劇場公開日 2017年2月11日

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「古典的作品」海は燃えている イタリア最南端の小さな島 SHさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5古典的作品

2017年2月28日
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鑑賞方法:映画館

難しい

美しい絵が積み重なった記録は、まさに古典的なドキュメンタリー映画といったところ。撮影技術やカメラワーク、あるいは構図といったものが素晴らしすぎて何ら劇映画と変わらない。それが良いか悪いかは意見が分かれるかもしれないが、作品としては間違いなく洗練されたもの。
みる前提として、これはあくまでイタリアのある島を描写した作品であり、難民問題を扱った作品ではないということ。難民問題などという事柄は付随してくるだけで、決してそれがメインではない。
確かに、難民に関する描写は強烈な印象を与える。しかし、それだけを注視しようとすると、その他諸々の描写が無意味になってしまう。そうなると、この作品の価値は全く見いだせないような気がする。
とはいえ、作品自体決して楽しくも面白いものでもないわけで、移民問題など社会的背景と結びつけて見ないことには、なかなかこの映画に対しての意義を見いだせづらいのも事実。作品が評価されているのは間違いなく移民の描写にあるはず。
優れた描写と絵づくりという観点から時代を超えても残っていくだろうとは思うけれど、鑑賞するにはかなりの忍耐を要すること必至。
少年の存在はなかなか面白いものだけれど、素直に笑っていいのかどうか一瞬ためらってしまう。内容に緩急をつけているのかなと思わないでもないけれど、とにかく全てにおいて難しい作品であった。

SH