劇場公開日 2015年9月12日

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「80s愛にあふれた、B級VFXコメディ!」ピクセル 年間100本を劇場で観るシネオさんの映画レビュー(感想・評価)

3.580s愛にあふれた、B級VFXコメディ!

2015年10月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

ゲームのお話だし、
VFXは素晴らしいし、
ストーリーもご都合主義で
わかりやすいから、
子どもからカップル、
大人までみんなが楽しめます。

けど見終わった
周りの若者たちからは、
「見たことあるけど、
ほとんど知らないゲームだったね...。」
「ギャグが分からなかったなぁ」
なんて声が聞こえてくる。....。

そうこれは、
1980年代初頭の少年時代に、
洋楽を聞き始め、洋画に足を運び、
ゲームセンターに通ってた
オトナたちに向けられている。
今45歳から55歳くらいの、
オジサンオバサンだよ。

現在の話なんだけど、
宇宙に送ったメッセージが80sだったから、
全てがその時代のネタでまとめられているんだね。
キャストもその時代に活躍した、
ゲーマーという設定だし。

まだ家のゲーム機なんて、
ピンポンくらいしかできなくて、
ワクワクしながら、
アーケードに通った世代だ。
ドットやピクセルでしか表現できなかった、
当時のグラフィックの切なさが、
ジンジンくる。

ゲームはキービジュアルのパックマン!を始め、
ギャラガにルカノイドにセンチピードに
ギャラクシアンに
スペースインベーダーにドンキーコング...。

ミュージックは
冒頭チープトリックのサレンダーだ!
この曲は80s不良映画でマットディロンのデビュー作
「レベルポイント」など、
その時代のアイコンとして使われてきた曲だよ。
そしてクィーンにラバーボーイに
ティアーズ・フォー・フィアーズ...。

宇宙人からのメッセージでは、
レーガン大統領に、マドンナに、ホール&オーツ...。
セリーナ・ウィリアムズと
マーサ・スチュワートまで引っ張り出す、
悪ノリぶり。

これらが分かる人なら、
終始ニヤニヤしっぱなしで、
倍楽しめるはずです。

全体に全く説得力がない、
てきとーなストーリーも、
思い切りがよくて気持ちいい。
勘違いした異星人が、
わざわざゲームのキャラをピクセルで表現して、
侵略してくるなんてハチャメチャぶりだもんね(笑)
それをやっつけるのが、ゲームオタクなんて、
もう苦笑するしかない。

こんなB級ノリでも、
丁寧なディテール再現と最新VFXで、
超エンタメに仕上がってます。
監督はスピルバーグに見出され、
名作を量産してきたクリス・コロンバス。
ハリーポッターやホームアローンにアンドリュー。
脚本もきっちりしたやつが多かったから、
その反動から自由にやっちゃったのかもね。
そんな監督の楽しさが、
こっちも伝わってくるから嬉しい。

理屈なんかどうでもいい。
80sが分からなくても、いい。
クオリティの高い映像に
バカだなぁと思いながら、
クスクス笑う。
VFXコメディと割り切って、
楽しみましょう(笑)

年間100本を劇場で観るシネオ