劇場公開日 2016年9月17日

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「誰に感情移入するのか」怒り エマノンさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5誰に感情移入するのか

2017年9月16日
iPhoneアプリから投稿

喜怒哀楽のなかで一番エネルギーを消耗するのが怒りではないだろうか。タイトルどおり、いい意味で視聴者のエネルギーを消耗させる作品だった。

少年は彼女を守れなかった。後悔と自分に対するふがいなさを抱え、それを唯一話せたのがあのサイコパスだった。大切な彼女を侮辱された怒り、せめて誰にも言わないで、の言葉を守ろうとして、少年は彼を殺したのかもしれない。

あのサイコパスも、日雇いバイトをしていて現代の社会の理不尽さを身に受けていて、社会に対して強い怒りを持っている、という背景があればサイコパスではなかっただろうけど、広瀬すずに対しての語りとか、完全にいっちゃってたので情状酌量の余地はないな。
他のレビューにもあるけど、怒りの矛先を間違ったところにぶつけてるんでしょうね。

この映画で1番グッときたのは宮崎あおい。
泣きの演技は本当に感動した。人間が本当に後悔したときの表情、すごかった。社会的弱者という役柄を演じきった。でももやもやするねー

綾野剛はもうやたら色気があって、存在感だけで映える人だな。すごいなあ。なよなよしなくてもゲイにモテるよ、きっと。妻夫木はやたらできる男っぽく演じてたのがちょっと面白い。妻夫木の人の良さが滲み出ちゃっててチグハグでw

音楽も感情を引き出させるいい効果がありましたね。

揺さぶられたい時に観るとよろしい。

エマノン