ダーク・プレイスのレビュー・感想・評価
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女性陣のやさぐれ感は最高だが、映画の出来はやさぐれすぎ
「ゴーン・ガール」原作者。シャーリーズ・セロン。ニコラス・ホルト。
の割には、地味な公開だが、セロンの「男前」な姿を見てしまっては観ないわけにはいかない。製作陣にはセロン自身の名前もある。「モンスター」「あの日、欲望の大地で」並みに「気合」だけは間違いなく入っているだろう。
「ダーク・プレイス」
カンザスで一家惨殺の生き残りの少女、犯人はその子の証言で長男ベンが逮捕され終身刑。その少女リビーは大人になり、世間からの同情のボランティア基金で生活してきたが、事件も風化し、フラフラと働かずに生きていたリビーは金に困っていたそんなとき、事件の真相を暴くことに関心を寄せる集団の一人に声をかけられ、忌まわしい過去を振り返り、真相を探る。
はい、探偵「シャーリーズ・セロン」のハードボイルドもの、ノワールものです。目深にかぶった帽子、ヨレヨレのシャツ、そしてオットコ前の顔、肩幅、高身長。
最高にカッコイイ。
この映画に登場する女性陣、みんな、激しくやさぐれている。リビーの母パティは農場経営のひっ迫と別れた夫の脅迫、ベンの彼女で、悪魔崇拝で17歳で妊娠したディオンドラなど。リビーの姉、年下の女の子クリシーもそうだ。
いずれも当時の不況と世情、そしてまた揃いも揃ってやさぐれた男どもに苦しめられる。
妊娠した悪魔崇拝者、という狂った役がよく似合ってたクロエだが、パティを演じたクリスティーナ・ヘンドリックスの童顔小顔巨乳の中年体型が特に健気さ溢れ、素晴らしい。
だが、映画の出来ははっきり言ってひどい。
忌まわしい過去を振り返りつつ、リビーが真相にたどっていく、ということになるのだが、どうにも見せ方がよろしくない。途中、過去のシーンがちょいちょい入るのだが、一体誰の視点で、誰の証言で断片的に回想を見せられているのか、分からない。
これまでリビーが全く過去に触れなかった、という点はまあ、置いておこう。金に困ってこれまで会わなかった終身刑の兄に会いに行くのもいい。探偵ものだから、これでいい。
だが、最終的な一番「悲しい事件」にたどり着くのに余計なエピソードやアクション、登場人物が邪魔をしていて、それがミスリードにもなっていない。
ただ単に結果「苦しめられ、やさぐれた」女だけに焦点を置いた作品にとどまってしまっている。
それは、これまでセロンが製作してきた上記2作品と共通しているのかもしれない。セロン自身も幼少時代、凄惨な事件を経験しているがため、その思いが強すぎてしまって、バランスを欠いてしまったように思える。
またその「事件」に加担している人物の「あり得なさ」感がはなはだしく、ラストのニュースもはっきり言って手抜きすぎる。
「殺人クラブ」の存在や、ホルトの役なんて顔がヤバイ(でも美形)だけにまったく無駄だ。
やさぐれた女たちは確かにきっちり描かれている。だが、ハードボイルドもの、探偵ものとしては、全く面白くない、というのが結論。
追記
でも、セロンはひたすらカッコイイ。
ラストは帽子なんかとらず、その風貌で探偵業を開業し、続編を作ってほしい。これで終わらすにはもったいない風貌だ。
ありえないことは起こるけど あるべきものは無い映画
28年前に一家のほとんどが殺され、その中で生き残った少女が主人公のリビー。
目下犯人とされている長男は28年服役して上告もせずに黙秘を貫いている状態。
真相は、そんなタイミングでこんなこと起こるんか?!
