劇場公開日 2017年3月3日

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「お嬢さんにつま先から脳漿まで支配されました。」お嬢さん 松本さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0お嬢さんにつま先から脳漿まで支配されました。

2017年3月6日
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映画のレビューとか感想とか書くのマジ恥ずかしい。自分より文才ある映画評書く人なんて山ほどいるし、てか見た時期、心境によって感想なんていくらでも変わってくるし、てかキネマ旬報とか秘宝とか読めばいいし町山とか宇多丸の批評の方が的を得てるしとか書かない理由を探しては逃げていたんですが書きたいーーー!!と思いパクチャヌク大先生のお嬢さんの感想書きます。

文句なしの5億点。いやそれ以上。

韓国映画を人一倍見てるというより自信を持って履歴書の趣味の欄に書けるのが韓国映画鑑賞くらいな自分だけど別格に好きです。

まず視覚情報としての映、聴覚情報としての音、これが美しすぎてもう。見ながら自分が唾液が溜まっていく実感でき、山王工業の堂本監督ばりの手汗が出て脊椎から気泡が出ていく感覚が分かり(これは違う病気かも)脳が痺れた。

自分は映画に物語性とかストーリーとか2の次、3の次くらいに思っていて、好きな映画を聞かれたりしてそれどんなストーリーなの?って聞かれても(正直ストーリーなんてそんなもんねえし破綻してるし作者すらも分かってねえだろうし、ヤっちゃったからできちゃったできちゃったから産んじゃったみてえなもんじゃん、お前の出生起源と同じだよそこに意思なんてねえよファックオフ。みたいな感情を押し殺す場面が時々あったりするバッドガイなのですが、) キムギドクの弓とかゆきゆきて神軍とか森達也の映画とかどんなストーリーって聞かれる感じ。
話はそれましたがお嬢さんを見終わった後同じ気持ちを共有したくいろんなレビューを食いあさり読んだけどストーリーが素晴らしいみたいな評ばっかりで、ストーリーももちろん最高5000万点なんだけどそこですか?ストーリーの批評はどっか素晴らしいレビューが落ちてるのでそれ読んでー

ー小道具、大道具、ロケーションの話ー
パクチャヌク大先生はある一部のシーン以外クローズアップを避けて撮ってる(パンフ寄り)ので部屋、とかロケーションとか小道具とか大道具とか馬鹿みたいに映るんだけどなんでそんな美しいのなんでそんな凝ってんのねえなんで?状態。小道具、大道具を見るだけとか家の中をカメラ映すだけでも1800円の価値は余裕であるのでてかうっとりするか脳みそ痺れるかまあクスリみたいなもんです。映画って。
ちなみに1939年の日本統治下にあった朝鮮半島が舞台なのですがこの美しい戦前の日本の建造物たちはどこで撮ったの⁇って気になって調べたら三重県らしい。もうお嬢さんってタイトルじゃなくて三重県ってタイトルでもいいんじゃないかってくらい美しい三重県だった。三重県いつか行ってみたい。いつかいつか。

-キャストについて-
キムミニさん、キムテリさん、素晴らしすぎるのではないですか?キムミニはよく知ってる女優だからまあすごい人なのは知ってるけどキムテリさんまさかの無名新人女優。映画初登場でレズセックスや執拗なまでのレズシックスナインをこなすあなたあ〜何者ですか⁇ 初代タイガーマスクのデビュー戦、並のデビュー戦。
そして表情ひとつ、しぐさひとつ、日本語に関しても本当に素晴らしい美しい。
後日本に配給される韓国映画に結構出てるハジョンウは安定の素晴らしさだったけどSMプレイ時の表情が負け越しの時の阪神の金本監督そっくりだった。
キムミニ、キムテリその他全員素晴らしい(素晴らしいって書くとなんか上から目線ぽくて嫌なので言い換えるとすげえマジよだれ出た!)特に濡れ場の表情が凄いいい顔する。カンパニー松尾どころかタートル今田監督のAVばりに女優がいい顔する。これ演出かけるの無理だろ〜と思ってパクチャヌクのインタビュー馬鹿みたい読んでいったら会話シーンまで細かく書いて渡してますとのこと。それを読んだ上での俺の意見。大嘘つけ! ! 小津気取りか。
小津気取りといえば日本映画のオマージュぽいところ結構あった。名前も秀子だし笑

-パクチャヌクについて-
パクチャヌクの復讐三部作もJSAも本当に凄い監督だと思ったけど今回天才だと思って仕方なかった。キムギドク、ポンジュノ、イチャンドン、全員凄いけど頭ひとつ抜けてんのかも。まあグザヴィエドラちゃんとかでも天才って言われる天才のバーゲンセール状態なので天才って言葉に意味はないんだけどもう。
ストーリーもさることながら演出についてもひとつひとつマイオーディオコメンタリーつけたい位凄い好きだ。まあそんな老害シネフィルみたいなことはしないけど。嫌いなシーンがひとつもないんだけど(強いて言うなら火事のシーンの火が少しチープだったかなとか捻り出してそのくらい)
キネ旬やパンフ読んでパクチャヌクのインタビュー読んでなんか打ちのめされた。正直。
自分は大学で映画を専攻しているけど同じ映像畑に立ってるのが辛くなるくらいの圧倒的実力でなんか喪失感。鎬昂昇は絶対範馬勇次郎に勝てないし、吉岡門下生は宮本武蔵に叩き切られるし、なんかまあ凄すぎたって思った。特に演出。どうやったら思いつくんすか?

エログロナンセンスブラックユーモアの変態映画、登場人物全員変態、団鬼六とか江戸川乱歩シリーズの系譜とか少女に淫語を言わせる変態映画みたいにいわれてるみたい(まあそうゆう見方もあるけどさあ〜)俺は間違いなく21世紀を代表する純愛映画だと思ってる!素敵な2時間47分をありがとうチャヌク。

松本
クリストフさんのコメント
2019年4月19日

負け越しの金本監督、ハゲどうです!

クリストフ