劇場公開日 2015年12月12日

「若い人に戦争や原爆投下問題を考える契機の一つとして推薦」母と暮せば chakurobeeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0若い人に戦争や原爆投下問題を考える契機の一つとして推薦

2015年12月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

上さんが気分転換で映画を観たい、と言っていたのですが、今週、特別チェックの映画はなかった状況でした。年寄りの身で、今更、典型的ハリウッド映画の代表のような「スターウォーズ」は観たい気がしませんでした。上映中の映画の中、消去法で考えたら山田洋次監督の「母と暮らせば」が残りました。
長崎原爆を含め戦争の被害を通じて当時のありふれた悲劇の一端が良く描かれていました。もっと戦争を知らない若い人たちにぜひ観て欲しい映画と思いましたが、映画館内は高齢者が目立ちました。台詞に重みがあって、全体に松竹映画の伝統を感じることができました。
映画の中で国力差が桁違いのアメリカと戦争した愚かさを2度ほど批判していましたが、国力が同程度だったら果たして問題がなかったのか、山田監督に聞いてみたいと思いました。国力の弱かった中国への侵略戦争はどうなるのでしょうか。戦争被害だけでなく加害の面も忘れることは許されないと思います。内外、数多の犠牲者の上に、戦後日本の平和と民主主義がもたらされたことを忘れてはならないと、改めて映画を観て思いました。
どうでもいい些細なことですが、映画の中で正月の切り餅が出てくるのですが、西日本では角餅ではなく丸餅のはずと思ったのですが、どうなんでしょうか。

chakurobee