と、事態が交錯するのも納得だということが最終的に判明する。
残念なのは、主人公リビーの内面の掘り下げがまるでないこと。
寄付金で生活してきて定職もない、友達もいない、もうお金も残っていない。
という自堕落な生き方を想像できるんだけど、当の本人は美人でナイスプロポーションで酒に溺れるでもなく、薬物に依存するでもなく、心身共に非常に健康そのもの。
成り行きで事件の真相を求めて捜査を始めるけど、別に取り戻したい何かがあるわけではないし、乗り越えたい何かも無い。
最終的に真相が判明して何となくいい感じの雰囲気に包まれてるけど、
仲の良かった兄妹のエピソードとか
一家団欒のシーンとか
そういう救いや行動に足りる動機みたいなものが無いので、一家殺人事件を28年越しに乗り越えたにしては救いが少ない。
感情移入が大して出来ないのでずーっと他人事で見ていられるところがある。
個人的に気になるのは、過去の凄惨な事件の再調査を趣味にしている「殺人クラブ」の存在意義がまるで無いこと。
序盤であんなにワラワラといて熱量高くリビーに詰め寄ったのに、その後全く話しに絡んでこなかったのにはビックリした。
無責任すぎるよ。
人間の本質
2016年の作品
原作小説の邦題は「冥闇」 ダークプレイス
小説は未読だが、主人公の問題と過去とそれを解決してゆく過程が見事に描かれている。
この物語は過去のすべてのことが解決しており、余白が少ないように感じるが、最後に示されたベンとリビーの「赦し」(許すこと)が着地点であり、当初からそれを貫いたベンに対し、今、過去を辿ってようやくそこに行き着いたリビーの過程の中に、とても大きな余白を感じることができる。
リビーは過去に甘んじ、誰かが書いた自叙伝の売り上げで生計を立てていたが、いつまでも1冊の本が売れ続けるはずはなく、生活の困窮とお金の問題が目前に迫る。
そしてこの物語の面白い設定が、「殺人クラブ」
実際に起きた未解決の事件を本格的に調査するグループ
ここからの資金提供と、膨大な捜査資料によって、ベンは犯人じゃないと考える「殺人クラブ」
リビーは当初からベンが犯人だと疑わない。
ここが「人生の盲点」であり、クラブメンバーのライルが話した「人は誰もが嘘をつく」というこの物語の核心でもある。
リビーは思い出したくもない事件を問われるのが我慢できない。
メンバーの「嘘つき女」という声に激しく反応した。
反応 この「反応」こそ、人が隠していることに対する反射
リビーは自分の証言と実際に見聞きしたことの齟齬があることを、最初から認識していた。
リビーの嘘 「犯人はベン」
自分でもこの証言をした理由がわからない。
それ故、なおさらその証言こそが正しいと自分に言い聞かせなければならない。
それが崩れてしまえば、リビーの中にある過去すべてが「嘘」になり、崩れ去ってしまう恐怖がある。
幼い頃感じたベンに対する想い
それは決していいものではなく、女の子にいたずらしたとか、悪魔崇拝者だとか、多感な時期の若気の至りというのか、友人たちの影響をすぐに受けてしまうことなどが、長男ベンの人間像を、リビーが勝手に思い描いていたのだろう。
ベンのことに被さるように起きたのが、住民局による土地の差し押さえだった。
リビーは父ラナーの人間像も理解していたのだろう。
離婚後お金のにおいを嗅ぎつけて母からお金をせびることや暴力を振るう行為をみて、漠然と父とベンを重ねていたのだろう。
この思い込みによって、またミッシェルの言動によってリビーの中にベンという人物像が出来上がっていった。
このことが、一家殺害事件の犯人はベンだという証言となった。
「そう決めた」のだ。
さて、
この物語のテーマは「嘘」になるだろうか?
