劇場公開日 2014年10月4日

蜩ノ記のレビュー・感想・評価

全92件中、1~20件目を表示

4.0派手さはないが非の打ち所がない時代劇

2022年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、試写会

静謐な佇まい、美しい所作なども含め、非の打ちどころがない時代劇である。
派手さはない。されど、きちんと時代劇の脈々と受け継がれてきた系譜を、きちんと踏襲した素晴らしい作品。
原作は、第146回直木賞を受賞した葉室麟の同名小説。
これを、「雨あがる」「博士の愛した数式」の小泉堯史監督のメガホンで映画化したのだから、非の打ち所がないというのも納得できる。
役所広司演じる戸田秋谷は、前代未聞の事件を起こしたことにより、10年後の夏に切腹すること、その日までに藩の歴史である「家譜」を完成させることを命じられ、幽閉生活を送る。
あと3年となったある日、岡田准一扮する庄三郎が監視役としてやってくる。
それにしても、10年後に切腹を義務付けられた男が、どのような心持ちで1日1日を過ごしていくのかを、役所は説得力を帯びた静かな芝居で淡々と見せていく。圧巻としか言いようがない。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
大塚史貴

2.0やっぱり時代劇は分からん

2024年1月1日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
プライア

3.5自分の為すべきことを見つけた男・家族の物語

2023年4月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

悲しい

単純

涙が止まらなかった。
 丁寧に作り込まれた、骨太の作品だと思う。役所さん、原田さん、堀北さん、岡田さん皆素晴らしかった。その中でも個人的には郁太郎と源吉が初々しく子どもらしく一番良い味出していた。岡田さんの殺陣が見事だった。
 試写会後お見送りに立って下さった監督に「すばらしい映画をありがとうございました」と本気でお礼を言った。

だのに、時間が経って複雑な思い・しこりがゴリゴリと…。
 秋谷は自死するわけではない、命を粗末にしているわけではないけれど、死を拝命することを受け入れている姿が、死を賛美しているような気がしてきて…しこりがゴリゴリ…。
  命って何だろう。そんなことを考える。

『明日への遺言』の監督の作品。
 『明日への遺言』も、死刑を覚悟で部下の罪を一身に背負いつつ、敵方がくれた助命のチャンスを蹴飛ばしてでも自分の信義を貫いた男を描いた映画。

この映画の主人公・秋谷と似ている。

自分の命をかけてでも、家族の悲しみ・苦しみまでに目をつぶってまでも、貫きたかったのは…?。自分の美学・生きざま。家族と共に生きる時間よりも、武士としての己を極める方が大事?理不尽な命令だけど、いずれ歴史がわかってくれるよ。その時恥をかかない生き方をしようと。

『明日への遺言』が法廷の中での論戦で、死をも辞さないが、主義を認めてもらって公平な裁判が行われて無罪を勝ち取ろうという可能性ゼロの賭けを仕掛けている主人公・岡田中将を描いているのに対して、
この映画では、秋谷や織江の葛藤はほとんど描かれない。娘・息子・庄三郎他が多少葛藤、行動するが、基本受け入れて耐え忍ぶ。

「一日、一日大切に生き、為すべきことを為す」

秋谷のような状況はなかなかないが、命の限りは誰にもやってくる。
 黒澤監督の『生きる』のような余命宣告。もっと突然やってくる事故・災害etc。そういう意味では我々の命は有限ではないのだ。
 そんな中で日々をどう生きるのかが大切なんだというメッセージを頂いたような気がする。

けれど、あまりにも美しくまとまっていすぎて、命を絶つのを承認しているようにも見える。
あまりにも死を受け入れる姿を美しく描きすぎていて、この映画を受け入れていいものか、心が乱れる。
 「武士道とは死ぬことと見つけたり」ということか。

原作未読。「これまでにない完成度」と浅田次郎氏に評された直木賞受賞作。
 だが、映画では、藩の情勢、主君を巡る陰謀?、如何にして秋谷が嵌められたか等のサスペンス系のネタは、ちらっと見せるだけでほとんど割愛、物語としての盛り上がりはない。
 ひたすら、風景の美しさを織り交ぜながら、家族の有様を淡々と描いていく。というか印象がそれしか残らない。

