劇場公開日 2017年3月3日

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「耽美」お嬢さん songさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0耽美

2017年3月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 韓国映画のヒットメーカー、パクチャヌク監督の新作『お嬢さん』(原題「아가시」)を観てきた。公開前から気になっていた作品なので「やっとか・・・」と言う思いがありいそいそと出かけた。
 R-18と言うことでかなりきわどい映像があると思いきや、映像自体は男女が赤裸々に絡まるシーンはなく、唯一若い女性が全裸でからむシーンが二か所だけ。ポルノというにはふさわしくない官能映画・・・美しい映像美で脚色された本当に耽美的でエロい映画だった。
 舞台は、日本帝国の朝鮮強占期時代、幼いころから膨大な書籍に囲まれた屋敷に閉じ込められた華族令嬢と、その莫大な資産をめぐり物語は展開される。日本の伯爵を名乗る詐欺師とそれに育てられた孤児がそこに乗り込む。三部構成で展開されるストーリーなのだがそのコミカルなほどに騙し合うストーリーに眼が離せなくなる。
 エロとグロと変態的な登場人物にうんざりするが、耽美的でかつ美しすぎる映像と「和」と「洋」と「朝鮮」がいびつに融合した建造物やディティール、本来朝鮮人であった登場人物が日本人として語るいびつな日本語のアクセントに頭が混乱する。特にお嬢様が話す日本語のたどたどしさが(幼い頃に朝鮮に渡ったと言う設定だが)それがかえってすいすい、エロくエロく映画に没入してしまう。
 ネタバレになるので具体的なことは書かないがワンシーンだけ。お嬢さんの入浴を介添えする詐欺師の侍女が、お嬢さんに飴を咥えさせ口中に指を入れ尖った歯を滑らかに削るシーンがある。息使いや肌に光る汗、程よい形の乳房やバスタブに浮かんだバラの花びら、画面の向こうから本当に香ってきそうなアロマオイル・・・すべてエロいのだ。世間を全く知らないお嬢さんにキスを教えるシーンがある。エロいのだ。すごくエロいキスシーンなのだ。
 白状するが、学生時代「あなたはキスが下手」って言われたことがある。(まだ独身の時の話ですよ!)若い頃にこの映画を観てもう少しキスが上手だったら、すこしだけモテた青春を過ごせたのかも(笑)
 まだ、1年の4分の1も過ぎていないが、今年のベスト5に入ること間違いないかも。今年も韓国映画は豊作の予感がする。

song