そこから「許すこと」とはいったいどんなことなのかを、視聴者に深く考えさせるように作られている。
一見二重に見えるテーマは、物語そのものの面白さと、視聴者自身が抱えている「嘘」について考えさせることができるだろうかという「試み」になっている。
視聴者がそこにたどり着いてくれれば、原作者や映画製作者は万歳となるのだろう。
この 「許し」「赦し」との違いは、
「許す(ゆるす)」は未来への許可、相手の行為や申し出を「聞き入れる」「許可する」意味合いが強く、一方の「赦す(ゆるす)」は過去への免責、すでに犯した罪や失敗を「咎めない」「刑罰や義務を免除する」意味合いが強いです、ということだ。
ベンは「許し」リビーは「赦し」たのだろう。
ベンは何故何者かが母を殺したのかわからないが、ミシェルを殺したディオンドラ、彼女よりもお腹の娘を守るために「嘘」をついた。
ベンという変わり者が信じたのは、神ではなく、悪魔でもなく、おそらくディオンドラでさえなかったが、自分の子供が生まれてくる事実だけは信じることができたのだろう。
ベンのベッドの下にあった女児の服 母はそれを見て小児性愛者だと誤解した。
家族の中でもベンは浮いた存在になってしまっていた。
レッテル
ボランティアの美術教室 クリシーは密かにベンのことが好きだった。
妬み 妄想 でっちあげ これが独り歩きしながら「盛られ」、うわさが広がった。
そして、
事件の真相の設定は非常によくできていた。
様々なことが重なるというのは恐ろしいものだ。
そして、貧困というのも恐ろしいものだ。
「現在」のリビーは、その貧困の中にいたが、ベンはそれを「お前も牢獄の中にいる」と読み解いた。
リビーが作り上げた妄想
それを真実だと疑わない妄想
「殺人クラブ」の情報や助けを得て、彼女は事件の真相を知った。
現在のディオンドラと娘クリスタル
二人の狂気と、かつてのリビー自身は同じだと気づいたのだろう。
警察から逃げて行方不明になっているクリスタルを、ベンは探しに行くという。
クリスタルを訴えないと言ったリビーに、ベンは「赦し」という奇跡が起きたことを知ったのだろう。
自分を閉じ込めている牢獄
ここから出る手法こそ「赦し」であり、その奇跡は誰もが「いつでも」行うことができる。
この物語を通して、作家と製作者が伝えたかったことがそれなのかなと感じた。
許すことを決めて28年間それを貫いたベン
28年間居場所を誰かに嗅ぎつけられるのではないかと恐れながら生きていたディオンドラ
リビーもまた、勝手に作り上げたベンという人物像から逃れられないでいた。
釈放されたベンは、クリスタルという娘にもこの奇跡の起こし方を伝授するため歩き始めたのだろう。
なかなか素晴らしい作品だった。
モヤモヤは各自の責任で処理して下さい。
謎解きなんて真面目にしようとする方が
どうかしてると最初から思うんですけど・・・。
何十年前フタをされてその後
当事者さえ明かそうとしなかった真相に
無理が無い訳無いでしょ。
悩みに悩んだ挙句、完全にどうかしてしまって
有り得ない方向にすすむ事の方が実際多いし。
そんな不幸の塊の仕上げにやって来て
付け込む悪いヤツがホントにいるのよ。
そりゃ何が気に入って何がモヤモヤするのかは
好きに吐き出して構わないけど、
酷い点数付けたりしないでよ。
もっと頭スッキリさせて再鑑賞すればイイだけじゃん。
ていうか現実の事件の方が
何百倍モヤモヤすると思うよ。
もっともっと映画ってモヤモヤしてて
イイと思うんだよね。
事実なんて不条理のカタマリの事を
違う呼び方してるだけじゃないの。
だけど許せないのは、素人の
ホラーと呼ぶのも憚られる
キャーキャー言ってるだけの
ヘタクソなヤツね。
ああ、このレビューも
かなりモヤモヤする!
