日本のいちばん長い日のレビュー・感想・評価
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なかなか
ストーリーは近衛師団による玉音放送前夜のクーデターをクライマックスに、陸軍を中心とする徹底抗戦派と和平工作に動く鈴木内閣との攻防、さらにその狭間で板挟みになる阿南陸軍大臣の苦悩が緊迫感を持って描かれてゆく。
東京の焼け野原などのCGはさすがに厳しいと思ったが、邦画の少ない予算の中ではよく出来ていた方だと思う。
残念なのは、クーデターシーンに挟まれるコント的なカット。アクション映画などにはよく挿入されたりするが、この作品に関して言えば、緊張感を削ぐようなシーンはいらなかったと思う。制作者側にはそういう意図はなかったのかもしれないが、どこかバランスの悪さを感じた。
昭和天皇を演じた本木雅弘がけっこうよかった。天皇陛下の演技はこの作品の出来を大きく左右するだけに、このキャスティングは絶妙だったと思う(もちろん役所広司も山崎努よかった)。
日本人として
日本のいちばん長い夏を観るか、野火を観るか悩みグロすぎるのは苦手ででもこの夏どちらかは見ねばと思い日本のいちばん長い日を鑑賞。
終始なぜ陸軍はこれだけ明確に敗戦決定なのに、クーデターを起こしてまで決起したがるのか理解できずイラっとした。歴史が経過した今だから、傍観者だからそう思えるだけで、もし自分が当事者だったら状況に流されていただけかもしれない。
あれだけ熱く自国を思いやれるその思いは確かに尊敬に値するけど、やはり命の重みが今よりは軽くだからこそ、熱く散れたのかもしれない。
ただ理解を超えた扇動に恐怖を若干感じた。
少し間延び感が否めなかったので-4。
こんな日だったんだ
映画を観ることしかしていなかった、永遠の0をともだちの勧めで読んだ。
戦争という勝手に決められたことで運命を左右される時代に生き、死というものをかけて戦うことのすごさを感じた。
その影響をうけ、予科生や特攻の思いを知らない聞けない人たちがどのように決断したのか知りたかった。
たった70年しか経っていないのに、わたしにはわからない言葉や、愛国心、己に課しているものの大きさ。
観て良かったと思う。
この映画があることを知ったきっかけが、地元に帰って母とランチに出かけたとき。
たまたま隣に映画館があって、そこからたくさんのご年配の方が出てきた。
こんな時間になんの映画やろ?と思ったら、このポスター。
観終わり、思うのはあの人たちはどんな想いであの映画を観たのだろう。
人の精神というのは、周りの環境、メディアからの影響はとてつもないのだと改めて痛感した。
感想
場面の切り替わりが早く、知識を多少つけていかないとついていけないように思った。
ただ、これを見ていて時代をすごく感じた。当時は戦うことは国のためだと刷り込まれていて、だからこそ若者がそれに呑まれてしまったのかなと。
また、本当にこれは忠実に再現されてるのかなとも思った。映画館に戦争世代の方が多く来ており、途中で帰られてる方が何人かいた。どんな想いで見ていたのかなと思った。辛くて目を背けたくなったのか、それとも真実を伝えきれていないと思ったのか。
それは分からないが、私のような若い世代が真実をちゃんと理解し、後世にまで伝え続けていかないといけないと思った。
時代錯誤
昭和生まれとして観たい映画でした。
一番の違和感はやはり、昭和天皇を人間味たっぷりに描いている点。 そこだけは違うと思った。 第二に、東條英機の演出がいもすぎで感情移入ができなかっ
た。 僕の中で主演の役所広司がどうしても山本五十六のイメージが強すぎて、
阿南陸相のイメージ像をとらえられなかったのも残念だった。 前半は作り込んでいると感じたが、後半のクーデターのドタバタのシーン、例えば、松山ケンイチが出るシーンとかはわけがわからんかった。歴史のまさに変わるターニングポイントなのにあっさり描きすぎだし、庶民的な視点が欠落している。 三島由紀夫が玉音放送を不思議な感動を通り越した空白感と表現しているが、そこが全くこの映画では描かれていない。 僕はそこが観たかったのかもしれない。 終わりも映画自身が昇華しきれてない感じで尻切れ感がいらっとした。 主人公が死ぬ映画は死んだら終わりにしないとどこか、胡散臭さが漂う。 どこかに先人達の鎮魂歌の要素をさがしたが、全くない。映画としての残るものが少ない映画。
あまりおすすめはしない。
登場人物が多いので、誰がどんな役職なのかを把握するのが非常に難しい...
