「「気持ち悪さ」満点、でも「怖さ」不足」アイアムアヒーロー ぼたもちさんの映画レビュー(感想・評価)
「気持ち悪さ」満点、でも「怖さ」不足
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グチャドロの目を背けたくなるようなグロさ加減(褒め言葉)はすごかったです。
ホラー映画に関して、これまでの日本映画が進まなかった、進めなかった方向に挑み、及第点を超える映像が出来上がったと言って良いかもしれない。
でもやっぱりこういったゾンビ映画に求めるのは「怖さ」。
正直、見ていて「うわーきんもー」とは思っても、身が竦むような怖さや緊張はあまり感じなかった。
グロは表現手段であって、それのみの羅列を見たいわけではなく。
いわゆる「手段が目的になってしまった」というやつで、そこで終わってしまった印象。
前半はそのあたりの上手さも感じたんですが…
・何かがおかしいと感じさせる不穏な空気
・郵便受けから除く部屋の映像
・いったんこの人は大丈夫と安心させておいてのゾンビ化
こういった点は「いいぞいいぞー」とゾクゾクしながら見てたんですが、後半になると「怖がらせ演出」はほぼ見られず、非常に冗長。
大好きなシーン。
何ら特別な価値の無くなった高級時計で、崩壊した世界を表現しつつ、のちに大いに役に立つ。
「英雄(えいゆう)と書いて、ひでお」が実際に二人の女性を守り通した後に「ただの、ひでおです」。
この2つのシーンなどによる味付けはとても良かっただけに、ホラーとしての根幹がいま一つだったのがとても残念。
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