「日本製ゾンビ映画。血みどろ描写がかなりエグイ」アイアムアヒーロー yasuu_kusayanさんの映画レビュー(感想・評価)
日本製ゾンビ映画。血みどろ描写がかなりエグイ
ゴールデンウィーク映画鑑賞第2作目は『アイアムアヒーロー』です。
『レヴェナント: 蘇えりし者』を観終わって、間髪を入れずにホールを移って観始めました。
重いテーマのアカデミー受賞作を観終わった後で、コミックを原作とした邦画ということで、正直なめてかかっていた作品でした。
事前に
第48回シッチェス・カタロニア国際映画祭、コンペティション部門・観客賞、コンペティション部門・最優秀特殊効果賞
第36回ポルト国際映画祭、コンペティション部門・観客賞、コンペティション部門・オリエンタルエキスプレス特別賞
を受賞
という情報を知っていたので、どんなクォリティなのかと思い鑑賞。
内容はいわゆるゾンビみたいな怪物からの逃避行を描いたパニックホラー。ある日突然、街中がZQN(ゾキュン)と呼ばれる謎の怪物で溢れかえり、ZQNに襲われた人間は死亡後、同じZQNに変身して、人を襲うようになります。この辺はゾンビの設定と同じで、ZQN=ゾンビという認識で間違いはありません。ゾンビと異なる点はZQNは人間であった頃の過去の記憶で行動している点。サラリーマンだったZQNは満員電車の吊革につかまっている恰好をしているし、主婦だったZQNはショッピングセンターの中へ入ろうとドアを引っ張り回しています。ZQNとの闘いの舞台はショッピングモール内の閉ざされた密室空間。そこはZQNから逃れてきた人間の特別なコミュニティが築かれていて、主人公・鈴木英雄(大泉洋さん演)がライフルを持ち込んだことで、人間同士の覇権争いが始まります。ZQNによりコミュニティの人間たちが次々と襲われZQN化していく中、英雄は自分と逃亡途中で知り合った女子高校生・比呂美(有村架純ちゃん演)を守ることができるのか。
大泉洋さん演じる主人公がまるでコミックから飛び出したようによく似ています。というよりコミックの主役の方を大泉洋さんに似せて描いたという方がいいような。
本作の主役は30歳を越えたうだつの上がらない、まじめだけど頼りない男。大泉洋さんのイメージそのまま。まさにはまり役です。
ZQNは頭を打ち砕かないと倒せない。そのため頭を破壊する映像がかなりリアルに表現されています。頭蓋骨が割れ、血飛沫が画面いっぱいに飛び散ります。こういう映像が好きな方は見応えがあるでしょう。嫌いな方は観ない方がいいです。
主人公がヒーローになるラストシーンは圧巻
それまで、銃を扱うことを知りながらライフルを打てなかった主人公・英雄が最後には別人になったように打ちまくります。襲い掛かる100体近いZQNに対し、怯むことなく立ち向かう姿はまさにヒーロー。観ていてもスカッとするシーンです。中盤の主人公の頼りない姿はこのラストのためにあったようなもの。最後の1体を仕留めるシーンが本作の集大成。終わったあと、スタンディグオベーションをしたくなります。
なめてかかって観た作品ですが、とにかく圧巻なシーンの連続で最高に面白い!ぜったい観るべき作品です。ただし血糊が嫌いな方は観ない方がいいです。
評判がいいようなので、続編あるでしょうね。