瞑走
幼い頃に母親と2人の姉を殺されたリビー。
証言から兄ベンが容疑者として逮捕。
“カンザス一家惨殺事件”として世間の関心を集め、リビーはその唯一の生存者として同情され、寄付金で自堕落&無気力に暮らし、成長。
30年近く経ったある日、有名な殺人事件について話し合う“殺人クラブ”から招待が。
金欠になっていたリビーは謝礼金目当てで参加。事件と真相に向き合う…。
『ゴーン・ガール』で唸らされたギリアン・フリン原作のサスペンス。
一家惨殺事件の真相は…?
容疑者として逮捕された長男。悪魔崇拝や小児性愛の疑い。
が、殺人クラブはベンの冤罪を訴える。
ベンが犯人と主張しつつも、リビーもまた過去と向き合う。
家族の関係、その周囲の人間模様。怪しい影も浮かび上がる。
題材は非常に面白味あり。
だけど、もっとあっと驚く仕掛けがあると思いきや…。例えば、まさかのリビーが犯人とか。
そんなどんでん返しを期待したら少々肩透かし。
家族の暗部も関わるが、犯人(ちなみにある2人)も拍子抜け。
困窮とは言え委託殺人をした母、ビッチなベンの恋人、そもそも間違った証言をしたリビー。気の毒なベン。
シャーリズ・セロンはお美しく、クロエ・グレース・モレッツは珍しいビッチ役。ニコラス・ホルトはちと印象薄かったかな。
最初は結構興味惹かれて見てたのに、途中から間延びや中弛みが。
ちょっと残念。“瞑闇”が“迷走”してしまったような…。
今度ドラマシリーズになるらしいが…?
サムネからホラーかなと思いきや
自分が好きな俳優の内1人のシャーリーズ・セロンが表紙になっていたから観たけど、なんとも言えない気持ちになった。フィクションだけど本当にありうる話。ある一家が惨殺され、当時8歳だった主人公のリビーの証言を元に無実の兄が28年以上も刑務所行きに。リビーは事件に同情を抱いた沢山の支援者によって生活をしていたが、やがてその支援も底を尽きるようになる。当時8歳だった彼女に支援は底をつくから急に大人になれと言われた彼女はある男との出会いで後に犯人は兄が若かりし頃付き合っていた彼女だったと知る。個人的に好きな台詞は大人になったリビーが "What is it w/ you w/ personal space!"(脳内で一瞬、コロナ禍を思い出すw)
キャストもセロンの他にニコラス・ホルト、クロエ・グレース・モレッツが出ており、ストーリーはタイトル通り冥闇な雰囲気を醸し出すけど、キャストのおかげで全体的に中和されているようにも思える。
結局は火曜サスペン◯劇場並み。
良く分からないが、誰が犯人なの?
時間軸が飛びまくって、カットが入るたんびに、理解を深めなければならない。
結局は火曜サスペン◯劇場並み。
肩代わりって日本人好きなんだよね。
感動の渦に巻き込まれた「サラの鍵」のような“希望”が感じられず…
昨年、私を感動の渦に巻き込み、
度重なる鑑賞と原作本の購入に至った
「サラの鍵」の監督作品と知り初鑑賞した。
しかし、私にはこの映画の
物語性や登場人物への理解が及ばなかった。
・判決が8歳の子供の証言が決め手に
なったように描かれ、
更には、複雑な殺人犯行に見える犯罪が
何故ベンが犯人とされたのか等、
当初のこの事件の裁判が、さも“いい加減”
だったように感じられることには違和感
ばかりだが?
・自殺に見せかけるはずだった自殺幇助人の
殺人手法は、とても目的を果たせるような
手法には見えないが?
・また、主人公の兄は何故、
真相を語ることなく28年以上の長期に渡り
刑務所に入る決断をしたのか?
自分の子供を宿したディオンドラや、
嘘をついた妹が幼すぎることへの
気遣いなのだろうか?
