光(河瀬直美監督)のレビュー・感想・評価

光(河瀬直美監督)

劇場公開日 2017年5月27日
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音声ガイドを通じて、誰しもに降り注ぐ光を描き出した秀作

以前、音声ガイド上映会に参加し、その鑑賞の形に固定観念を覆されたことがある。まさに「映像世界の内部へ足を踏み入れる」感覚。河瀬監督も自作の音声ガイド制作に際し同様の驚きを抱き、そこから知られざる舞台裏に光をあてたストーリーが構想されていったのだとか。

音声ガイドの脚本を手がける主人公は、皆の意見を参考にしながら、少しずつ的確な表現力と言葉を獲得していく。それは同時に、彼女の中で「観る」の定義がグッと広がり、作品が描いているものをより精神的なレベルで理解できるようになったことの証左とも言える。

誰もが大切な人のために何かをしたいと願い、あるいは懸命に何かをしているつもりになっている。ヒロインがぶち当たるのもその壁だ。誰もが同じ目線で光を見つけ、その輝きを共有できているだろうか。その次元へ到達するにはどうすればいいのだろう。 河瀬監督の視座は音声ガイド、障害、老いという枠組みを超え、世界全体を貫く普遍的なテーマさえ描いているように感じた。

ぐうたら
ぐうたらさん / 2017年5月31日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
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音声ガイドという仕事の描写が、世界を認識する行為の本質に迫る

テレビには視覚障害者向けの副音声があるが、映画にもそれに近い「音声ガイド」があるのを、この映画で初めて知った。音声ガイドのテキストを作る人は、登場人物の表情や動作、背景となる屋外や室内の様子など、通常の音声だけでは分からない視覚的要素を、自らの言葉で伝えようと試みる。

音声ガイド制作者と、モニターとして協力する視覚障害者たちのやり取りから、視覚を使わずに認識する世界はどのようなものだろうかという想像を促される(先天性の場合と、後天的に視力を失った人とでは当然異なるだろう)。そこからまた、私たちが映画を見て解釈する行為、さらには、人が知覚を使って世界を認識する行為についてさえ、改めて考え直す機会をもたらしてくれる映画だと感じた。

AuVis
AuVisさん / 2017年5月31日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  悲しい 知的
  • 鑑賞方法:試写会
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光と影の哲学

他の評価の方もあるように、ラブストーリーとしてはイマイチ感が否めませんが(むしろラブストーリーが主題ではない気がするのでそれを期待するとつまらないかも)、多くの方にとって普段馴染みの少ない音声ガイドという職業を題材に映画の中で映画を題材としている自己言及性、光と題して、逆説的に影の部分に暗に焦点を当てている点、など河瀬監督の光と影の哲学的なものを感じました。夕日など光の描写にこだわっている部分があったり、音声ガイドという仕事でいかに言葉で情景を伝えるかという部分に深く入ると同時に、逆説的に映像にすることで見えなくなるもの、音にすることで聞こえなくなるもの、言葉にすることで伝わらなくなるもの、は何かということを暗に考えさせてくれる映画だと感じました。映画の中で直接的には表現されていませんが、光を失うことで見えてくる世界、光があることで逆に見えない世界、そういうものを映画を見ながら想像させられます。たぶん推測ですが、そういう直接映画で表現されていない影の部分を河瀬監督は映画で表現したかったのではないか、とそう考えることで普段の生活や恋人や家族とのコミュニケーションやビジネスのヒントが映画の中に見いだせると思います。個人的には、この「光」という映画の描写に関する音声ガイドが実際どうなるのか気になって目をつぶってもう一度聴いて見た場合どう印象が変わるのか感じたいと思ったのと、惜しいと個人的に思うのは視覚障害を乗り越えた中森さんのカメラマンとしての哲学に映画の哲学が自己言及的に投影されていればもう少し知的感動が増えたかも、と思います。誰もが映画のどこかでやると思いますが、映画を見ながら目を閉じると思います。

self-reference engine
self-reference engineさん / 2018年1月30日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  知的
  • 鑑賞方法:-
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声が描くもの ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

以前に見たDVDに予告編が収録されており、音声ガイダンスに関わる映画に少し興味があったので今回レンタルしました。
 視覚しょうがいを持つ方のための映画製作過程と、視覚しょうがいの現実を描くシーンが不可欠であるため、全体のトーンはやや重いものとなっています。また、ヒロイン自身も家庭に重い問題を抱えている設定ですから、「娯楽として楽しむ」という作品ではありません。
 ただ、「であるが故に」深く感じるものもあります。
 失ったもの、失っていくもの、失ったかすら確認できないもの・・・
 最初は嫌悪感を抱いていた人間に、自分でも理由がわからないうちに憐れみを覚え、それがいつしか愛と区別がつかない混沌に発展すること、私はあると思う人なので、ヒロインの行動(夕日のキス)についても違和感はありませんでした。
劇中映画は最後に樹木希林さんのガイドが入った完成版で上映されますが、そのガイド音声が劇中映画のためだけのものではなく、本作自体の完成型に不可欠なものでもある点に感服しました。良作だと思います。蛇足ですが水崎綾女さん、存じ上げなかったのですが、良い女優さんですね。

まんてん
まんてんさん / 2018年1月16日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  知的 難しい
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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音声ガイドという仕事を垣間見ることができたが、娯楽作品として楽しめ...

