劇場公開日 2017年10月28日

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「スクリーンの広瀬すずを見てそれでもアイドル女優だと思う人は正直見る...」先生! 、、、好きになってもいいですか? aさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0スクリーンの広瀬すずを見てそれでもアイドル女優だと思う人は正直見る...

2017年11月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

スクリーンの広瀬すずを見てそれでもアイドル女優だと思う人は正直見る目がないと思う。
確かにテレビドラマやCM等では明るいだけの小娘に見えなくもない。ただ、スクリーンの中では同世代の女優達の中でも群を抜いている。是枝裕和監督も言っていたように「カメラに愛されている」という言葉がぴったりとハマる存在。しかしただカメラに愛されているだけの女優ではない。映画『怒り』でレイプされる少女を演じたり10代には重い役柄もしっかりと演じる覚悟とプロ意識を持っている。
この映画『先生』では単に恋に恋する女子高生ではなく、次第に自分の気持ちに気づいていく様子やそれをどう扱っていいのか困惑する様子に、広瀬すずという器を島田響という役で満たしていくような趣があった。

広瀬すずだけでなくアイドル事務所所属の生田斗真が起用されているが、この人もまた容姿だけの役者ではない。ジャニーズのギラギラしたイケメンオーラを抑えに抑えた哀愁漂う不器用な先生がいた。かと思えば時折見せる笑顔の威力の凄まじさ。響が惚れるのも納得のツンとデレ。ある意味少女漫画の王道ツンデレを見事に体現していた。かといって漫画のように甘々になり過ぎない絶妙なバランスに僕も男でありながら引き込まれた。

同級生役の森川葵が中々にちょうどいい女子高生加減だったのも良かった。「好きになっちゃいけない人なんていない」というセリフは真理ではないけれど、高校生という大人と子供の狭間の年代の少女が語ることに意味があると思う。それは夢であり願望であるけど、それを純粋に信じられたあの頃の感じを森川葵が醸し出していた。

実際、先生と恋愛なんてありえないと僕は思うが、それが単なるファンタジーだと思うのはつまらないと思わせてくれた作品だった。

askw