劇場公開日 2013年1月26日

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「凡庸でつまらない」つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語 CRAFT BOXさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5凡庸でつまらない

2014年12月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

寝られる

「つや」とは、艶という女性の名前であり、その女性が死んだ「通夜」という意味でもある。
しかし、艶という女性は、映像としてはほとんど登場しない。『桐島、部活やめるってよ』と同じように、マクガフィンの一種と言ってもいいだろう。本人を登場させず、その周囲にいる人間たちを描き出す。
本作の場合は、艶という女性に関係した男たちの妻や愛人たちだ。
艶と直接関係した男も描かれているが、主には、その男たちの妻らが中心となり、いくつものエピソードがオムニバスのように、しかし艶という女性の造形を描き出すという方向に向かって展開していく。

そんな女性達を演じるのは、大竹しのぶ、風吹ジュン、小泉今日子らベテラン女優から、野波麻帆、真木よう子、忽那汐里など若手まで配する。男優も、主人公の阿部寛(というか、ある種の狂言回し)を筆頭に、羽場裕一、岸谷五朗、渡辺いっけい、永山絢斗、奥田瑛二と、豊富な俳優をキャスティング。行定勲監督ならではの豊富な人材である。
しかし、この女優たちの熱演や男優たちの安定した演技は、見事に空振りに終わっている。
ストーリーも凡庸だし、艶という女性や、阿部寛のように艶に囚われた男たちの関係性が、どうにも薄味で面白みがない。オムニバスのような構成も効果的ではなく、散漫でまとまりがない。
数日後には、見た内容も忘れてしまうんではないかと思えるほどつまらなかった。

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CRAFT BOX