音声ガイドという仕事を垣間見ることができたが、娯楽作品として楽しめなかった。
夕日を見た後のキスシーンは強引じゃないでしょうか・・・。!?です。
キスして強引に2人のラブストーリーに仕立てあげてるように感じました。

へまち
へまちさん / 2017年12月29日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 2.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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これまでも河瀬作品はわりと観てきたのだが、あん 以降の河瀬作品が好...

これまでも河瀬作品はわりと観てきたのだが、あん 以降の河瀬作品が好みすぎてこれからも楽しみ。

本作もよかった。

世間のどうしようもなさとやるせなさ、人間の暖かさと冷たさ、自然の圧倒的な美しさと優しさ。

ラスト、主人公が映画にあてた言葉がぴったりすぎてじーんときた。

演技とか、展開とか、気になるところもあるんだけど、とにかく映像の美しさがそれを帳消しにするだけの魅力を持ってる。

sannemusa
sannemusaさん / 2017年12月13日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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とても良い映画

自分の命よりも大切なものを放棄した時、新しい光が見えるのだろう…視力を失いつつある永瀬の暗闇は、恐怖よりでかく、そして、悲しい。彼女がその救いとなることを祈りたい。

stoneage
stoneageさん / 2017年12月5日 / スマートフォンから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
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美しさ ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

今年最も美しい映画

cameo
cameoさん / 2017年10月29日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
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「一番大切なものを棄てなきゃならない辛さ」
この台詞に個人的に想うところがあった。

映画マン
映画マンさん / 2017年10月10日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 2.5
  • 印象:  悲しい
  • 鑑賞方法:映画館
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音声ガイド・・

音声ガイドという仕事があることを知る。視覚障害者の恐怖感はよく伝わった。恋愛ストーリーは無理矢理な感があったかな!?最後の樹木希林の音声ガイドに安定感があってホッとした。光を感じた作品・・

亮一君
亮一君さん / 2017年10月1日 / スマートフォンから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  泣ける 悲しい
  • 鑑賞方法:映画館
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美しい作品でした

それは、とてもとても美しい作品でした。
視覚障害者と向き合う重いテーマでしたが、監督らしくというか、とても柔らかく魅せてくれます。
主演の二人がとても際立っていて、芝居の密度や存在感がすごい。
アップが多めのカットも視覚障害を扱う演出として、とても効果的だったと思います。
「近づけないとみえない」や、「見ずらい」といったジレンマが少し感じられました。
今回は都合が付かず見逃してしまっていたのですが、どうしてもスクリーンで観たく、かなりタイトな時間ではありましたが無理やりリバイバルで鑑賞してきました。
ですが、そうして本当に良かった。
きっとスクリーンで無ければ、あの浴びるような、全部を包むような夕日の光は感じれなかったと思います。
カットに役者の演技に物語や音楽に漂う空気や光、その全部が美しい。
起伏に富んだ物語では無いのですが、寄り添うようなこの作品は優しくてとても心地良いんです。
とても、本当にとてもステキな映画でした。

白波
白波さん / 2017年9月11日 / PCから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  泣ける 楽しい 幸せ
  • 鑑賞方法:映画館
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ある光

仮に、目に写る「光」を失ったとしても、心の奥深くに「光」があることに、気がつきました。例え、目には見えなくても。

ミカ
ミカさん / 2017年8月24日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  難しい
  • 鑑賞方法:映画館
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カメラ酔い

恋愛ものはいらないかな

エレジーエレジー
エレジーエレジーさん / 2017年7月29日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 3.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
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普遍的な心の触れ合いが ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

美佐子が中森に対してコミュニケーションしようとするのが、児童書の獣の奏者みたいな、全く違う生き物(目が見える/見えない)の間に横たわる断絶を知ってもなお語り続けるのを止めないような、美しいけれど不毛な、美佐子だけが疲れ続ける関係に目えたんですが、最後に、私は逃げたり消えたりしない、だからそこで待っていてというセリフで、伝わっていたんだ!と感動しました。目が見えるとか見えないとか、映画の音声ガイドという珍しい仕事など関係なく、普遍的な心の触れ合いがこの映画にはありました。最後の樹木希林さんのガイド、目の先には、光、でタイトルが回収されるのも素敵。面白かった。

