殺生と宿命の人脈曼荼羅を映像化した力作。清原果耶をもっと見たかったが
原作小説を未読の人なら、運命的な出会いや宿命の再会がたびたび起きるこの筋を、現実味に乏しいご都合主義のように感じるかもしれない。だが沼田まほかるのファンなら、彼女がかつて僧侶だったことを知っている。リアリティーを追求するドラマではなく、人を殺して生きていくしかなかったある女性と彼女とかかわりのある人々の姿を通じて、殺生とは何か、愛とは何かを考えることを促す説話だと考えるといい。
熊澤尚人監督は残酷な描写に果敢に挑みつつ、映像としての美しさも追求して映画の品格を保っている。吉高由里子は、「蛇にピアス」の主人公に匹敵する強烈なキャラクター・美紗子を体現。美紗子の中学生時代を演じた清原果耶は、いつも明るい役の印象があるが、ずっと暗い表情でも魅力を失わない。出番が少ないのが残念だったが、そろそろ彼女が主役の企画が出てきてもいいのではないか。
なんとも
最初は百合モノと思ったが違う。
サイコものと思ったが、また違う。
最後に純愛モノになったようだった。
殺人鬼
殺人鬼の心、姿、背景、育ち、
感服に描写している。
俳優人が素晴らしい。
吉高由里子、松坂桃李、etc
感激というより衝撃を受けた。
心にイチローのレーザービームを投げられたような衝撃だ。
「心がなくなる。」
実にリアル、そして、正確に殺人をおこなっている。
いい内容で、役者もよかった
飲食店を経営している亮介。少し、自分でも乱暴なところがあることを不思議に思っていました。
そんな時、「ユリゴコロ」というノートを見つけました。そのノートには、美紗子の一生が書いてありました。
幼い頃から人の死についてしか興味がなく何人も殺してきたりしたことが書いてあった。
そんな美紗子が洋介という男性に会い、幸せを感じることができた。しかし、洋介が美紗子の過去を知って、2人は別々の道を進んでいくことになった。
しかし、美紗子は愛した男性と子供のために自分を偽り、子供を助けるという内容だった。
幼い時に、「死」に興味があることは、個人的には、特におかしくないと思います。
「死」の反対「愛」についての感情を抱いてしまうとそっちのほうがいいんだなといつもこのテーマを目にするたびに思います。
愛はやっぱりすごいんだなと思います。
話の内容も、どんどん引き込まれてしまって時間がすぐに過ぎてしまった。
吉高由里子さんの演技がすごいと思いました。あんな無感情から明るい所まで演じるのはすごいと思いました。
松坂桃李さんもすごかったです。急に怒りのスイッチが入るところの切り替えがすごいと思いました。
どうやって殺した? 
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役者はうまい。大切な人ができ変わっていく姿も悪くはない。
ただ、木村多江はどうやってあの屈強なヤクザたちを殺せたんだ?さすがに一人では無理だろ…
あとリストカットのシーン多すぎ。
婚約者のちえさんが失踪する背景も今時じゃない(旦那がヤクザで…というイマイチな筋)
気分のいい映画ではない
原作があるらしいですが、
原作未読です。
描写として暴力的というか、
破滅的といったほうがいいのか。
所謂日常的でない描写が多く、
見ていて気持ち悪くなる人もいるかもしれません。
ある意味で成功していると思います。
リアルさよりも、
印象最優先な感じですが、
ほんわかした映画に食傷気味なら、
見てみるのもいいかもしれません。
容赦のない愛の物語 
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とても見応えのある映画だった。
色々と強烈なシーン(濡れ場やリスカなど)もあるので苦手な人は苦手かも(これでも大分ない部類だと思うが)
皆素晴らしい演技だし、登場人物の熱が伝わってくるようでグッと掴まれる