等々、あまりにも設定が
不自然過ぎるように感じたのは、
全てが原作によるものなのかは分からない
が、理解に苦しむばかりだった。
それでも、最後には
ジル・パケ=ブランネール監督が「サラの鍵」で
見せてくれたように“希望”を示してくれる
だろうと期待して最後まで観ていたが、
これも単に過去の重しから解放されたかの
ような主人公のセリフで締められたのは、
「サラの鍵」と同じ監督作品としては
大変安易に感じられ、残念に思えた。
とにかく突っ込み所しかない駄作
他の人の指摘にもありますが、登場人物のやる事に整合性や合理性がまったく無く、以下のような意味不明な部分が多すぎます。
・母親が「自殺を殺人に見せ掛ける男」に仕事を依頼した事。それで何がどうなるの?多額の保険金でも掛けてた描写とかありましたっけ?死んで借金をチャラにする気?死のうとするほど借金まみれなのに、借金返して残された子供が全員食っていけるほどの高額の保険金の保険料なんか払えてたの?死ぬ覚悟があるならまずは破産申請しろよとか、アメリカ(舞台が何処か忘れましたが)は要扶養児童のいる貧困家族を対象にした「貧困家族一時扶助」という制度も整っているから、まずはそういう申請をすべてやってみたのか等々。そういう背景事情がはっきりしないから、急にこんな依頼をする事に違和感しか感じない。しかも自殺する前に刺されてるし(笑)、子供も殺されるわで、あの男も何が目的なのか、さっぱり分からない。こんな現実味の無い「殺し屋」が絡んでいたところへ、たまたまその夜にベンの彼女が妹を殺害するという、あり得ない「偶然」が重なるので事件がややこしくなっているだけでリアリティ皆無。
・兄のベンが自分の妹を殺した彼女をかばうのもアホだし(こんな殺人者に子供をまかせる方がダメだろ。実際、娘もろくでもない人間になってるし、それこそ自分が終身刑にでもなったら終わりじゃん)、母親や他の妹を射殺した男の事を言わずに黙ってすべての罪を被っているのは何故なのか?「悪魔崇拝が時代背景にある冤罪」がテーマだとしても、起こった状況に無理があり過ぎるし、そもそも悪魔崇拝にフィーチャーされた内容でもない。現場の状況の不自然さとか、指紋や足跡などから複数犯の可能性とか、普通に捜査すれば冤罪なんて起こりそうもないのに、あまりに登場人物も警察も無能すぎて、その冤罪テーマとやらも霞んでしまっている。と言うか、そもそもベン本人にとっても状況が意味不明なんだから、信じてもらえるかどうかは置いておいて、とにかくまずは事情をちゃんと説明しろよ(笑)。黙ってたって状況が良くなる要素ひとつも無いだろ。
・ベンの彼女が妹を殺した理由が不明。何で必死に口封じみたいな事してんの?単に「家出しようか」って相談してるだけなのに、ベンの母親にバレたからって何か問題でもあるか?バレたって家出なんかしようと思えばいつでも出来るじゃん。何で殺す必要がある?特にラリってるような描写も無いし、このシーンも動機が意味不明で、単に状況をややこしくするためだけの無理やり展開にしか見えない。
・妹である主人公が犯行現場を見た訳でもないのに、兄のベンを犯人だと証言した理由。これが一番意味不明。この証言の謎が最大のポイントなのに、これに関して何も理由らしい理由が語られないまま。自分の証言のせいで兄が28年間も冤罪で捕らわれていたのに、その事に対する自責の念とか、後悔、葛藤、反省などがまるで伝わって来ないから、絶賛レビューのように「冤罪がテーマなんです!」とか言われても、何もこちらに訴えかけて来るものが無い。こいつ一言でも謝ったっけ?「兄さんも、私もウソをついた」じゃねーだろ。ベンはまだ自分の子供を守るためと言う理由があるとしても、お前はわざわざ兄を犯人だと証言する理由なんか何ひとつ無いだろ!
