劇場公開日 2016年7月29日

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「圧倒的緊迫感とゴジラの神々しさ」シン・ゴジラ MASERATIさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5圧倒的緊迫感とゴジラの神々しさ

2017年6月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館

冒頭からすぐ海上にゴジラが出現し、そして上陸、破壊、進化…と息つく間もなくゴジラが東京湾へと一旦引き返す。
ここまでの展開でもかなり台詞が多く、読んでいる時間が無いような字幕も多く登場し、非常に疲れましたが、ここまでの緊迫感や恐怖感がとてつもなく現実的で、面白いよりも怖いという感情が非常に強くのしかかって来ました。舞台が日本だからかもしれませんが、今現実に起きているのではと思う程の臨場感。
これで私は本作が一気に好きになりました。掴みはOKとはこういう事でしょうか。以前公開された「クローバーフィールド/HAKAISHA」という作品でもこれと似た恐怖や興奮を感じましたが、こちらは「それ」が来るまでにかなりの時間があり、時間をかけたことでリアリティーが増したともとれますが、やや退屈になりかけました。それに比べ本作は冒頭からいきなり画面に釘付けになる。観賞後に一番印象に残ったのはやはり冒頭。本当に怖くて凄まじかった。

それ以降も想像以上の面白さで119分があっという間でした。ゴジラよりも人間にスポットを当てた展開となると絵的には地味になりますが、必ず「絵」だけではない引き込ませるものがあるので、流石抜け目ないなと思いました。CG技術だけではハリウッドには遠く及ばないですが、そういう緻密な構成では負けていません。むしろ勝っていると思います。

時折ゴジラが神々しく描かれて格好よさを通り越して美しいとさえ思いますが、少々動きが少ないのには残念。やはり、「蒲田さん」の愛嬌で知られ、ぬいぐるみにもなった第2形態がベストか。

個人的に、2016年で満足度は上位の作品でしたが、後半のゴジラとの戦い方が現実的ではなくて残念でした。これまで現実的な展開だったのにも関わらず後半のそのシーンはアニメや漫画的なものに思えてしまいやや引いている自分がいました。よって、難しいところではありますが、私は2014年のハリウッド版「GODZILLA ゴジラ」の方が好きです。こちらは「キングコング 髑髏島の巨神」から本格始動したモンスター・バースなので、今後の展開にも目が話せず、東京オリンピックよりも楽しみで仕方ないです。

本作に続編が出来るのかは分かりませんが、公開が決まればそちらも外せないですね。

Mina