劇場公開日 2016年1月12日

  • 予告編を見る

「頭フル回転の難解作品」パラドクス MASERATIさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5頭フル回転の難解作品

2019年11月23日
Androidアプリから投稿

終盤近くまで観賞し、納得が出来ず途中から始めに巻き戻して見返してしまった。
タイム・ループものは見応えがあるため好んで観ているのだが、本作は初心者には完全にオススメ出来ない難解作品だった。

冒頭は、結婚式後に幸せの絶頂になり、イチャこらしながらホテルへ戻る新郎新婦が登場する。
舞台は変わり、刑事が一人、犯人を追っている場面に変わる。犯人は兄弟で、二人で逃げるのだが、兄が刑事に足を撃たれる。撃った刑事本人が一番驚いている様子。一階から九階までの階段が、登っても下っても元に戻ってしまうことに気がつく。
舞台は変わり、養父を交えた家族4人が、元父親の経営するホテルに行く準備をしている。妹が喘息&アレルギー持ちだが、薬を忘れるお兄ちゃん。途中、ジュースを飲んだ影響で発作が起き、家へと引き返すが、白昼の道が永久に続くのだった。

それから35年…
そこで巻き戻しそうになったが、冷静さを取り戻し、観賞続行。

もちろん35年経てば高齢者になっている者もいる。なぜ35年も生きれたのかについてだが、必ず生き残れるツールが登場するからだ。階段チームは自販機、道路チームはガソリンスタンド。これも後半で明らかになるところなのだが、全ての事象が繋がり、全部が絡んでくるのである。もちろん、冒頭の新婦もだ。見事な脚本、見事な回収力、見事な伏線。映像は地味だが、開いた口が塞がらない。

「オール・ユー・ニード・イズ・キル」がお子様ランチに思えてしまう。決してメジャーではないが、複数の謎や不思議さ、不条理さをばらまき、最後に広い集めていく様は感無量だ。やや間延びしている印象だが、バランスを考えれば妥当かもしれない。好き嫌いがはっきりするため、まずは観賞してみるのが良いだろう。

SFが苦手な人、初めての人、友達とワイワイ楽しく観賞したい人、本作は正直オススメ出来ない。集中して観て始めて理解できる部分と、複数の考察が生まれる作品だからだ。大作に飽きたマニアの方にぜひ。

Mina