劇場公開日 2016年5月21日

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「【”抑えきれない破壊衝動・・・” 人の道を外れた二人の怪物を描いた作品。】」ディストラクション・ベイビーズ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【”抑えきれない破壊衝動・・・” 人の道を外れた二人の怪物を描いた作品。】

2021年4月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

難しい

◆二人の怪物

 1.柳楽優弥が演じる、港町で暮らす両親亡き男。人間の最低限の感情すらなく、只管身を削るように、暴力を振るい続ける。
 今作で印象的なのは、柳楽優弥が殆ど台詞を発しないところである。
 そして、どの様な凄惨な場面でも薄ら笑いを浮かべている所でもある。

 2.柳楽優弥に憧れる軽佻浮薄な男を演じる菅田将暉に拉致された、キャバ嬢を演じた小松菜奈がもう一人の怪物である。
 拉致された後に、菅田が演じる男を車のドアで、何度も何度も叩いて殺す表情は、彼女のデビュー作の「渇き。」を彷彿とさせる。

<作品としては、罪のない女性に”大街道”で、菅田が演じる若い男が暴力を振るうシーンや、只管に繰り広げられる凄惨なシーンなど、構成は粗いし、エンタメ要素は殆どない。
 けれど、それを上回る柳楽優弥の、ラスボス感溢れる狂気の表現方法及び、その狂気に触発されたかのような小松菜奈が演じるキャバ嬢の狂気に目覚めた姿に戦慄した作品である。>

NOBU