現代パートがスタートし、青年の婚約者が消えるという謎から始まる(真相はなんだか突飛すぎて何か裏があるのか?とか思ったらそんなことはない。でも良いのだ、主軸じゃないし)
そしてノートを見つけて話は過去パートへ
それぞれ各時代の美沙子を演じた3名の演技は凍えるような感じで凄まじい。
前半部ではかなり光のコントラストの明暗が強烈で主人公の闇が深いものであるようなのを表していると思われる(そこまで全部は見られないけど強烈なコントラストだったし)
過去パートの登場人物は皆「死」に捕らわれているようで、共感は出来ないが惹きつけられ彼らの行く末に釘付けとなる。
死を拠り所にする者、死との狭間で生を見いだす者、死に捕らわれて地獄に落ちた者
三者三様の「死」への想いが彼らを結んでいく。
松山登場からは明るいシーンが増えていく。
ここから物語は殺人鬼の話から男女の、親子の愛の物語へとシフトしていく
現代パートでは婚約者の友人からの情報から真相が明かされ、彼もノートの影響から暴走を始め出す(ここは分かっていたのでここからどうなるかが見物だった。松坂桃李はああいう狂気じみた感じも似合うよな)
過去パートではついに現代へと繋がる話が進み、彼女の過去が容赦なく今の幸せを壊しにかかってくる。
さらにそこから事態は想いもよらぬ展開へと動き出す…
とネタバレない風に書いたが、婚約者の友人と名乗る女が実は美沙子(つまりは母親)という展開になる。(これは予想外でビックリ!なんか関係あんのかな?と思ってたけどもまさか!)
この辺はミステリとして驚愕展開で話的にも満足。
とまあダラダラと書いてはみたけど要するに強烈な設定の登場人物たちをしっかり演じきっていたし、ただの殺人鬼の話という訳ではなく、愛の物語であるということと言えるのだろう。
登場人物たちに自分との共通点を素直に見いだすことは難しく、共感出来るところも見いだせない人もいるだろうが(普通に暮らしている人ではなかなか…別のアプローチから共感したり共通点を見いだす人はいるだろうが)間違いなく愛の物語であり、最期の2人で会うシーンが美しく残る映画でした。
TOHOシネマズ府中にて観賞 
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原作からは相当に脚色しているとのことで、登場人物を絞ったところは、主役2人を描写するに効果的だと思う。
吉高由里子と松山ケンイチも寄る辺なき感をヒシと感じさせる好演だ。
反面、母親が息子の婚約者の状況を知る理由などは度を越した偶然へ依存しており、この辺りはまだ原作の方が説得力がある。
母親が殺人に長けた守護天使だったという話は発想が凄いし、カタルシスもあるのだが、整形したって木村多江の瞳には吉高由里子の狂気は無い。ミスキャスト。
あと、松坂桃李、叫ぶから全部台無し。舞台じゃないんだから。
前半の虚仮威しホラー演出、ベッドシーンのCGも不要。
すき
全体に漂う雰囲気が大好き。
役者さんたちのうまみ、原作・脚本のうまみがうまく浸みてると思います。
つじつまや、動機に引っ掛かりがなくはないけどスクリーンにのめりこんでしまう魅力がある映画でした。
R15でもいい
吉高由里子がはまり役。幼少期を演じた清原ちゃんもとてもはまっていた。
目を覆うようなシーンがいっぱいでR指定がないのが不思議なくらいだった。
内容はなかなかよかったが、松坂桃李の壊れていく様が少しオーバーだった。が、かっこいいからよしとする☆
原作と違うようで原作の方が面白そうだ。
とても美しい映画でした
吉高由里子と松山ケンイチっていうキャスティングがものすごくタイプで、タイトルからしても、どういう内容なんだろうと期待していました。
グロ、ホラー、ミステリーなどが好きな人にはたまらない作品だと思います。
沼田まほかるさんの作品は本でも読んでいたので、これまた原作が気になるというくらい満足しました!
沼田まほかるさんの「彼女がその名を知らない鳥たち」も上映が近づいているので楽しみですね!