・ラストも主人公がベンの元カノに襲われたからって兄は即釈放?はあ〜?そんな事で28年も前のベンの冤罪が一気に晴れて無罪放免?ペンダントなんか殺害の証拠にはならないし、それ以外に何か妹殺害の直接的な証拠でもあったっけ?そもそも28年も前に盗まれたペンダントをたまたま見つけるなんて、ご都合主義にもほどがあるだろ。
・またついでのように殺人を依頼された男まで捕まってたが、何でここに来てこいつの存在が急に明るみに出たの?元カノの事件とこいつの事件には直接の関係は無いんだから、今になってこいつの犯罪だと断定された理由が分からない。今さら当時の判決が簡単に覆るような、そんな決定的な証拠を当時の警察が押収していたら、そもそも冤罪なんて起こってないだろ(笑)。こいつらがすべてを証言したとしたら、これまたご都合主義にもほどがあるでしょ。
事件の真相が何なのかという興味で最後まで見れはしましたが、真相が意味不明でしたね。登場人物全員がアホばっかりで、その行動や言動に整合性が無いので、無駄に事件をややこしくしているだけ。ミステリーっぽい体裁の駄作サスペンスです。
シャーリーズ・セロン及びクロエ・グレース・モレッツの演技は強く印象に残ったが、謎解きにはモヤモヤが残った
ジル・パケ=ブレネール監督(アガサ・クリスティーねじれた家等)による2015年製作のイギリス・フランス・アメリカ合作映画。
原題:Dark Places、配給:ファントム・フィルム
原作は未読。途中まで凄く面白かったのだが、謎解きの終わり方がすっきりとせず、その点は残念であった。そう、シャーリーズ・セロン演ずるリビーが何故嘘の証言をしたか、それが綺麗には分からず(混乱してる中、警察に証言を誘導された?)、モヤモヤが残ってしまった。
ただ、俳優達、特にセロン及びクロエ・グレース・モレッツの演技は、強く印象に残るものがあった。主人公(ずっと野球帽を被っていた)セロンが、真相が分かって、許すことを覚え、更にきちんと普通に生きていく決意をするラスト(帽子はもう無い)はとても良かった。帽子は本来の自分を押し込めることの象徴か?モレッツの悪女ぶりもなかなか良かった。
ただ、自分で働かず惰性で生きている様なセロンという設定だが、あまり自堕落な人間には見えないこと。それから、基本的にとても真面目そうに見えるお兄ちゃん(ベン・デイ)が、いかにも悪女のモレッツをずっと大切にすることの説得力には欠けている様に思えてしまった。真面目男を虜にする悪女のどうしようもない魅力までは、表出されていなかった。そういう点では脚本・演出は、問題有りかもしれない。良い雰囲気はあっただけに、少々残念であった。
製作ステファーヌ・マルシル、シャーリーズ・セロン、A・J・ディックス、マット・ジャクソン、マシュー・ローズ、キャシー・シュルマン、製作総指揮ピーター・サフラン ジンジャー・スレッジ、ジリアン・ロングネッカー、トビン・アームブラスト、ガイ・イースト ナイジェル・シンクレア、アレックス・ブレナー、マティアス・エーレンバーク、ニコラス・バイバーグ、ジェフ・ライス。
原作ギリアン・フリン小説「冥闇」、脚本ジル・パケ=ブレネール。
撮影バリー・アクロイド、美術ローレンス・ベネット、衣装エイプリル・ネイピア、編集
ビリー・フォックス、音楽BT グレゴリー・トリッピ。
出演は、シャーリーズ・セロン(リビー・デイ)、ニコラス・ホルト(ライル)、クロエ・グレース・モレッツ(若き日のディオンドラ、キャリー等)、クリスティーナ・ヘンドリック(スパティ・デイ)、コリー・ストール(ベン・デイ)、タイ・シェリダン(若き日のベン)。
盛り上がらない
真実はどこにあるのか?
