劇場公開日 2016年6月25日

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「久々にまともな作品を見た気分」二重生活 asicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0久々にまともな作品を見た気分

2019年11月23日
iPhoneアプリから投稿

Amazon primeで、しかも携帯の画面での視聴。
それでも というか それだからだろうか
とても良い映画だった。

最近 ろくなのを見てなかったので、やっぱりちゃんと作った物は面白いじゃないかと。

原作は未読だが この作り方は原作では表現し得ない部分もうまく作られている気がする。役者さんに負うところはもちろん多いと思う。

始まってすぐのベッドシーン。
このリアルさは、すごい。
若い同棲カップルが狭いベッドで寝ていて 朝 目覚ましが鳴る。
起き抜けって絶対 口が臭いはずなのに(多分どんなやつも。
これ外国映画でいつも気になっていたやつ)

ここで 菅田将暉がそのままろくな前戯もなく自分の朝立ちを解消するかのように性行為に入り、女の子の方が「つけて」と言い、男の方は自分の用が終われば終了。女の子は起き上がったあとその残骸をティッシュで摘んで捨てる。

このかなり身勝手な行為(ですよ) が、二人の関係性をものの数分で表している。
女の子は嫌々応じてるわけではないけれど、自分の気分優先の子なら絶対 拒否するやつ。
エンドロールで相模ゴムが協賛してて クスッと笑えたけど、これは避妊はもちろんの事だけれど、これやってくれないと、女の方は、一日中ダラダラと出て来てホントに不愉快極まりないんだよねえ、となつかしく、と言うのも変だけどまあ昔の事なのでそんな事を思った。

卒論のための尾行。

哲学科なんかに行く人間の精神状態はよくわからないし、なんでまた哲学科って、そもそもそんな科を選んで何になれるんだろうかとか 哲学って 人間が自分自身を追い込むためのノイローゼ助長学科みたいなものにしか見えないよなあと思いながら見てたら まさにそんな感じになって行く。

ほらね。

長谷川博巳の端正な顔の裏にある、見境のない感じというか
どの場合も相手(女性)からのアプローチにきちんとお応えしてるだけの事とも言えるけど、妻と娘のいるセレブ(笑)の裏側という部分では 映画ならば まあありきたり なんだけれども引き込まれる。

出版社にお勤めって設定で このロケのビル
実際にある市ヶ谷あたりの出版社の玄関だよね。
行った事があるので多分間違いない。けど、さりげなさすぎてただのビルにしか見えないからせっかく本物使ってても知らない人にはそこが出版社の設定って事にすら気付かれなさそう。
というくらい “さりげない”がウリな感じ?

リリーフランキーも西田尚美も
この映画のテイストにぴったりだった。
何より ゴミ管理のおばさんが 烏丸せつこって言うのをエンドロールで気づいて、へええと思った。

菅田将暉は今 もうこのくらいの役はしなくなってしまった。もっと主役級のものしかきっとやらない。
それがすごく残念に思える。

うーん 。いやあ〜
こういうのを 堪能したって 言うんだろうなあなんて思った作品でございました。

asica