最適なキャスティング。 吉高由里子は 美紗子そのものだ。 静かに ...
最適なキャスティング。
吉高由里子は
美紗子そのものだ。
静かに
これまでの殺人を淡々と語る
美紗子の声が印象的だった。
いくつかの場面では
生々しい血の感触が
スクリーンから伝わってきて
目を背けることもあった。
よくあんな大変な役を演じたな、
と思った。
見応えがあり
役者も素晴らしい。
私は個人的に
松山ケンイチ演じる洋介に惹かれた。
『容赦ない優しさ』
美紗子を愛した洋介。
洋介を愛した美紗子。
この二人のシーンが個人的には好きだ。
殺人鬼ではない。
ただ、家族を愛する美紗子という女性を見ている時が好きだった。
是非。
冒頭からしばらく純粋に、怖い、の感情に襲われ、私には向いていなかったかもしれない、逃げ出したい、、と思っていましたが終わってみれば2時間とは思えない重量感を感じた、何とも美しすぎる悲劇でした。
ミステリーの謎や話の流れ自体難しいものではないので、かえって意図がわかりやすい中でキャラクターの関係性や感情に集中できたように私は感じます。
とても心を揺さぶられる作品でした。
追伸
私は松坂桃李さんの演技に"日本の一番長い日"でかなり衝撃を受けたのですが、今作でも本当に素晴らしかったです。
素晴らしかった 
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多くの人にとって、映画館の醍醐味は、鑑賞時期、大型スクリーンと良質な音響+αといった所でしょうが、そういうことを抜きにして、映画館に行って良かったと心から思える作品でした。
人間に潜む闇の心理描写が秀逸でした。
元々は善意の行いが、美紗子によって知らぬ間に不幸な事件/事故の主犯となり、ドン底に突き落とされた洋介の人生は、悲惨過ぎて悲劇としか言いようがないのですが、その美紗子によってもたらされたひと時の幸せと、一人息子の亮介が、その不幸を相殺するくらいの人生の宝と思えないと、洋介が気の毒でなりません。洋介が十字架を背負った善きサマリア人なら、美紗子は死神の申し子、もしくは這い上がろうとする堕天使といった組み合わせでしょうか。美紗子の食事姿を自分は食べずに微笑んで見つめる洋介は、そのシーンだけを観ると「幸せなひとりぼっち」のOveを思い出させました。
虫で遊んでいた4歳の時「一寸の虫にも五分の魂」と私は親から教わりました。子供の純粋な無知から生じる残酷さには時々驚きます。多分誰にとっても優越感や支配力は無意識に心地良いのでしょう。自らが痛みを経験して苦しまないと、他者へ与えている痛みを想像出来ません。
人の一般的な成長過程は、本来まず親からの愛情を受け、愉しさや喜びを知って、それから少しずつ社会生活を通して、弱者への慈悲や寛容さを身に付けていくと思うのですが、美紗子の場合、順番が逆になってしまったように見えました。つまり、周囲への恐怖心が強く、弱者や憎悪の対象を操ったり攻撃したりすることによる優越感や快楽に先に目覚めてしまい、真の愛情や喜びや嬉しさを実感するのは、洋介と出会ってから、大人になってからのこと。美紗子の人生を振り返ると、サイコパスの心理が見えるかのようでしたが、なぜか美紗子に少なからず同情のような、決して否定的ではない何とも言えない感情を抱くのは、そういう所から来るのかなと思いました。
単なる快楽から振った生死のサイコロが、思わぬ破壊力を持って、巡り巡って自分の所まで影を落とす。
幸せを知り、それを失う絶望を知る。
愛を知り、それを死守したい衝動を知る。
ユリゴコロ→心の拠り所
家族、友人、恋愛、仕事、趣味。
幸せな思い出、現在進行形の幸せ、未来への希望。
どれか一つでも確固としてあれば(積極的に健全なものを見付ければ)、生きていける気がします。
