「劇場で観賞するにはそこそこ良い映画です。」SING シング　松本佳宏さんの映画レビュー（感想・評価）

この作品は登場人物に全く感情移入が出来ないところに物語上の問題があると感じます。
劇中においての、音楽ひとつひとつは大変に素晴らしいのですが、それはその曲そのものが素晴らしいだけであって、それ以上でもそれ以下でもありません。音楽の力を信じるとのコピーらしいのですが、個人的には音楽の力に全てを丸投げし、お話を語ることから逃げているようにしか思えないのです。
確かにグッときて泣きそうになる瞬間もあるにはありましたが、それは元々の曲にある否応もない引力であって、その曲そのものにある思い入れに心を動かされる訳で、この作品における劇中曲として素晴らしいのではないのです。