1985年、カンザスで起きた一家惨殺事件をモチーフにしたサスペンス・ミステリー。母親と長女、次女が殺され、犯人として逮捕されたのが、15歳の長男・ベンだったというショッキング事件として、世の中に知れ渡った。逮捕の決め手のなったのが、その時、生き残り、当時8歳だった三女・リビーの証言だった。
長男は、終身刑を受け、服役していた。その後、リビーは、全米から注目をされる中、親戚をたらい回しにされ、心に闇を背負いながら、次第に排他的な生活を送り、31歳となっていた。
そんな折に、有名事件の真相を探り合うサークルからの招待を受け、サークルのライルと共に、改めて24年前自分の証言は、本当に真実だったのかを調べ直すことにする。
リビーが調べていく中で、ベンが逮捕当時から、警察にも家族にも告げず、ひた隠しにしてきた秘密がある事に気づく。それは、ベンと付き合っていた彼女との若すぎた恋愛の結末で、事件の真相にも大きく関っていることが、明らかになっていく。そこから、惨殺事件の真犯人と動機についても、意外な展開を見せていく。
リビー役のシャーリーズ・セロンは、強い女から魅惑的な女、悪女まで、今やどんな役が来ても安定感のある演技をみせてくれる。本作でも、事件のトラウマを抱え、擦れた生活が染みついた・哀愁漂う女を演じている。
また、ベンの当時の恋人役を演じたクロエ・グレース・モレットは、これまでの役柄とは一線を画した、不良少女役に挑んでいた。
原作が、『ゴーン・ガール』のギリアン・フリンということで、最後までジリジリさせるサスペンス・ミステリーとしての面白さは間違いない。但し、その真犯人は、やや短絡的な感じもして、残念だった。
ミステリーサスペンス映画ではないね。
事件の真相を追求することは、必ずしも正解ではない。
という映画や小説は多数あるが、
本作では「半分正解」という中途半端な印象。
28年前の悲惨な事件の謎を
解き明かすミステリーサスペンスだと思っていたが、
暗く、淡々と事実を積み重ねていくストーリーなので
ミステリーサスペンス映画ではなかった。
では、事件の加害者と被害者の心理状況の
変化を考える映画かと思ったが、そうでもなかった。
ミステリーサスペンスにしては淡々と進めすぎ、
心理状況を描く映画にしては、
登場人物や細かい事件が多すぎ。
だから、どっちに焦点をあてて観ればいいのか分からなくなる。
どういう意図で作られた映画なのだろう。
ベンのノートに書かれていた名前の意図するものは?
なぜ幼いリビーは「ベンが犯人だ」とウソをついたのか?