登場人物が多いので、誰がどんな役職なのかを把握するのが非常に難しい。
あとでwikiを見て、かなり忠実に史実を再現してる事が分かり、感心しました。
なかなか面白かったよ!
玉音放送の裏にこんなドラマがあったんですね。昭和天皇の人格に脱帽です。偉大でしたね。なんかこの時代いいです!激動の時代、物凄く大変なんだろうけど、いい時代ですね。
熱い日本の魂を感じれる映画∑(゚Д゚)是非!
戦争を終わらせる為だけに組閣された鈴木貫太郎内閣。阿南陸軍大臣の決...
戦争を終わらせる為だけに組閣された鈴木貫太郎内閣。阿南陸軍大臣の決断、行動如何で、今の日本は無かったかもしれない。そんな事を思うと、非常に重要な1日だった事を改めて感じさせられます。でも、これも昭和天皇の人徳が大きかったのでしょう。日本人であれば、戦争を終わらせる為に、影でこの様な重大時が起こっていた事を知っておかなければならないでしょう。この生死を掛けた出来事を知っていれば2度と戦争への道歩んではならないと思うはずです。
キャスティングは素晴らしかった
モッくんは特に素晴らしく、役所広司も素晴らしいが、その他のキャスティングが素晴らしかった。テレビ局映画のようにオールスター集めてればいいというような姿勢でないのが素晴らしい。
陛下のお言葉のひとつひとつに涙したくもなるが、もうちょっと何か欲しかった。ドラマとして考えると、天皇陛下を出さなくてもよかったんじゃないかな、と振り返って思う。
ポツダム宣言勧告から玉音放送までのまさにはじまってしまった戦争と未来を見据えた国としての決着を巡るドラマとして、天皇陛下以外にフォーカスを絞った方がそのドラマをもっと盛り込めたと思った。
歴史の一部分を切り取ったかのような作品
今年は終戦70周年、安保法制と戦争に関する話題や番組を見る機会が増えた。
戦争体験者が年々減っていく中で、私たちはそれをどのように子孫に伝えていけば良いものか?
そもそも私自身がどこまで深く(正しく)考えられているものか?
ただ闇雲に戦争反対を唱えているだけかも知れない。
戦争に反対はしても、始まってしまった戦争を止める自信は無い。
本作は戦争を止めるために費やした数ヶ月間の物語だ。
それまでは“一億玉砕”を謳いイケイケの強気で押していたものが、急に終戦と云われても、青年将校たちの闘志が冷めないのも仕方がないのかもしれない。最後の一兵卒まで戦うように教育されてきて、もしその立場なら暴走する人が出て来るのもあるだろう。
それは走り出した列車の先頭が急に止まるようなものだ。そんなことをすれば後続車両が暴走する。特に二、三列目の勢いが激しいだろう。それに振られて後続も脱線していく。
本作が描いている「宮城事件」のことである。
やはり皆、戦争の被害者と言える。
本作はもしかしたら人物描写はデフォルメされているかも知れないと感じはするが、史実を基にした興味深い作品だと思う。
特に戦争は一度始めたら止めることは容易ではない。それがよく分かる。
然るべき人が止めてくれないことには止まらないし、止まるまでにも被害が出てしまうのだ。
だからその前に戦争にならないようにしたい。
この歴史から学ばなければいけない。
2015年、新年のご感想で天皇陛下はこのように言われている。
(間違っていたらご免なさい)
「本年は終戦70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々、広島、長崎の原爆、東京を始めとする各都の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています。」
とても重要な方の重要な言葉だと、私は思います。
始めないこと。
勿論これが大切ですが、始まったことを終わらせること。
それは始めることよりも難しいのだ。
ということ本作を観て学びました。
陸軍が馬鹿すぎませんか
未だ、WGIPが解けていない感じですね。原作者が海軍贔屓なので、仕方ないんでしょうが、戦争に負けた第一要因は海軍だったのに、陸軍はワガママに描かれていました。ミッドウェイ敗戦という、大戦初期で勝負がついていたのに、それを隠し、中盤戦から陸軍に無理な作戦を取らせたのは海軍だったのにです。
あの状況では、降伏しか手はなかった事は、事実です。もっと早く実現すべきでした。
東条英機も、石原莞爾を起用しなかった小心者の官僚ですが、あそこまで馬鹿ではなかったのでは?
