなかったのでただただ楽しかった。

ほぼファンのための映画なので、作品に興味のない人はまったく面白くないし、前作からの説明もほぼないので、必ず前作を見てか鑑賞したほうがいい。
この作品は「トレインスポッティング」と共に時間を歩んだ人のための映画。
前作ファンなら最大級のご褒美をもらった気分で鑑賞後を過ごせる事請け合いだ。

劇中セリフより

「まずチャンスが来た、そして裏切りがあった」

チャンスの女神に後ろ髪は無いとはよく言ったもの、友情を捨ててでもしがみ付かねばならない。しかし友との関係とチャンスを天秤にかけた時、どちらが重くなるかは自分次第。

フリント