美紗子の犯した罪は決して赦されるものではありませんが、殺人という手段が、生きていくための術、彼女の生命/精神と生活を守る拠り所となってしまいました。実際に犯罪に巻き込まれた経験のある方は、とてもじゃないですが、観ていられないのではと思いました。
自動車運転は本性が分かると言いますが(^_^;)、亮介も、穏やかで優しい性格に隠れた気性の激しさが垣間見れて、人間の多面性をよく表していました。
調理のシーンが比較的多いです。
料理も、動植物の命を奪って出来上がるもの。死んでいった動植物を悲しむこともなく、美味しい美味しいと言って、毎日食べて生きている私達…。(他の生物もそうですが、多分食べたい分だけ、必要な分だけ、殺しているのかと。)
気持ち悪いムカデだから、嫌な奴だから、ヤクザだからといったことは、一方的な視点であり、殺生を正当化しません…。(カタツムリやミミズやムカデ達は撮影の犠牲になっていないと信じて…(^_^;)。)
書くのも演じるのも撮るのも大変だったのではないかと思う作品でした。ありがとうございます。これだから映画はやめられません。演者も皆さん素晴らしかったですが、吉高さんの眼差しが特別良かったです。
凄すぎ
78本目。
丸の内TOEIに遠征。
昨日ラストレシピで、今年NO.1で、今日ユリゴコロで、人生NO.1に出会えて、ラッキーな2日間だった。
松山ケンイチが、デスノート、聖の青春、と好きで、この作品でも圧倒的に良かった。
吉高由里子も演技の迫力が凄い。
わざわざ遠くまで、見に行った甲斐があった。
怖くて美しくて切ない 
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目を背けたくなる場面が何箇所かありましたが、その描写には必然性がありました。
美紗子は異常者です。しかし、それは外側から見た認識です。美紗子が自分の視点から語るとき、本人にとっては自分の行為は必然です。それが観ていると伝わってくるため、美沙子に不完全ながらも「共感」している自分に気づきました。美沙子にとっての必然を描くためにああいう描写が必要だったのではないでしょうか。その点は、原作小説より鮮明に精密に描かれていると思いました。映画ならではなのかも知れません。映像は恐ろしくも美しい。
自分が人間のクズだと認識しながら半分眠ったように暮らしていく美紗子がとても哀れでした。そして、始めて「嬉しさ」という気持ちを味わうことができ、そしてそれをまた失ってしまう、それが切ない。
多少ご都合主義的なところもあります。でも、そういう細かいことには目をつむる価値は十分あります。
またあの場面をみるのかぁ、と怯む気持ちもありますが、もう一度観たい映画です。(あと、原作小説も素晴らしい。)
守護殺人。 
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これもタイトルで「?」となった作品だったが、すぐに冒頭で
ユリゴコロがよりどころのことだと分かる。吉高由里子の的確
な演技で前半の過去が苦しみと共に描かれるが、同時に愛に満
ちた展開にもなる。松ケンのような男と出逢えば自分の過去を
清算したくなるのは当然。哀しい男女の行く着く果てが現在に
繋がってから、松坂桃李と父親の関係や婚約者の行方が加わり
そこから随分唐突な展開になるのが惜しい。殺人行を厭わない
主人公に肩入れはできないが、その一つ一つの意味、守る対象
の変化を彼女の成長だと受け止めてしまう自分がいた。息子が
そう感じたように、どんなに離れていても血の絆は永遠なのだ。
なかなかの作品
128分・映画.com3.6
中々の作品!
寝不足で焦点が微妙なので寝てしまう覚悟だったが、全く飽きる間も無かった!
何とも言えぬ重たさとグロさ
原作者、沼田まほかる 本屋に行って探してみようと思う
ユリゴコロ
☆主人公が女性ということもあり、元名大生の供述と重ね合わせながら観ました。
☆吉高由里子の演技が素晴らしかったです。