劇場公開日 2014年2月7日

  • 予告編を見る

「人間の業。」スノーピアサー 加藤プリンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人間の業。

2014年2月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

難しい

凶暴なまでの、人間の業。

極限にまで濃縮された縮図で描かれる

人間社会には、必ず破綻があること。

それが計画されたものであろうと、なかろうと

人間の感情がある以上、それは絶対に起こりうること。

この監督はそれを表現している。

は、世界設定に無理がある? 原作が漫画?

そんなことは、事前情報でわかりきったことだったはずだ。

そこをちゃんと描いてもらえないと、納得できないってのは、観客の甘えなんじゃないの?

そんなわかりきったことを踏まえた上で、なぜ、そんな不利な世界設定を監督が課したのか。

そして、そこに描かれるテーマはなんなのか。

そこを読み解かねば、映画なんて観る価値ないよ。ただ、「見た」だけだ。

観客の質は常に問われている。

この監督の提示したテーマ。希望でも絶望でもない。その先に、いや、その過程にあるもの。

それは、人間以上でもない。人間以下でもない。その業でしかない。

痛いほどの視線でそれを見つめさせてくれる映画。辛いのよ。痛いのよ。それが人間なのよ。

加藤プリン