ここだけが疑問。
ま、その疑問が解けたところで映画の評価が上がるわけでは
ないのだが。
タイトルなし(ネタバレ)
一家殺人事件の生き残りとして、殺人者の兄をもつ唯一の遺族が本当の真相を探っていくストーリー。
過去と現在を交互に観れる演出はわかりやすくてよかった。
事件の真相は想像よりも悲惨で自殺に見せかける殺人であり、2つの殺害が同時に起こっているとは想像しなかった。。
真犯人の娘は同じ血を受け継いでいるだけあるな、と思った。
これからは普通の生活が始まる。の一言に殺人者の身内という大変な苦労が想像できた。
3.4点最後の台詞が良かった
全体的にどうなるんだろーと気になる展開でした。
映像もきれいで胸糞展開もないので見やすい。
事件の真実はそこまで驚くべきものはありませんが
「普通でいい、普通の人生が今始まった」という台詞が良かったですね。
ああ、僕の人生もまだ始まったばかりだと思えました。
雰囲気は悪くないのだけれど
amazon prime videoにて。
アクションで押しがちな昨今のサスペンスの傾向にあって、じっくり見せる地味な映画。
過去と現在が往き来する物語進行たが、デビッド・フィンチャーのようにスタイリッシュに描くのではなく手堅く、役者で見せる演出。
真実に徐々に近づいていく構成はそれなりに緊張感があって、嫌いではない。
事件の真相は悲惨だ。
だが、自殺を事件に偽装する…というのが犯人グループについての説明だったと思うが、はっきりと撃ち殺していたところに疑問があった。私の勘違いだろうか。それとも手違いがあったということなのだろうか。
クロエ・グレース・モレッツ(現在パートはアンドレア・ロス)の娘は、母親の犯行を知っていたようだが、共犯者みたいになっていたのも理解しがたかった。
作品の雰囲気は決して悪くはない。シャーリーズ・セロン始め、役者たちも良い。
ただ、脚本の詰めが甘いのかな…という印象。
特異な犯罪の遺族(子供)には寄付金が集まったりするのかと、改めて認識。
子供が一人残されて一家が殺害されたニュースを見ると、残された子供に同情するだろうし、寄付金を送ろうと思う人もいるだろう。アメリカの規模だと、相当なものが集まるのかもしれない。
ただ、そんな同情は最初のうちだけなのも判る。悲惨な事故や事件は次々に起きるのだから…
おうち-214
🤔
『マッドマックス 怒りのデスロード』で、心も体も全部持っていかれて、ぽぽーーっとしてしまったまま、あらシャーリーズさんとニコラス・ホルト君の共演作まだあるんだ、しかも仰天ニュースやアンビリーバボーのサスペンス回が好きな私ホイホイ。
でも、煮え切らない。
こんなけ美人なのに、やさぐれ役をやらせたらピカイチなシャーリーズさんの、「金、金よこせ」が口癖なやさぐれっぷりは相当つぼったんですが。
幼い末っ子リビーの証言だけで、物証もないのに兄ベンが一家惨殺事件の犯人となっていることが🤔
だって明らかに一人だけ殺され方違うし、よくわかんないけど仰天ニュースの知識だと首に手のあととか残るのでは?
事件の後遺症でやさぐれるのはわかるけど、リビーはなぜ今まで一度も兄が犯人と決めつけてたのか?リビーだけは兄に好感を持っている描かれ方をされているから余計🤔
これまで兄が犯人だと信じて疑わなかったという感じですが、変なマニアの集まりにお金もらって集まっただけで、彼女が結構すぐに行動を移すのも🤔リビーの性格的に、決定的な何かがあればそうなると思うんですが。
あと、犯人母ちゃんとその娘、あんな大声で「リビー!どこだー?」って探しにきたニコラス・ホルト君もほったらかしだし、、、。
筋書きはとても面白いと思うので、🤔部分が残念でした。
不幸が招いた家族のミステリー
1985年カンザスの田舎にてある母親と娘2人が惨殺。生き残った娘リビーは兄ベンが犯人と証言。一応事件には決着は着いたはずだった。23年後生活に困っていたリビーは金の為に過去有名殺人事件を語り合う「殺人クラブ」に招待されるが、それを機に事件の真実が判明されていくストーリー。
あらすじだけ見れば面白そうに感じる。
過去映像が流れ、現代にて真実が暴かれていく。
流れとすれば悪くないのだが、いかんせん抜け落ちている所が多々あった。
・兄ベンが犯人だとする理由が浅い。
・ベンが幼女達に悪戯していると言われ、母親は幼女達の家に確かめに行くが、ベンの写真を持って行く事もしない。
・主人公リビー役のセロンが真実に向かっても、自分に対する後悔の念などが一切出ない。兄への罪悪感が無い。
などなど。
もう少し脚本や映像などに工夫があれば上質なサスペンスになれたかもしれないだけに、ツッコミ何処を探す様なサスペンス映画化には少し残念。
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