「ヴェルディ出世作」METライブビューイング2016-17 ヴェルディ《ナブッコ》 あだじぇっとさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ヴェルディ出世作

2017年2月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

レヴァイン&ドミンゴ の二枚看板のせい? 東劇が満席!
ドミンゴがバリトン役を演るようになったのはここ数年、 METのアーカイブでも検索してみたけれど、ナブッコは初役らしい。75歳。
すっかり車椅子のレヴァインも、指揮棒を持つととても元気に見える。
そのせい?序曲が切れたところで大拍手。
嬉しいよね♪
キャストはパワフル系揃い、女声ふたりは勢いと安定感あわせ持つ。
インターバルの特典映像は レヴァイン・ドミンゴ・ゲルプ氏のトーク。
レヴァインが「ミスはあるが問題ではない。オペラを演じきる、最後まで素晴らしい音楽を届け続けるエネルギーと努力に、客席は反応する。」というとドミンゴが「私の中には常に完全なる音楽のイメージがあって、その通りに歌おうと最大の努力をし続けているが、一度も完璧にできたことなどない」と返す。
キラキラキラキラ ....
言うまでもなく、3幕2場の  Va, Pensiero が看板曲。
初演時に熱狂的に支持された、という伝説の曲。
wikipedia によると、最近の研究でその伝説に疑義がとなえられているそうではあるが、イタリア第二の国歌と言われてる曲。
捕囚となった人民が祖国を思う歌は、容易にオーストリア支配下にあったイタリアの人々の胸中を想像させる。
この曲、拍手に応えて2回演奏された。えっ?と思ったが METの慣例らしい。
こんな時代だから?と思ったのは考えすぎでした(笑)

この日のMCは  E・オーウェンというバス歌手。
いくぶん緊張されているようで、初々しく、それもまた楽しい♪

あだじぇっと