英米式の世界を夢見て敗戦革命を企んだ曲者米内光政が、まるで脇役だったのも解せません。また、海軍が積極的に降伏しようとしたのに、陸軍が邪魔をしたこのいやな感じは、これから資料が出てくるに従い覆されると思います。
海軍では、数少ない切腹をした、大西滝治郎も、玉砕馬鹿にしか見えなかった。特攻も、空母を一週間ほど、使用不能にして、レイテ湾に戦艦大和を突入させるという、ギリギリの作戦?だったと言われています。介錯も頼まず、半日苦しんで死んだのに。また、辞世の文書は特攻馬鹿ではない事を裏付けています。
さらに、史実が判明しWGIPが解けたとき、この敗戦時の物語は変わっていくと思います。
いずれにしても、戦争は勝てないのならしてはいけない、やるなら勝てる戦略で実施すべき政治です。
官僚化した、当時の軍部ではやってはいけなかった。誰も責任を取らないのだから。劇中の閣議が証明しています。
阿南の“米内を切れ"というセリフは入れて欲しかったですね。
いいかげん、敗戦を終戦と言い換えるのはやめにしませんか!
映画「日本のいちばん長い日」の感想
ポツダム宣言受諾、玉音放送まで鈴木内閣の奮闘を描く作品。陸軍将校たちとのギリギリの駆け引きです。
とてもスリリングで、テンポよく仕上がっています。ちょっと当時の知識が無いとついていけないかもしれません。
阿南大臣は腹を切って将校の独走を止めようとし、鈴木総理は聖断を仰いだことの責任を持って辞職する。また、独走する将校は最後には自決して、反乱や自分の思いに決着をつけた。
起こした出来事には批判すべきだとしても、現在日本の「責任を持って辞職する」とは一線を画するような気がします。
昭和天皇が退位せず、その後の新日本の有り様に努力され続けた点からも、首を切って(辞職して)何かが解決すること、という問題について深く考えさせられる物語だったと思います。
戦争を知らない世代に見てもらうために
旧作品も力作ですが、昭和天皇の描き方は、より深く親しみやすくなっています。戦争の辛さ無意味さを今の世代により印象深く伝える工夫をお願いしたく思います。ひもじく勉強したくても出来ない毎日、周りの人々が死んでいく痛ましさ、大人や国や軍隊への疑問を、学童目線で捉えた描写があれば広がりが出たと思います。しかし前回使えた建物も近代美術館に建て替えられた今、映像で戦争を伝える困難さを見事に克服した立派な作品でした。賞の獲得を楽しみにしています。
誰が戦争を終結させたのか?
天皇か、内閣か、アメリカか、ソ連か?
今、開戦を止めることができるのは誰か?
いつまでも戦後が続くことを願いながら見ました。
The Emperor in August
邦題の「日本のいちばん長い日」より、副題のこちらに近い内容。
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