黒澤監督の後継者のように語られる小泉監督。
 黒澤監督の映画をすべて見たわけではないが、黒澤監督の映画にはもっと、人生・社会のダイナミズムが溢れている。人としての素晴らしさだけでなく、浅ましさ・欲・悲哀・滑稽さが溢れており、そこに強烈に魅了される。
 小泉監督の映画をすべて見たわけではないが、人の・社会のきれいな上澄みだけをすくって映画に映し出しているような。現代のお伽噺を綴っているような。だからか、素晴らしい映画だと思いつつも、後、一味足りないもどかしさが残る。

『明日への遺言』ではわずかな時間の中で決着がついてしまうが、この映画の秋谷と織江は10年の時があった。その中で、最期のお二人のシーンにたどり着いたのだろう。
 お互いのいたわり合い。確かな家族の結びつき、信頼。そんな印象のみが、風景の美しさ、所作の美しさとともに、心に沁みわたり、温かさと、それゆえの切なさが拡がっていく。

☆彡   ☆彡   ☆彡

≪蛇足≫
直訴計画、源吉が拷問死してから家老の元への殴り込みは、1つの見せ場だと思うのだが、凄味がない。緊張感がない。所作は綺麗なんだけど、職員室での教員と生徒の喧嘩、居酒屋の喧嘩のよう。
  ”愛”を中心テーマに据えたこの映画では役所さんが適役なんだろうけど、藤田まことさんか仲代達矢さん、山崎努さんの秋谷が観たかったです。無理だけど(T.T)。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
とみいじょん

3.5美しい日本を観る

2023年3月5日
iPhoneアプリから投稿

良い時代劇を観るといつも思う。
日本の美しい原風景、暮らしの中に根付く節度ある所作、人が心に何を持って生きるべきかなど、自分にとって大切なことに想いを寄せたくなる。
この映画もそうだった。派手なことは何もないけれど、男も女も自分を律して生きていることが、とても美しくみえた。
いい映画だった。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ニョロ

4.0信念を貫いて生きる

2022年10月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

本格派時代劇だが、既存作とは些か趣が異なる。

主人公は、ある事件で10年後の切腹とその間の藩史編纂を命じられる。とくると、主人公の死に様がテーマだと思ってしまう。

しかし、本作のテーマは死に様でなく生き様。切腹までの10年間、義を見てせざるは勇無きなりという信念を貫徹して生きる主人公の姿は清々しくて胸が熱くなる。

観終って心地良い余韻が残るのは、切腹に赴く主人公の顔に10年という限りある生を全うした者の充足感があるからだろう。人生も概ね80年の期限付き。悔いなく一生懸命生きねばと思う次第である。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
みかずき

4.0役所広司、いいねぇ

2022年10月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

原田美枝子さんも良かった。しかし何とも切ない物語。最後までどうにかならないものかと僅かな期待をしながら観ました。不条理な事は昔なら多くあった事でしょうね。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
見聞

3.5人としての佇まい

2022年7月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

不条理な状況で後十年という命
納得のいかない時代
武士としての佇まい
人としての凛とした行動が
気持ちが正される
役所広司の穏やかな台詞が
す~っと心に入ってくる
短い時間の中で家族の為そして自分に
真摯に向き合う
堀北真希、岡田准一もよかった

コメントする (0件)
共感した! 3件)
しろくろぱんだ

4.0強く、賢く、優しく、義理に厚い男と、その男に良い影響を受ける素敵な...

2021年3月10日
iPhoneアプリから投稿

強く、賢く、優しく、義理に厚い男と、その男に良い影響を受ける素敵な家族や仲間達。

僕が目指す4〜50代のお手本のような人物だった。

切腹の切なさは現代人の僕にとっては理解しがたいけれど、それも尚良し。

どの時代も、その時代を生きた者でなければ理解し難いものであると思うから。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
Daichi Kitakata

3.0みな美しい

2020年4月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

2019年4月7日 #蜩ノ記 鑑賞
#葉室麟 の #直木賞 受賞作の映画化。主要キャストの #役所広司、#原田美枝子、#岡田准一、#堀北真希 4人ともみんな品がある。理不尽な世の中でも義に生きることを貫くのは素晴らしく美しい。でも難しいだろうな!

