「甘酸っぱい思春期とタイムスリップの相性の良さが際立つ数多の傑作群へのリスペクトに裏打ちされたSFジュブナイル」プロジェクト・アルマナック よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0甘酸っぱい思春期とタイムスリップの相性の良さが際立つ数多の傑作群へのリスペクトに裏打ちされたSFジュブナイル

2015年6月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

MIT進学を目指すオタク、デイヴィッドは合格通知を見事ゲットしたものの奨学金が貰えず意気消沈。気晴らしに屋根裏部屋を漁っていると幼い頃に亡くした父のビデオカメラを発見、それは自分の7歳の誕生日パーティの映像だったが、そこに一瞬だけ今の自分が映っているのを見つけて・・・からの過去改変型タイムスリップ付きジュブナイル。

無名キャストによる全編POV視点というのは『クロニクル』の二番煎じでSF考証もヌルいですが、何よりこのジャンルが好きだという愛が感じられる脚本で、同ジャンルの傑作映画へのリスペクトがあちらこちらに散りばめられていてそれらを知らないとオチが解らないネタもチラホラ(おそらくこのタイトルも『バックトゥ〜』2作目へのオマージュ)。タイムマシンで参加し損ねたフェスへ行くという今風もあれば、タイムスリップで手に入れるのが高校での人気者のステイタスっていう辺りに透けて見える脚本家の心に巣食う化石化したルサンチマンにも共感しまくり。しかしこのジャンルのオチは実質3択で、最高のオチは『バタフライ・エフェクト』の劇場公開版のソレと決まっているわけで果たしてどれ選んでくるかなと思ったらやっぱりそれかという予定調和だったりしますが、思春期とはそういう柑橘系だと思います。

よね