あんこ
あんこさん / 2017年7月29日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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映画を「見る」ということとは

この映画の主題は「ラブストーリー」ではないのでは? なぜ二人が惹かれあったのかはよくわからない。むしろ、視覚障碍者の方々が「映画を見る」ということがどういうことなのかが語られる部分が、新鮮な驚きだった。視覚で映像が見えている分、映画の世界を客観視できるのに、視覚障害の方はまさに「映画の中にいる」のだ、というのが驚き。また、様々な夕日のシーンが本当に美しい。
ラストシーンは感動した。

ゆうら
ゆうらさん / 2017年7月17日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  泣ける 悲しい 知的
  • 鑑賞方法:映画館
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視覚と聴覚

「見る」という事について考えさせられる。

taku
takuさん / 2017年7月7日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  知的
  • 鑑賞方法:-
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河瀬直美監督が挑む愛

ポスターには、河瀬直美監督が挑む珠玉のラブストーリー。
ラブよりも愛がふさわしい。
自然はロングショット、人はアップ。それが効果的でした。
視覚障害者が音声ガイドにより映画鑑賞することが経糸。
そんなことも知らなかった。
彼らの想像力の奥深さに驚いた。
最後の映画上映シーンのナレーションに樹木希林さん登場。
前作「あん」でも永瀬正敏&樹木希林コンビでした。

浪花のしんちゃん
浪花のしんちゃんさん / 2017年7月7日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  泣ける
  • 鑑賞方法:映画館
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よくわからない

主人公の二人が惹かれ合う理由がわからない…
水崎さんの抱えているものが何なのかもわからない…
写真家の描き方が古い…

永瀬さんはいい感じ老けていた。芝居が下手なことを受け入れた生き方をされている。もちろんいい意味で。

邦画好き
邦画好きさん / 2017年7月2日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 1.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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理解し難い

話題作ということで鑑賞しましたが、残念ながら理解し難い内容でした。ラブストーリーなのに二人が魅かれ合う感情もわからない。全体的に重くて観ているだけでネガティブになり、逆にストレスまで溜まる作品でした。
2017-90

隣組
隣組さん / 2017年7月2日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 1.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
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いいんだけど、主人公がなんだかな。 ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

映画の音声ガイドを作成する仕事をする女性と、視力を失いつつあるカメラマンの交流のお話。
これは、ラブストーリーに分類されるのかもしれませんが、ラブ部分がいっきなりくるので(山でいきなりぶちゅー)、私としては唐突に思いました。

いいところいっぱいありますが、主人公ちゃんがなんかバカで、いらっとしました。
永瀬正敏を怒らせるセリフとか、ちょっとあまりにもデリカシーがなくって。
わざとそのセリフを選んでるんだろうと思うのですが、ぎょっとしました。役者がどうのというより脚本や撮り方の手段が、なんかはまれない感じがしました。
たぶん、主人公ちゃんは「普通の」若い女性として描かれているのだと思うのですが、この映画で意図された「普通」がね、私にはとっても前時代的というか、稚拙に感じられてね、もやっとしました。
もうちょっと知的な「普通」のが、個人的には好ましかったなーなんて。
結婚式の招待状捨ててる理由は、式場のバリアフリーよりも、まずわけありの相手からなんちゃうかなーって想像が、先に来ない人って、鈍感すぎない?あたしぜったい好きにならへんと思うのですがね。

よかったところは、映画の音声ガイド作成という仕事の雰囲気を知れたところです。NHKのサラメシとか大好きなので、知らない仕事を知るのは喜びです。そしてそこで働く人の横顔は、やはり美しいですから。興味深かったです。
見えない人がどう映画をとらえるかということを、外から眺めるという視点は今までになかったので、新しい発見でした。
ある映画が劇中劇として出てきて、その試写会の始まりと終わりが光という映画の始まりと終わりでもあるという、構成も素敵と思いました。
永瀬正敏もとっても良かったですし。
あと、近鉄奈良駅前とかの奈良の町がね、懐かしいなーと思っていました。
神野美鈴は劇中劇に出演する役者であり音声ガイド製作の責任者っぽかったですが、どういう立ち位置なんでしょね。

主人公にまつわることは、結構いちいち気になりました。
お父さんへの執着の意味がよくわからないです。
お母さんへのためらいも匂わさせておきつつ、よくわからなかったです。
ちょっと認知症っぽい感じがあったので、一人娘としては重く感じていたってことなんでしょうか。お父さんのお財布(懐かしいお札!)を大事に眺めてた理由とかが全然わからずでした。
あと、時間の経過が、なんかよくわかんなくて、この映画での省略は、はまらなかったです。

だいず
だいずさん / 2017年6月27日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
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