コメントする (0件)
共感した! 1件)
とし

2.5長すぎ。

2020年3月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

家老が思ったほど悪人ではなかったのと全くチャンバラの場面がない、という以外は想定通りのドラマ展開。この監督は黒澤明の弟子らしい。渇き。とは別人のような役所広司の演技。もう少し短く出来たのでは、という気もする。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
Yohi

4.5泉堯史監督のメガホンで映画化した時代劇。前代未聞の事件を起こした戸...

2019年9月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泉堯史監督のメガホンで映画化した時代劇。前代未聞の事件を起こした戸田秋谷は、10年後の夏に切腹すること、そしてその日までに藩の歴史である「家譜」を完成させることを命じらる。主人公・秋谷役は役所広司。堀北真希出演作品。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
てかる

3.5タイトルなし

2019年6月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

原作でも号泣させられた、拷問で死んでいく少年のエピソードには号泣。百姓の子の方が武士より余程立派なのだ。日本人は、ご先祖の大半は武士などではなく、殆ど百姓だったということを忘れているのでは。役所広司相変わらず顔デカ!

コメントする (0件)
共感した! 1件)
もーさん

4.5気品のある邦画時代劇の良作

2019年5月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

力量のある役者さんたちが演じる時代劇は矢張り、魅力的である。日本人の美意識、矜持、誇りを現した稀有な時代劇である。裂帛の気合を魅せる岡田さんはもはや、アイドルではないね。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
NOBU

4.0素晴らしかった

2018年11月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

知的

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
吉泉知彦

3.0日本人だけしか分からないだろう

2018年10月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

筋を通す日本人にしか理解してもらえない物語だろう。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
あっちゃんのパパと

4.0渋い。

2018年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

「側室と密通した罪」として、10年後の切腹まで家譜を命ぜられた秋谷と。書道の時間に紙が飛んで、隣席の武士と刀を抜く喧嘩になって、秋谷を監視する役目になった庄三郎。
どちらも「左遷」された者同士。どことなく哀愁が漂ってました。

秋谷が書いている「蜩ノ記」。その意味を庄三郎が問うと、「ここは蜩がたくさんいる。それと、私もその日暮らしじゃ」ってにっこり微笑む秋谷を見て、この人にはすべてよきも悪気もひっくるめて、ここにいるのでは?と感じます。そんな懐の広さ。

庄三郎も一つ屋根の下で暮らすうち、秋谷家にすっかりなじみ。中でも元服前の息子・郁太郎に、太刀さばきを教えたりなど、兄貴的存在になっていくのが、秋谷にも心強い存在になっていくのがわかります。

「秋谷家にいるようになったら、すっかりそっち寄りになったのお」と庄三郎は上役に言われます。それは秋谷が、左遷された先で農民たちとともに生きる姿とも重なります。最初は「武士は畑には入りませぬ」なんて言っていた庄三郎だったのに。

心が広い秋月役。役所広司さん以外できないでしょ。それくらいハマってました。庄三郎役の岡田准一さんも、控えめでいてやる時はやる。なかなか良かったです。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ゆき@おうちの中の人

3.0江戸期の武士

2018年10月4日
iPhoneアプリから投稿

戦国時代ではなく江戸時代の武士の概念と言うべき映画
何の為に生きてるのか考える事が不粋に思えてくる

役所広司はさすがやね

いい映画やけど岡田准一演技がこの映画を軽くしてしまってる
多分小説の方が数倍重く面白いんやろな

コメントする (0件)
共感した! 1件)
w_MAXL_rose

4.0時代物は

2018年8月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

昔の人はしっかりしているなぁと感心と共に所作も言葉も美しい。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
とらきち

4.0美しい

2018年8月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ベテラン俳優で所作も綺麗で見ていて落ち着く

コメントする (0件)
共感した! 1件)
まりも

2.0自分のためでなく、人のために生きる人生

2017年9月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

心を持つ考え方は、人を引き寄せる。必ず伝わる

コメントする (0件)
共感した! 0件)
atti1970