GET ACTION!! インタビュー: 元シアターN渋谷支配人・近藤順也、パンクロックから学んだ映画館の姿

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GET ACTION!!

劇場公開日 2014年3月15日
2014年3月13日更新
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元シアターN渋谷支配人・近藤順也、パンクロックから学んだ映画館の姿

マニアックな作品を紹介し、東京・渋谷を代表するミニシアターのひとつとして親しまれながら、昨年12月に閉館した劇場シアターN渋谷。同館の支配人を務めた近藤順也氏は、20代で出合いヒーローとなったパンクロックバンド「TEENGENERATE」から吸収したパンクな姿勢で、映画と向き合ってきた。そんな近藤が始めてメガホンをとり、長年温めてきたTEENGENERATEのドキュメンタリー「GET ACTION!!」を完成させた。(取材・文・写真/編集部)

1990年代、TEENGENERATE はFink.、Fifi.の杉山兄弟を中心に、約3年という短くも太い時間を駆け抜け、日本のロック界に揺さぶりをかけた。海外ではアメリカをはじめ多くの国で注目を集め、年間80本を超える欧米ツアーを敢行しながらも、日本ではスポットライトを浴びることはなかった。

近藤監督はシアターN渋谷でさまざまな音楽映画を上映しており、かねて「どんなバンドでもドラマがある。TEENGENERATEは、自分がすごく影響を受けたバンドなので、記録できるチャンスがあったら絶対したいと思っていた」。2000年代後半、ドキュメンタリー化企画が持ち上がったものの、「自分の中で物語の締めが思いつかなかった」と形にはならなかった。しかし、劇場閉館にともない、ドキュメンタリー「kocorono」やミュージックビデオを手がけてきた川口潤ら、「世の中に埋もれているものに光を当てたい」という思いを持つ仲間とともに製作に踏み切った。

バンドメンバーはもちろん、「ギターウルフ」のセイジら盟友、バンドを愛した40人以上の証言によって、その姿を紐解く。劇場で扱った「アメリカン・ハードコア」など、「オーソドックスなアメリカのドキュメンタリー」の手法を踏襲し、「必要以上に『すごかった』ということは描いていないし、聞いたことをまとめただけ」と丹念にその足跡を追う。

TEENGENERATEを敬愛し続ける近藤監督は、「杉山兄弟はレコードコレクターだけれど、ふたりの感覚としては『単純にバンドをやりたいからやっている』なんです。音楽のマニアックな部分を伝えたいということではなく、ただバンドをやりたいという気持ちだけだなと強く感じましたね」と述懐。そして、歳月を経ても変わらない魅力は、「オリジナリティ」だと熱を込める。

「今聞いても全然色あせないし、本当にオリジナルだと思うんです。セックス・ピストルズザ・クラッシュ、ダムドみたいなバンドは当時、ほかにいなかった。TEENGENERATEも同じで真似しようとしてもできなかった。バブル崩壊とともにメジャーのパンクバンドが一掃されたあと、ガレージパンクというジャンルで出てきたTEENGENERATEは、今まで聞いていたパンクバンドとも全然違っていて、何をマネしているわけでもなく、兄弟ふたりが聞いてきたものが彼らの頭の中でごちゃ混ぜになって音になっている。そこにある物はほかにはないんです」

音楽映画だけではなく、「ホステル」「ヒルズ・ハブ・アイズ」「マーターズ」といったカルトホラーから、「ベルフラワー」などの異色作を紹介し続けてきたシアターN渋谷。周囲におもねることのない軸は、TEENGENERATEと重なるものがある。「ミニシアターブームがあり、そのあとシネコンができてミニシアターが厳しくなった。そんななか、渋谷はいろいろな劇場がカラーづけされていて、シアターN渋谷って必然的にホラー、カルト作品を紹介する立場になりましたが、基本的に自分はそういうものが好きなんだと思います。そうなったのもTEENGENERATEやパンクロックの影響かもしれないですね」

「TEENGENERATEと出合った学生のころは、バンドは日本で知られていなくて、音楽専門雑誌では当時流行っていたブリットポップばかり紹介されていました。雑誌を読んでいるだけだと、TEENGENERATEの情報は入ってこないし、ライブハウスやレコードショップに足を運ばないと出合えないんですよ。受動的ではダメ、そういうことをTEENGENERATEが教えてくれました。シアターN渋谷もそういう映画館だったと思います。結果的にテレビでは紹介されない映画ばかりでしたが、シアターN渋谷にくればチラシと予告編がある。圧倒的にリピーターの方が多くて、作品への反応はやってみないとわからない。映画館ってこういうことがまかり通るので面白いんです」

劇場運営にはじまり製作、配給まで手がけ「作品については、劇場公開をしてお客様が判断すること。でも、劇場時代に映画を大事にしていたつもりはあるので、自分の映画だからという特別扱いではなく、大切にしてくれる劇場でかけたいという気持ちにはなりました」。映画に深い愛を注いできたからこそ、「有名な映画を公開して1年間で1本ロングランして終わることができたら楽な話なんですよね(笑)。1、2週間で上映を終わらせるのではなく、映画をもう少し大切に扱ってほしい」と警鐘を鳴らす。

次回作について問うと、「(本作が)最初で最後。撮らないですよ(笑)。まずはこの作品を見てほしいです」ときっぱり。それでも「スプラッターかな(笑)。『処刑山』のリメイクとか、東中野あたりで日本版『ベルフラワー』とか(笑)」と冗談めかして答えてくれた。

「映画の魅力は、一人ではできないということですね。作るにしても公開するにあたっても、みんなの助けがないとできないものなんだということをすごく実感しました。人はひとりでは生きていけないということを、映画によって教えてもらいました(笑)。映画って面白いんですよ」

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